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村上RADIO ~村上の世間話2~

村上RADIO ~村上の世間話2~

こんばんは。村上春樹です。村上RADIO、今日は猫山さんがセレクトしてくれた、猫の音楽を特集します。猫という言葉がついたタイトルの曲を、うちにあるレコードとCDの中から集めてくれました。さて、どんなものがかかるでしょうね、おたのしみに。しかし結構たくさん集まりましたね、猫山さん。

猫山:ニャーオ。

曲を選んでくれたのは猫山さんですけど、翻訳はおまえがやれと指示されまして、僕が汗をかきかき、歌詞のざっくりとした要約みたいなことをしました。訳してみると、猫の歌にも実にいろんなものがあって面白かったです。かわいい子猫ちゃんから、こすっからい横丁の野良猫から、のんきに昼寝ばかりしている太っちょ猫くんまで、さまざまな猫が歌の中に登場します。おたくの猫ちゃんは、どんな猫なんでしょうね。「猫は飼っていないけど、うちの恋人はまるで猫みたいに可愛いよ」という方も、きっといらっしゃることでしょう。うらやましいですね。

猫山:ニャーオ。
YEAR OF THE CAT
AL STEWART
THE VERY BEST ALBUM EVER
EMI
さて1曲目は、アル・スチュアートが1976年に出したヒット・ソング「Year Of The Cat」、「猫の年」です。十二支に猫の年はありませんが、アル・スチュアートの音楽の中には存在します。この曲、なかなか入り組んだ「フィルム・ノワール」風のストーリーを持っています。そんなわけで、演奏時間もけっこう長くなります。 主人公はどこかのエキゾチックな土地で、謎めいた女性にめぐり会います。彼女は彼にそっとささやきます。「ねえ、私は猫の年に入り込んでしまったのよ」と。「Year of the Cat」、アル・スチュアートが歌います。

<収録中のつぶやき>
僕はこの曲が流行ったころジャズの店をやっていたんだけど、ずっとジャズをかけていて、営業時間が終わるとアフターアワーズによくこの曲を聴いていました。
MY CAT FEEL IN THE WELL(WELL! WELL! WELL!)
THE MANHATTAN TRANSFER
Bop doo-wopp
ATLANRIC
次はマンハッタン・トランスファーが歌う「My Cat Fell In The Well(僕の猫が井戸に落ちちゃった)」という古い歌です。1939年にメリー・マックスというヴォーカル・グループがヒットさせたものを、マンハッタン・トランスファーが取り上げました。うちの猫ちゃんが井戸に落ちちゃった、さあどうしよう、困ったなあ、こんなに可愛い子猫ちゃんなのに……という、まあナンセンス・ソングです。結局、猫はぐしょ濡れで助け上げられたようですが。 だから、おたくの猫も井戸に落ちたりしないように気をつけてくださいね。といっても最近は井戸ってほとんど見かけませんけどね。これはアナログ・レコ―ドでかけます。「My Cat Fell In The Well」。

このあいだ僕が行くジムのインストラクターの女性と話していたら、彼女のうちの猫は「お手」と「お座り」をするということでした。「嘘だろう」と言ったら、動画を送ってきてくれて、それを見たら、たしかに猫が「お座り」と「お手」をしているんです。びっくりしました。「どうしてそんなことができたの?」と尋ねたら、「なんとかチュールを餌(えさ)にして教え込んだんです」ということでした。すごいなあ。 僕は昔、「それは猫にお手を教えるくらい難しいことだ」という比喩をどこかで使ったことがあるんだけど、どうやらそういうのも通用しなくなってきたみたいですね。でも、なんかひっかかるなあ。猫は犬じゃないんだからね。

猫山:ニャア~。
The cat-song
Laura nyro
Smile
SONY RECORDS
ローラ・ニーロの「キャット・ソング」。猫の名前はエディー、雄猫ですね。
ピアノと歌はローラ・ニーロ、ギターはジョン・トロピー、ベースはウィル・リー、ドラムズはクリス・パーカー、サックスとトランペットはブレッカー・ブラザーズ、当時の最強メンバーです。
MORPH THE CAT
DONALD FAGEN
MORPH THE CAT
REPRISE
ドナルド・フェイゲンが歌います。「モーフ・ザ・キャット」。
モーフ、不思議な名前の猫ですね。でもこれは本物の猫ではありません。フェイゲンさんの造語です。ニューヨーク・シティーの上にぽっかり浮かぶ、猫みたいな形をした幽霊みたいな物体、それが猫のモーフです。そいつが下界に降りてきて、ニューヨークの隅々、いろんなところに染みこんでいきます。モーフ・ザ・キャット、ニューヨークという街のスピリットみたいなものなんですね。

