今回は百閒が「一生忘れる事の出来ない夢の園」と記した岡山後楽園をはじめ、夢にまで見たという彼の大好物・大手饅頭のお店や生家跡など、内田百閒ゆかりの地を巡りました。印象深かったのは百閒記念碑園。旭川沿いの公園に作られた石垣に、さりげなく俳句と『古里を思う 後楽園』の冒頭部分が刻まれているのですが、よく見ないと見落としてしまうほど文学碑らしからぬたたずまいなのです。これは「百閒ならきっと、子どもが上って遊ぶような石垣に、なにげなく記された文学碑を好むに違いない」という考えから、このスタイルになったのだそう。文学碑以外にも、百閒の好みや思考を大切にしながら、ゆかりの地・ものを保存しているシーンに何度か出会いました。百閒先生、岡山市民に愛されています。
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