2021.5.22
◆伝説の“完全試合”を振り返る
丸山:まずは槙原さんのプロフィールを簡単に紹介させてください。1990年代の読売巨人軍を支えた名投手。現役時代の通算勝利数は159勝。1994年5月18日に(広島東洋カープ戦で)達成した完全試合は、平成唯一、20世紀最後の完全試合です。その後、槙原さんに続く投手はいないそうで、相当難しい快挙ですよね? (完全試合は)27人でしたっけ?
槙原:27人です。フォアボールもエラーもダメなので、野手にも負担をかけますし、みんなで成し得た記録でもあるんですよね。
丸山:なるほど。
槙原:みんなで(完全試合を達成することが)できて、いい思い出ですね。僕も引退(2001年)して長いですから、こうして語れる話が残っていて“よかったな”と思います。
丸山:ミスターパーフェクトと言われる槙原さんの後に完全試合が出ていないということはすごいことですよね。
槙原:アメリカ(MLB)でも非常に出にくい記録で。ノーヒットノーランは、今シーズン、アメリカだけでも4~5月で(4人)出ているけど、完全試合はできにくい。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が、アメリカであと1人までいったんですけどね。
丸山:その試合、観ていた!
槙原:そしたら、初球にセンター前ヒットですよ。あれは(リードしていた)キャッチャーがダメですよ。初球にインコースの真っ直ぐを投げさせたら甘く入って打たれたんですけど。(初球は)もうちょっと丁寧に入ってほしかったなって。
丸山:槙原さんが完全試合をしたときは、何球で終わったんですか?
槙原:102球です。
丸山:すごい!
槙原:ピッチャーで究極は27球で終わりたい。全員に初球を打ってもらってね(笑)。102球だと、それほど疲れなかったですね。
丸山:最近、大体(球数)は100球目安ですもんね。
槙原:そうですね。やっぱりランナーを出すと力が入ってけっこう疲れるんですよね。でも、ランナーが出ないと意外に疲れないですけど、ほかの選手たち(野手)へのプレッシャーや、お客さんがだんだんと(完全試合が近づいてきていることに)気づいて沸いてくるさまを見ていると、緊張感だけはみんな持っていたなと思いました。
丸山:“エラーしたらどうしよう……”って絶対に思いますよね。
◆完全試合の可能性がある現役ピッチャーは?
丸山:槙原さんの完全試合をリアルタイムで観ていましたけど、あのときって自分のなかでなにかありました?
槙原:やっぱり5回ぐらいから“これ、できるな”と思ってきて。試合は6対0だったんですけど、ピッチャーって勝つことが大事なんですよ。5回投げ切ると勝ち投手の権利が得られるので、ノーヒットノーランをやりたいなと思ったら、“待てよ、まだフォアボールも出していないじゃん!”って。“まだ完全試合の可能性がある”と思ったらけっこう力が入ってきて。みなぎってきたというか。
丸山:余計にね。
槙原:普通だったら、だんだんとプレッシャーを感じるじゃないですか。でもそのときプレッシャーはまったくなかったですよ。“失うものもないし……”と思っちゃったから。
丸山:ゾーンに入ったんですね。
槙原:まさに、そのゾーンですよ。今後、“また(チャンスが)あるかな?”と思ったけど、それっきりでしたね(苦笑)。
丸山:槙原さんといえば速いストレートですけど、それが決まっていたのか、どこに投げても(思ったところにしか)いかない感じだったのか。
槙原:コントロールですね。(マスターズ制覇した)松山英樹くんだって、あのプレッシャーのなかフェアウェイを外さなかったじゃないですか。これからもし、完全試合をやる人が出てくるとしたら、僕は(球の勢いよりも)コントロールだと思います。
丸山:なるほど。
槙原:当然、(完全試合を達成するには)フォアボールを出しちゃいけないというルールがあるわけだからコントロールは大事なことなんですけどね。例えば、菅野(智之/読売巨人軍)くんや大野(雄大/中日ドラゴンズ)くんとか。あと若い投手だとオリックスバファローズの山本由伸が、コントロールもよくてすごい球を投げるので、そういう選手たちは要チェックですね。(完全試合の)可能性があるなと思って観ていますね。あと千賀(滉大/福岡ソフトバンクホークス)くんもそうですね。
次回5月22日(土)の放送も、引き続き槙原さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では、時間の都合上カットしたトーク部分も盛り込んだ「ディレクターズカット版」がアップされています。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができますので、ぜひそちらもチェックしてください。
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聴取期限 2021年5月23日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/
ミスターパーフェクト槙原寛己が伝説の“完全試合”を振り返る「プレッシャーはまったくなかった」
プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」。5月15日(土)の放送は、元プロ野球選手の槙原寛己さんをゲストに迎え、お届けしました。
◆伝説の“完全試合”を振り返る
丸山:まずは槙原さんのプロフィールを簡単に紹介させてください。1990年代の読売巨人軍を支えた名投手。現役時代の通算勝利数は159勝。1994年5月18日に(広島東洋カープ戦で)達成した完全試合は、平成唯一、20世紀最後の完全試合です。その後、槙原さんに続く投手はいないそうで、相当難しい快挙ですよね? (完全試合は)27人でしたっけ?