この話は前にどこかでしたことがあると思うんだけど、僕が昔飼っていた雌猫は、全部で5度お産をしたんですが、ちょっと変わった猫で、僕の膝の上でしかお産をしないんです。陣痛が始まると、僕のところに来て、僕の目をじっと見るんです。手を握ってやると、そのまま僕にもたれかかるようにしてお産をします。
しょうがないから僕が、出てくる子どもを一匹いっぴき取り上げて、胎盤を取って、きれいに拭いてやって……みたいなことをします。お産が始まるのってなぜかいつも真夜中で、全部で4、5時間かかりますから、明け方までそれにずっとつきあってなくちゃなりません。これ、大変でした。産むほうも大変だろうけど、こっちももうくたくたです。でも、そこまで猫に信頼されると、しっかりこたえてやらないわけにはいかないですよね。
WHAT'S NEW PUSSYCAT?
BOBBY DARIN
SWEET BACHARACH HEAVEN
WARNER MUSIC JAPAN
ウディ・アレンが脚本を書いたコメディ映画「何かいいことないか子猫チャン」の主題歌です。トム・ジョーンズが歌ってヒットしましたが、ここではボビー・ダーリンが歌います。

この映画、ウディ・アレンのテイストとピーター・セラーズのコメディ演技の質がもうひとつかみ合わず、おまけに映画会社ができあがったフィルムを勝手に再編集したので、映画はかなり乱暴な出来になっていました。それでアレンさんは、かんかんに怒ったんですけど、それでもなぜか大ヒットしまして、これでウディ・アレンは一躍有名になりました。

主題歌の作曲はバート・バカラック。メロディーもコード進行も、かなり大胆というか、普通ではないユニークな趣向の歌作りですが、この当時のバカラックって、何をやっても見事に決まっていました。

僕は何度か「京都マラソン」という冬のマラソンレースを走ったことがあります。このレース、いろんな名所旧跡を巡る素敵なコースなんですが、仁和寺(にんなじ)の前では猫又のかっこうをしたお坊さんが声援を送ってくれました。
どうして猫又かっていうと、『徒然草』で猫又に襲われるのが、仁和寺のお坊さんなんです。だから仁和寺で猫又応援をするわけだけど、いつもけっこう励まされます。「おお、猫又が応援してくれるんだ」みたいな感じで。
『徒然草』には「奥山に、猫またといふものありて、人を食ふなると人の言ひけるに……」とありますが、そういうのに襲われたら「なんとかチュール」を撒いてさっさと逃げるしかないですね。猫に喰われちゃたまらないから。
NASHVILLE CATS
Lovin' Spoonful
the best of The Lovin' Spoonful
BUDDAH KAMA SUTRA
次はラヴィン・スプーンフルの「ナッシュヴィル・キャッツ」。この場合のキャットは猫又じゃなくて、ミュージシャンのことですね。テネシー州ナッシュヴィルは音楽の街で、スタジオもたくさんあります。だから当然腕の良いミュージシャンがごろごろいます。そんなナッシュヴィルのミュージシャンたちを称えて、ジョン・セバスチャンがこの曲を作りました。
Phenomenal Cat
THE KINKS
THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY
Sanctuary
1968年に発表されたキンクスの名盤『Village Green Preservation Society』の中の曲です。Phenomenal Cat(フェノメナル・キャット)、驚くべき猫、畏(おそれ)れ多い猫。さて、いったいどんな猫さんなんでしょうね。
The Cat
JIMMY SMITH
THE CAT
VERVE
次は、インストゥルメンタルでいきます。
ジミー・スミスのオルガンで「ザ・キャット」。アラン・ドロンとジェーン・フォンダが共演した、ルネ・クレマン監督の映画「危険がいっぱい」のテーマ曲です。というと、いかにも面白そうなんだけど、僕の記憶では意外になんてことのない映画で、当時、がっかりした記憶があります。でもこのファンキーな音楽はヒットしました。作曲はラロ・シフリン。

ジミー・スミスのオルガンがごきげんにスウィングしますが、その裏でぴしぴしとリズムを刻むケニー・バレルのギターがまた素晴らしいんです。
僕は昔からケニー・バレルのファンでして、アメリカの小さなジャズクラブで彼のトリオを聴いたことがありますが、そりゃもう、悦楽でした。ケニー・バレルの音って、他の誰にもまず出せません。
Stray Cat Blues
THE ROLLING STONES
BEGGARS BANQUET
ABKCO
ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作「ストレイ・キャット・ブルーズ」。アルバム『ベガーズ・バンケット』に入っています。いかにもストーンズらしいっていうか、かなりワルの入った曲です。

かなりダークな世界ですね。「ストレイ・キャット・ブルーズ」、子猫ちゃん、大丈夫でしょうかね?

猫山:ニャ~、ニャア~~ニャア~。

<収録中のつぶやき>
ニュートンの猫の出入り口の話、知ってる? ニュートンは猫を飼っていたんです、大きい猫と子猫と。で、ニュートンは猫の出入り口を、大きいのと小さいのを二個つくったんです。みんな驚いてあきれた。だって小さい猫は、大きい戸口をくぐれるじゃない(笑)。天才っていうのは、なにを考えるかわからないよね、ほんと。
THE ALLEY CAT SONG
GALS AND PALS
GALS AND PALS SING GALS AND PALS' FAVORITES
metronome
もうひとつ野良猫ものをいきましょう。「The Alley Cat Song」、アリー・キャットというのは都会の暗い横丁をねぐらとする野良猫のことです。こちらは子猫ちゃんじゃなくて、年季の入ったやくざ猫くんです。

歌っているのはスウェーデンの6人組ヴォーカル・グループ、Gals and Palsです。
このレコード、スウェーデンに行ったときに買いました。ストックホルムではずいぶんたくさんレコードを買ったな。毎日レコード屋さんに通っていました。ストックホルムって、ほとんどレコード屋さんのことしか覚えてないですね。何しに行ったんだろう?

<収録中のつぶやき>
ストックホルムってなぜか中古レコード屋さんがものすごくたくさんあるんです。イギリス、ドイツ、フランスはぜんぶ自国でレコードをプレスするの。でも北欧は自分のところではプレスしないで、アメリカなんかから取り寄せるから、オリジナル版が結構手に入りやすいんです。
SOMETHING FOR CAT
HENRY MANCINI
Breakfast at Tiffany's
RCA
次は、「Something for Cat(猫ちゃんに何かいいものを)」。映画「ティファニーで朝食を」の挿入歌です。作曲と演奏はヘンリー・マンシーニと彼の楽団。(映画のヒロイン)ホリー・ゴライトリーのアパートメントでのパーティーの場面で使われていました。この映画に出てくる猫は名前がなくて、ただ「キャット」と呼ばれています。名前をつけると情が移ってしまうので、たぶんホリーは名前をつけなかったんでしょうね。ホリー自身も落ち着き場所を持たない、移ろい続ける女性です。本名も定かではありません。 映画は映画としてよくできていて面白かったけど、原作者のカポーティは映画を観て「オードリー・ヘップバーンはホリーの役に合わない」と憤慨(ふんがい)していたそうです。彼はマリリン・モンローをイメージしていたんですね。でもマリリン・モンローを主役にして「ティファニーで朝食を」を撮っていたら、これはずいぶん違った作品になっていたことでしょうね。
THE WALTZING CAT
LEROY ANDERSON
MUSIC OF LEROY ANDERSON Vol.2
Mercury
今日のクロージングは、ルロイ・アンダーソンが作曲した「The Waltzing Cat」です。とってもチャーミングな曲ですが、最後に不躾(ぶしつけ)な犬たちがちらっと出てきます。演奏家たちが、みんなで犬の役を演じています。演奏はフレデリック・フェネル指揮のイーストマン・ロチェスター・ポップス・オーケストラ。うちにあったのはアナログ・レコードだけど、なかなか素敵な音です。
今日の言葉はローリング・ストーンズのキース・リチャーズさんです。


おれにはね、コンピュータなんてものはお呼びじゃない。マウスを見たら、ふん、猫をけしかけてやるだけさ。
リチャーズさん、素敵ですね。できることならこういう具合にシンプルにワイルドに生きていきたいものです。

猫山:ニャ~~オ。

そして、夏の間、8月31日(水)まで皆さんからの質問を受け付けようと思います。 番組サイトに「村上さんに聞いてみよう!」というバナーを作ったので、僕に聞いてみたいこと、相談したいことを書いて送ってください。 秋ごろになると思いますが、番組の中でお答えしようと思います。「村上さんに聞いてみよう!」、番組サイトをチェックしてくださいね。

それではまた来月。

リスナーのメッセージに答えました

リスナーのメッセージに答えました

チアン(74、男性、岐阜県)

山下洋輔さんのライブの再現、うれしくなりました。私が大隈講堂からピアノを運びました。三人で構内を運びました。経緯は私は商学部で当時商学部は革マルだったので、大隈講堂を占拠している革マルと話せることで率先して(?)いきました。あっけなく簡単にOKがでて、運ぶ前についでに大隈講堂の塔に登りたいと希望したら、これもOkで塔の上に立ちました。そこにはルポ用の布団が一組ありました。舞台の上に一台のグランドピアノがあり、手っ取り早くそれを運びました。「大隈講堂の扉を壊した」記憶はありません。四号館の半地下の会場(教室)にどう入れたかも記憶にありません。運んだ記憶は大隈銅像に向かって三人で運ぶグランドピアノって案外軽いってことです。メットを椅子がわりにしてライブをききました。三十数年前、山下洋輔さんが岐阜市文化センターのオープニングで来演され、その打ち上げパーティで山下洋輔さんにこのことをお話しました。その時、田原総一郎さんのプロデュースであったこと、立松和平さんが書いていることを聞きました。
ーーーー三人でグランドピアノを担いで軽かった? すごく重そうだけど、三人で担げちゃうんだ。驚きです。立松和平さんの小説『今も時だ』はとてもよく書けていて、面白いと思うんだけど、「新潮」の新人賞、最終候補になったのに結局とれなかったんですね。不思議です。
鈴木順(50、男性、京都)