槙原:27人です。フォアボールもエラーもダメなので、野手にも負担をかけますし、みんなで成し得た記録でもあるんですよね。
丸山:なるほど。
槙原:みんなで(完全試合を達成することが)できて、いい思い出ですね。僕も引退(2001年)して長いですから、こうして語れる話が残っていて“よかったな”と思います。
丸山:ミスターパーフェクトと言われる槙原さんの後に完全試合が出ていないということはすごいことですよね。
槙原:アメリカ(MLB)でも非常に出にくい記録で。ノーヒットノーランは、今シーズン、アメリカだけでも4~5月で(4人)出ているけど、完全試合はできにくい。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が、アメリカであと1人までいったんですけどね。
丸山:その試合、観ていた!
槙原:そしたら、初球にセンター前ヒットですよ。あれは(リードしていた)キャッチャーがダメですよ。初球にインコースの真っ直ぐを投げさせたら甘く入って打たれたんですけど。(初球は)もうちょっと丁寧に入ってほしかったなって。
丸山:槙原さんが完全試合をしたときは、何球で終わったんですか?
槙原:102球です。
丸山:すごい!
槙原:ピッチャーで究極は27球で終わりたい。全員に初球を打ってもらってね(笑)。102球だと、それほど疲れなかったですね。
丸山:最近、大体(球数)は100球目安ですもんね。
槙原:そうですね。やっぱりランナーを出すと力が入ってけっこう疲れるんですよね。でも、ランナーが出ないと意外に疲れないですけど、ほかの選手たち(野手)へのプレッシャーや、お客さんがだんだんと(完全試合が近づいてきていることに)気づいて沸いてくるさまを見ていると、緊張感だけはみんな持っていたなと思いました。
丸山:“エラーしたらどうしよう……”って絶対に思いますよね。
◆完全試合の可能性がある現役ピッチャーは?
丸山:槙原さんの完全試合をリアルタイムで観ていましたけど、あのときって自分のなかでなにかありました?
槙原:やっぱり5回ぐらいから“これ、できるな”と思ってきて。試合は6対0だったんですけど、ピッチャーって勝つことが大事なんですよ。5回投げ切ると勝ち投手の権利が得られるので、ノーヒットノーランをやりたいなと思ったら、“待てよ、まだフォアボールも出していないじゃん!”って。“まだ完全試合の可能性がある”と思ったらけっこう力が入ってきて。みなぎってきたというか。
丸山:余計にね。
槙原:普通だったら、だんだんとプレッシャーを感じるじゃないですか。でもそのときプレッシャーはまったくなかったですよ。“失うものもないし……”と思っちゃったから。
丸山:ゾーンに入ったんですね。
槙原:まさに、そのゾーンですよ。今後、“また(チャンスが)あるかな?”と思ったけど、それっきりでしたね(苦笑)。
丸山:槙原さんといえば速いストレートですけど、それが決まっていたのか、どこに投げても(思ったところにしか)いかない感じだったのか。
槙原:コントロールですね。(マスターズ制覇した)松山英樹くんだって、あのプレッシャーのなかフェアウェイを外さなかったじゃないですか。これからもし、完全試合をやる人が出てくるとしたら、僕は(球の勢いよりも)コントロールだと思います。
丸山:なるほど。
槙原:当然、(完全試合を達成するには)フォアボールを出しちゃいけないというルールがあるわけだからコントロールは大事なことなんですけどね。例えば、菅野(智之/読売巨人軍)くんや大野(雄大/中日ドラゴンズ)くんとか。あと若い投手だとオリックスバファローズの山本由伸が、コントロールもよくてすごい球を投げるので、そういう選手たちは要チェックですね。(完全試合の)可能性があるなと思って観ていますね。あと千賀(滉大/福岡ソフトバンクホークス)くんもそうですね。
次回5月22日(土)の放送も、引き続き槙原さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では、時間の都合上カットしたトーク部分も盛り込んだ「ディレクターズカット版」がアップされています。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができますので、ぜひそちらもチェックしてください。
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聴取期限 2021年5月23日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/