音楽好きの村上さんに質問です。村上さんは好きな音楽を聞きながら本を読むことができますか。私は音楽も本も好きなのですが、両方を同時にすることができません。好きな音楽(クラシックではないうるさくないピアノ曲)を聞きながら本を読もうとするとどちらも好きなのでどっちに集中してよいのかわからなくなり、本の内容が頭に入ってこなくなるのです(音楽も楽しめていないと感じています)。その結果、何度も同じところを読み直す羽目になります。「じゃぁ、どちらかにすればいいじゃないか」と言われそうですが、同時にできない自分を情けなく思い「もしかして他の人よりも人生を半分しか楽しめていないんじゃないか」と感じるときがあります。人生折り返しをとうに過ぎておりますが残、りの人生を安心して過ごせるようにアドバイスを頂ければと存じます。よろしくお願いします。
ーーーー僕は真剣に本を読むときは音楽は聴きません。両方はできないから。適当に本を読むときは適当に音楽を聴いたりします。小説の仕事をするときによく音楽をかけますが、実際にはほとんど聴いてはいないです。後ろでなんか鳴っている・・・というだけ(でもなんか鳴っていると、励まされる)。翻訳をするときはしっかり音楽を聴きながらやります。だからついつい翻訳の仕事をしちゃうのかもね。
片白草(49、女性、埼玉県)

世間話2とても素敵な回でした!ウットリして聞けました。エッセイみたいに。本当に月1ではなくもっと聞きたいです。
ーーーーほんとは毎週やれればやりたいのですが、そんなことしていたら本職がすっかり滞ります。そのへん、よろしくご理解ください。本職、なんといっても大事ですので。
ラジオスター008(55、男性、千葉県)

いつも放送楽しみにしています。村上RADIOでジャズ、クラッシックに興味を持ち自分なりに聞いています。55才サラリーマンです、30年以上会社に勤め、真面目に働き、経験も積んだはずですが、日々緊張が続き心が疲弊しており、心機一転新しい事へチャレンジしたいのですが、活力が湧いてきません、やりたい事もなかなか見つかりません。何から手を付ければ良いでしょうか。
ーーーーそうですねえ・・・日なたでのんびり猫の頭を撫でていたら、そのうちに良い考えが浮かぶかもしれませんよ。浮かばなかったらすみません。
踊る子猫(40、女性、東京都)

今回のようにテーマをとくに決めず、村上さんの多岐にわたるお話を聞けることができるのは、至福のひとときです。干物の話、甲子園のかち割りの話が印象深かったです(食べ物ばかり?)昔の甲子園球場、とても風情がありますね。幼いころの夏休みの思い出と重なり、なんとも懐かしい気持ちになりました。
ーーーー甲子園球場、夏の高校野球大会の決勝戦の頃になると、球場のまわりを赤とんぼがたくさん舞っていました。それを見ると、ああ、そうか、夏休みももう終わりなんだなと淋しく思いました。夏休みの終わりって、淋しいですよね。
wide bay(49、女性、東京都)

春樹さんが、新横浜で旗持ちをしたという話、大爆笑でした。もし見つけたら、黙ってニンマリしちゃうだろうな。旗持ちは見れなかったけど、12日の山下洋輔トリオのライブチケットがめでたく当たり、春樹さんとお会いできることになり、夢のようです。体調を万全に、楽しいライブになること、楽しみにしています。
ーーーー当選してよかったですねえ。楽しめましたでしょうか?山下トリオの三人とも、すごい迫力でしたね。最近の若いジャズ・ミュージシャン、みんなびっくりするほどうまいし、よく勉強しているんだけど、ああいう「人間力」を感じることは少ないです。僕はとても久しぶりにジャズを堪能しました。
宮本(45、女性、長野県)

毎月楽しく聴かせて頂いてます。残念ながら音楽には詳しくなってはいませんが、心地よい声の話に笑わせてもらいながら、毎月の楽しみにしております。今回もいろいろ笑わせてもらいましたが、甲子園の話が一番興味深かったです。関西には夏に旅行に行ってみたかったのですが、行きたい場所が増えました。ぜひカチワリ食べたいです。ちなみに、一番行きたい場所は8月12日に行われる鴨川神社の古本市です。いつか行けたらいいな。
ーーーーかちわり、まだやっているみたいです。甲子園球場、是非愉しんできてください。今年は熊本代表、九州学院の四番打者をヤクルトの村上宗隆くんの弟の慶太くんがつとめているので、見るのが楽しみです。
ツチノコツッチー(61、男性、神奈川県)

僕も若い時夙川に住んでたので、小説の町がなんだか芦屋っぽい街だなあと読んだ瞬間思ってました。そして宮本輝さんのような、”いかにも関西”(それはそれでいいんですが)ではなくて”ドライな感覚”が僕には合ってました。今回の放送は甲子園の話が出てきました(そこらへんまでは存じてました)。そして夏になると、高校野球では甲子園の外野がタダなのでよく行っていたとのこと、全く僕の小学校時代と同じです。村上さんは自転車で行かれていたそうですが、僕は香櫨園駅からの往復電車賃とカチワリ氷代だけ持たされてました。そして、カチワリ氷、つめたくてよかったですよね。ストローでチュウちゅう全く同じです。ただ、僕の時代には甲子園浜はなかったので海水浴はしてません。神宮球場には年2、3回行くし、スワローズ側ライトにいることも多いのですが(ただし僕は阪神ファンです)、ついぞやお見かけしたことがありません。そのうちお会い出来たら嬉しいです。
ーーーー神宮球場の阪神戦、阪神ファンの方がヤクルト・ファンより多いんですよね。声もずっとでかいしね。ヤクルト・ファンは普通の服装で球場まで来て、そこでおずおずユニフォームに着替える人が多いんだけど、阪神ファンって電車に乗ってくるときからもうしっかり虎柄ユニフォームです。どこでそんな差が生まれるんだろうね?
まいこ(49、女性、東京都)

日曜の午後…村上さんの声と村上さんが選んだお洒落な曲を聴きながら、家事なんかをしていると、まさにこれこそが小確幸だなぁとしみじみ思います。村上春樹ライブラリーでも、村上さんのラジオが定期的に聞けたらいいですねぇ。あの空間、気に入りました。ジャズライブなんかもしてほしいなぁ。
ーーーーこの前、あのスタジオで公開放送をしましたが、楽しかったですよ。機会があればまたやりたいです。かけたい曲、いっぱいあります。
れいちぇる(50、女性、北海道)

村上さんの番組は聴いたことのない音楽で溢れていて、毎回新鮮な感覚になります。デビットリーロスも名前だけは知っていましたが、聴いたことがないです。私は編み物作品を市内の手作りイチで月イチ販売しているしがない作家なんですが、先月中古レコードを扱うお店も出店していてワクワクしてレコードをみました。買いませんでしたが(うちにはレコードプレイヤーがない)、お宝レコードがザクザクありました。ちょっとチンピラ風のお兄さんが販売していたんですが、プレイヤーで山下達郎をかけてくれてました。下らない話にはクールに距離を置いて過ごすのは身を守るのに大事ですよねえ。わかります。
ーーーー中古レコードいいですねえ。見ているだけで、心が豊かになります。触って、匂いを嗅ぐともっと幸福になれます。CDって匂いがないですよね。やたらぴかぴかしていて、溝もついてないし。つまんないな。
納豆キング・コール(53、女性、千葉県)

村上さんの世間話、ゆるーい感じが心地よくて、ときどきクスッと笑いながら、楽しく聞かせていただきました。甲子園球場のかちわりと青空と海で泳いで戻ってきてかち割り、のお話は目に浮かぶようで、その時代の甲子園に行ってかちわり体験をしてみたくなりました。海の近い土地って、いいですよね。村上さんの大切な思い出をおすそ分けして下さり、ありがとうございます。そこで、質問なのですが、車で走っていて気持ちのいい道路や景色がありましたら、教えていただけませんか。映画「ドライブ・マイ・カー」を見て、瀬戸内にとても行ってみたくなりました。これからも月一回でいいのでラジオをつづけてください。山下洋輔さんのライブは残念ながら抽選にはずれてしまったので、家でお酒を用意してオンライン配信で楽しみますね。
ーーーー僕はよく箱根から湯河原に降りる道路で車の運転の練習をします。マニュアル・シフトのセカンドとサードを細かく切り替えながらカーブの多い山道を走ると、とてもとても気持ちが良いです。ときどきバイクの高校生と競ったりしながら・・・。
ゆい(41、女性、東京都)

いつも楽しみに聞いております。網代で店番をする猫を探しに行かれた話が好きです。後ろ脚で立ち、二足歩行して接客している猫の姿が何故だか思い浮かんで来ました。10年程前に、網代駅のホームのベンチの下にいた猫の親子を思い出しました。なぜホームに猫が?餌がベンチの下にあったようにも思いますが、そこは記憶がぼんやりしてます。野性味を残したスレンダーな淡い色味の雉柄の野良猫で、私には母と娘に見えました。人馴れしておらず、撫でたりできませんでしたが、二匹は仲が良く、じゃれたりしていたような。あの猫はどうしているのかな?
ーーーー猫がエプロンをつけて、二本足で歩行して接客していると似合いそうですね。熱海の商店街に干物専門食堂があって、そこでお昼にアジの干物の定食を食べるのが好きです。小田原の早川漁港近くの食堂で、とれたて揚げたてのアジフライ定食を食べるのもかなり素敵です。アジが好きなんだね。
竹内くろべー(50、男性、栃木県)

朝のウォーキング中、radikoで村上RADIOを聞いています。今回、猫のいる干物屋さんの話題を聴きながら、牧場の間の道を歩いていると、たくさんの猫さんに遭遇しました。野良猫みたいな感じですが、牧場の敷地内に住み着いている一族がいるようです。干物はないけれど、牛さん用の飼料を狙う鼠が多いようで(トンビなどの猛禽類もよく見かけます)、鼠退治に一役買っている猫一族は牧場スタッフからもかわいがられている、という事情があるようでした。羊谷さんはいない牧場ですが、ヤギさんはいるので、村上RADIOで羊谷さんの声が響くと嬉しくなります。今度ぜひ、そんな風景に似合うカントリーの曲をかけてください!
ーーーー「借りてきた猫のように」という表現があるけど、昔は猫を貸し借りしたんですね。もちろん鼠退治のためです。でも「すみません、ちょっとおたくの猫貸してくださいな」なんて、なんか素敵です。お醤油の貸し借りするみたいで。
タイマル(50、男性、鹿児島県)

村上さん、こんばんは。先ほど放送を聴きました。いろいろ面白かったのですが、特に「Rainy Night In Georgia」と「Still Got the Blues」が良かったです。レイニー•ナイト~は『風の歌を聴け』を読んでからずっと聴いてみたいと思いつつ聴けなかったので。そしてスティル~は僕も同じものをCDで愛聴してるので。とにかくありがとうございました。では。
ーーーーそういえば「Rainy Night In Georgia」、『風の歌を聴け』に出てきましたっけね。うん、すっかり忘れていました。なにしろずっと昔に書いたものなので。でもまあ、聴けて良かったですね。どう、なかなか良い曲でしょう?
ホンジョビ(24、男性、宮城県)

今回のホームページのように放送時間に入りきらなかった村上春樹さんの一問一答を掲載して頂くと、番組を様々な角度からより深く楽しめます。
ーーーー番組ではなかなかメールが読めないので、こうしてときどき「課外活動」をしております。よかったら、いろいろとメッセージを送って下さい。いちおうちゃんと読んでおりますので。
みつまゆ(36、女性、大阪府)

ホームページで質問に答えてくださって、ありがとうございました。曲が正直分からないと言った者です。今回の放送を聞いてて、かかってる曲が分かるまでいかないですが、違和感(言葉が悪くてすいません…!)を覚えなくなってきたなぁと思って聞いてたんです。村上さんの選曲が分かりやすいものになってきたのかと思ってたのですが、おっしゃられるように受け入れて馴染んできたのかもしれません。回答を見てそう思いました。娘のミルク飲まなさっぷりは変わりません…。離乳食も始まりましたが、なんなら離乳食もほぼ嫌がって食べません。今まで娘と一緒にラジオを聴いていなかったのですが、今度は一緒に聴いてみようかな?子ども向けの村上RADIO、私も期待してます。
ーーーー音楽というのは愉しむものであると同時に、学ぶべきものでもあります。僕も長い年月をかけてこつこつと音楽を学んできました。愉しみつつ学んでください。学ぶだけの価値はあるものですよ。
あじの好きな猫(58、女性、神奈川県)

10年ぐらい前、夏の高校野球時期に阪神方面に行ったので、せっかくなんだからと甲子園球場に行ったことがあります。その時は外野席は無料で、かちわり氷ややきそばを手にのんびりした感じでしたが、今では外野席も大人で千円するとか。小中学生が気軽に立ち寄れる球場に戻ってほしいですね。
ーーーー僕は子どもの頃、適当に外野席の応援団のところに行って、一緒になって応援していました。どっちの学校が勝ってもべつにいいんだけど、でもまあ、どちらかを応援している方が楽しいので。
みい(60、女性、東京都)

村上さんへ伺ってみたいこと。『ドライブ・マイ・カー』という映画について、村上さんご自身の感想はいかがでしょうか?当初村上さんの作品を原作にするなんておしゃれだなと思いました。原作を改めて読んでみました。村上作品ならではのブラックユーモアやイキさを感じました。ところが映画は3時間と長いし、’ひたすらシリアス’という評を読んでしまって、結局映画はまだ観ていません。きっと村上さんのことですから、映画はまったく別なものとして楽しんでご覧になるかと想像しますが、タイトルは原作ままですから、ご自身の作品の意図(?)・良さなどが生かされたかどうか、本音のところを伺ってみたいです。
ーーーー映画、僕はとても楽しめました。原作と内容ががらっと違っているところがよかった。そういうのって好きです。
名前つけるのがとにかく苦手さん(53、男性、石川県)

夜勤だったので当日聴けなくて残念でしたが、帰ってから聞き逃し配信で聴くのを楽しみにしていました。おかげで仕事は乗り切れたし、番組は面白かったし言うことなしでした。次回、映画音楽特集お願いします。僕は8才のとき父親に連れられ「スターウォーズ」を観ました。字幕は父親が途中まで読んでくれましたが、そのあとはおおよそ見当をつけ、字幕はクリアしました。で、そのときにジョン・ウィリアムズの曲が気に入り、はじめてシングルレコードを買いました。村上さんがはじめて親と観た洋画は何ですか。またはじめて買った映画音楽のレコードは何ですか?山中伸弥さんのラジオネームめちゃくちゃ面白かったので、僕にもお願いします。命名がほんとに苦手なんです。よろしくお願いします。
ーーーー僕が生まれて初めて買った映画音楽のレコード・・・たしか西部劇「荒野の七人」のサントラ盤(エルマー・バーンスタイン指揮)だったと思います。シングル盤、330円でした。一時期、携帯の着メロにも使っておりました。勇ましいんです。あなたのラジオネームは「高野豆腐の七人」です。遠慮なく受け取って下さい。
みちえ(75、女性、東京都)

村上さんの声が好きです。もちろん本のファンですが。世の中には良い人っぽく演じている声の人が多くて本心が見抜けない。村上さんの何か斜に構えた感じの声と話し方に安心感があります。「Real & Cool」ノートに書いておきました。
ーーーーとくに斜にかまえているわけではなく、普通にこういう声です。女性の耳元でそっと囁くと、そのまま・・・なんてことは一度もありませんでしたが。一度くらいあってもよさそうだけど、残念ながら。
ひつじのシャーリー(52、女性、埼玉県)

村上radio毎回楽しみにしています。村上さんの選曲とおしゃべりはとても素敵です。82歳の父親も村上さんの小説の大ファンで新刊が出ると色々な考察を語り合います。その時の父はとても生き生きとしてうれしくなります。12月にはamazon オーディブルで『騎士団長殺し』が高橋一生さんの朗読ででるのでそちらも今から楽しみです!さて質問です。最近寝つきが悪く困っています。村上さんは眠れない時はどうしますか?
ーーーー眠れないこと・・・ないんです、そういうの。すみません。
えだまめ(37、女性、三重県)

春樹さん、リアルにクールに生きていきたいけど、リアルって何なんでしょう。春樹さんの本を読んでいると、リアルだと思ってたことに、だんだん「?」がついてきて、いろんなものが変だよなあと思えてしまいます。私は大学を出てから教職ひとすじ、先生である自分が好きでした。でも今は、国語の教師として自分がしていることも、なんだかなあ、なんだか違う気がしてきました。リアルじゃないのかもしれない。リアルに生きるってしんどいことですよね。まだまだクールにはなれません笑
ーーーーリアルにクールに生きるのって、実際にはとてもむずかしいです。僕もただ口で言っているだけです(笑)。僕は年季を積んだヤクルト・ファンですが、傘も振りませんし、東京音頭も歌いません。ひとり静かにじっとグラウンドを眺めています。フィリップ・マーロウみたいにリアルにクールに(笑)。
あなろぐ原平(64、男性、大分県)

村上さんは死ぬまでにやっておきたいこと(やり残したこと)は何かありますか?先日、若い女性に聞かれて考えこんでしまいました。とくに思いつきませんでした。これって変ですか。好きなレコードを聴く毎日があれば素敵ですよね。
ーーーー死ぬまでにやっておきたいこと、とくにありませんね。昔は「双子の女の子とデートしたい」と思っていましたが、最近は「とくにしなくてもいいか」と思うようになりました。枯れてきたのかなあ。
DEX88(70、男性、山形県)

世界中のレコード屋めぐりのエピソードを本にして出してください。
ーーーージョン・レイという若いアメリカ人の作家と二人で、ニューヨークの黒人街のくずれかけたわびしい中古レコード屋に出かけたことがあります。天井までレコードが積み上げてあって、埃がすごくて死にそうだった。収穫・・・残念ながらありませんでした。「ときどきすごく珍しいモノがあるんだけどね」とジョンは言ってたけど、けっこうやばい地区だったなあ。
ようやく今頃村上主義者(60、女性、神奈川県)

いつもゆったりくつろぎながら、村上さんのトークにうなずいたり突っ込んだりしています。聞き終わると充実した楽しい時間だったなと感じます。一時間という箱の中に、いろんな味の楽しいお菓子がつまっているようで、毎回堪能しています。ジャズは昔から興味があったのですが、どこから手をつけてよいかわからず、一見さんおことわりの名店の前をうろうろするような感じでした。でも、村上RADIOのお陰で、村上さんというよき案内人を得、この半年でずいぶん楽しめるようになりました。ちょっと目が開いて、新しい景色が見えてきたみたいです。もう還暦、あやうくこんな素敵なものを知らないで年老いてしまうところでした!村上さん、ありがとう!
ーーーー僕は僕の部屋にお客を呼んで、軽くお酒でも飲みながら、僕の好きなレコードをかけて愉しんでもらうという感じで番組をやっております。愉しんでいただければなによりです。もっとジャズをかけたいんだけど、ジャズって一曲の時間が長いので、なかなかラジオではかかりません。残念です。
鬼ごっこと氷鬼(40、男性、神奈川県)

こんにちは。毎回楽しみに聴かせて頂いております。村上さんの世間話の中で違反切符を切られたお話しが印象に残りました。私はいままで20年運転してきてゴールド免許をキープしていたのですが、昨年二回違反をとられ、二俣川で二時間の講習を受けました。ちょっと落ち込んでいたのですが、村上さんも同じような体験をされたと伺ってなんだか気持ちが軽くなったようでした。
ーーーー二俣川・・・いやですよねえ。名前を聞いただけど気持ちが暗くなります(二俣川の住民のみなさんには申し訳ないですが)。お互い気をつけましょうね。
らむ猫の母(57、女性、大阪府)

村上さんの世間話のひとつひとつが短編小説になりそうな内容で、映像化して楽しみました。音楽に疎い私でも、すっと耳に入る曲ばかりで良かったのですが、やっぱりお話しの方が好きです。暑くて食欲がなかったのですが、途中で無性にうなぎが食べたくなり冷凍うなぎを温めて食べてしまいました。美味しかった。
ーーーーうなぎ、いいなあ。今年まだうなぎを食べてないんです。食べにいかなくちゃ。でも最近、うなぎ屋さんって減りましたよね。僕が昔よく行っていた表参道のうなぎ屋さんには看板猫がいて、いつも座布団の上で昼寝をしていました。すぐそばにうな重があっても、まったく関心をしめしませんでした。猫はうなぎってそんなに好きじゃないのかな。
チョコぱん(53、女性、宮崎県)

この時間にラジオを聞く事がなかったのですが、たまたま、運転中で「村上春樹です」の声に、釘付けになりました。流れる曲のチョイスがカッコイイです。これからはお気に入り登録して、忘れずに聞きます!
ーーーーこんばんは・・・・・・村上春樹です。放送は毎月最終日曜日です。忘れないように記録しておいてくださいね。
ミッチェル(61、男性、東京都)

はじめてメッセージを書きました。春樹さんが若い頃、国分寺に住まわれていた頃の話などお聞きかせ願えないでしょうか。またか、なんて言われないでどうか新ネタなどできたらお願いします。駅の南口を背にして右手方面に坂を下りたところに住まわれていたこと。南口から左方面に坂を少し下りてツタのある古いカレー店で語られた仲間との当時の話など。国分寺はそこかしこに春樹さんのエピソードが今も住んでいる方々に受け継がれています。そういう私も国分寺近くの住人です。どうか、ラジオの中の春樹さんが当時の国分寺の世界を語っていただけたらこんな幸せなことはありません。
ーーーー東京経済大学に向かう道沿いに「グルマン」というカレー屋さんがあって、そこでよくカレーを食べました。駅の南口を国立方面に下ったところに「ピッコロ」というユニークな食堂もありました。その向かいに「まねき」というお好み焼き屋さんがあって、そこの犬は「リボンちゃん」という名前だった。よく行った居酒屋は「赤城」。きっともうみんななくなっているでしょうね。国分寺あたりもすっかり様変わりしたから。

スタッフ後記

スタッフ後記

  • 村上さんの作品にも猫がたびたび登場します。「ねじまき鳥クロニクル」は飼い猫の失踪から物語が始まります。「1Q84」には架空の短編小説「猫の町」が登場します。エッセイ「うずまき猫のみつけかた」には村上さんが出会ったいろんな猫さんのエピソードが描かれています。この夏、猫を探しながら村上作品を読むのも楽しいですね(構成ヒロコ)
  • 最近、保護猫2匹を飼い始めました。かわいいのですが、猫って犬のように芸を仕込むのは難しいなあと思っていたところ、春樹さんが本編の中でおっしゃってた「お手をする猫」のエピソード…に耳がピン!「でも、もう1歳を過ぎている保護猫だし、うちの猫は無理だろうな…」しかーし、その飼い主さんに会う機会がありましたので聞いてみたところ、その「お手」の技は、5歳から仕込んだというのです!何ということでしょう…。猫だって、人間だって、何歳からでも才能を伸ばすことが出来る!ってこと?!うちのニャーニャーばかりいうおしゃべりな猫にも、いつか「お手」を仕込んでみたいと思います。(レオP)
  • 「猫山さんセレクト・猫づくし」は、村上さんが飼っていたPeterはじめ、多くの猫たちが天国で聴いてくれたと思います。そう言えば、村上DJも親交が深かった臨床心理学者の河合隼雄先生には『猫だましい』という名著があります。今回はすべてに「猫だましい」を感じる素敵な曲たちです。村上作品では、世界中で読まれた長編小説『1Q84』BOOK3に主人公の天吾が読む「猫の町」という作中小説があり、『ねじまき鳥クロニクル』は主人公の前から猫がいなくなる所から壮大な物語が始まります。『海辺のカフカ』には、猫と会話できるナカタ老人が登場しますよね。さてさて、村上RADIOは猫山さんにいざなわれて、どんな世界に向かうのか……。(エディターS)
  • この1時間でさまざまな猫たちが登場してきて、脳内はカワイイ猫ちゃんでいっぱいになりました。脳内では猫ちゃんがにゃーにゃーと鳴いてます。猫を愛でながら音楽を聴いてくつろぐ、、なんて時間も過ごしたいです。。。早く猫を飼いたくなります。。。(AD桜田)
  • 今夜の放送を全国でどれほどの愛猫家が耳を傾けてくれたことか。そう思うだけでワクワクします。うちの猫は昨年天に召されましたが、きっと向こうでも聴いていたのではと。何しろラジオですから。電波はどこにでも飛んでいきます。(延江GP)
  • 今回は、選曲に猫山さんをお招きした猫ソング特集です。スタジオにも沢山の猫ちゃんたちが集まったので、その鳴き声も楽しんで下さい。途中差し込まれる猫エッセイもお楽しみに。(キム兄)

村上春樹(むらかみ・はるき)プロフィール

1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、最新長編小説に『騎士団長殺し』がある。『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』、『パン屋再襲撃』などの短編小説集、『ポートレイト・イン・ジャズ』(絵・和田誠)など音楽に関わる著書、『村上ラヂオ』等のエッセイ集、紀行文、翻訳書など著訳書多数。多くの小説作品に魅力的な音楽が登場することでも知られる。海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、’09年エルサレム賞、’11年カタルーニャ国際賞、’16年アンデルセン文学賞を受賞。