90歳の鉄道写真家 広田尚敬さんが登場
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- 2026/10/04
鉄道写真家の広田尚敬さんをお迎えして
今回はスタジオに、鉄道写真家の第一人者である広田尚敬さんをお迎えしました。
宇賀「薫堂さんのリクエストですもんね」
小山「先日、『日曜美術館』を見ていたら広田さんの回で。昭和30年代に写真を撮られたものが出ていて、いい写真だなあと思って。どういう方だったんだろう、と思っていたらご自身が出ていて、びっくりしまして。いま90歳なんですね」
広田「今年、91ですよ」
宇賀「お若いですね!」
小山「しかも、一人でカメラを抱えて撮影旅行に出ていらっしゃいましたもんね」
広田「そうなんですよ」
広田尚敬さんは、1935年東京都生まれの鉄道写真家です。幼い頃から鉄道に興味を持ち、中学3年生から鉄道写真を撮影。中央大学経済学部を卒業後、会社員を経て、1960年にフリーランスの写真家となりました。車両を記録するだけではなく、風景や人々の営みを取り込んだ独自の表現で、現代の鉄道写真の世界を切り拓いた第一人者です。1968年の初個展『蒸気機関車たち』をはじめ、長年にわたり作品を発表。著書は250冊を超え、90歳を迎えた現在も現役で撮影を続けています。
小山「250冊も写真集を出していらっしゃるんですか」
広田「でもね、子どものものが多いんですよ。100を指数とすると、80は子どものものですね。絵本みたいなやつで。僕は絵本を作りたくて写真を撮り始めたんです、実を言うと」
小山「最初にカメラを手にしたのは何歳くらいの時だったんですか?」
広田「中学3年生。当時は鉄道模型に凝っていまして。まず、模型を作るにあたっては設計図が必要だと。設計図はなかなか手に入りませんので、駅に行って実際に測るんです。正面の方はホームから降りられないから、測れない。幅は2,800ミリということはわかっていますので、写真を撮ってそれから割り出すわけです。写真は最初、模型のために撮り始めたんです」
小山「広田さんの最新の写真集があります」
宇賀「大きいですね」
小山「広田さんはただ列車だけではなく、雰囲気、風景、あとは人。匂いが伝わってくるような、音が聞こえてきそうな写真が多いですよね」
広田「大自然と人間、それから鉄道と」
小山「これはSLの車輪のアップですか? どうやって撮られたんですか?」
広田「これは置きピンという手法で撮っています。ピントをレールに合わせておいて、そこに機関車が来た時に押す。半分、賭けですね。自分が希望したところに来た時に、ロッドが上に来るなんてことはフィフティフィフティですからね。下に行っちゃっている時もありますし」
宇賀「ものすごい躍動感が伝わってきますよね」
小山「現代アートみたいですね」
広田「ありがとうございます」
宇賀「車内の様子なんかも私は知らない世界というか。皆さん和服で」
広田「左側の人は下駄を脱いでいるんです。おばあちゃんが普通の座席に正座をして座っているんです。下駄を脱いで。昭和30年代くらいまではね、時々見かけていたんですよ」
小山「あとは列車の窓から足を出していて」
広田「それは春だったんですけど、気持ちいいでしょうね、そういうことをしたらね」
小山「こういうのを覚えていらっしゃるんですか?」
広田「覚えていますよ。どこの線だったかとか、何ミリを使ったとかはだいたい覚えていますね」
小山「広田さんはどういう思いでシャッターを押すんですか?」
広田「意外とね、自分で撮っていながら自分で撮っていないんですよ。たとえばその辺にいらっしゃるお百姓さんとか、手前にある木だとか、大自然がね、『あなたここで撮りなさいよ』と言っているみたいな気持ちでね。駅からずーっと歩いてくるうちに、なんとなくそういう気持ちになるわけ。『あ、そうか、この辺で止まって撮るのがいいのかな』とか言って撮るわけです」
宇賀「自分で撮っていない、かっこいい! 薫堂さんは自分で撮っていましたか?」
小山「僕は自分で撮っています(笑)。まだダメですね。それは『私を撮って』という声が聞こえてくる感じなんですか?」
広田「若い頃はそれがわからなかったんですよ。自然にそういうふうになっているんだなあという感じがしていたのですが、ある時、小学生か中学生が雑誌に投稿してくれて。『広田さんの写真は神様みたいだ』って。それは無視していたんですけどね、『そうですか』くらいでね。でもやがて少し年をとってくると、子どもには見えるんだなと。自分には見えなかったんですけどね。以来、少しは気にしています」
小山「いま一番撮ってみたい列車、あるいは路線、駅、どんなものがあるんですか? ほとんど乗り尽くされていますか?」
広田「いや、そうでもないですよ。行けば必ず新鮮なところは見つけられますから。同じところに行っても365日まったく同じということはないですから。季節が違う、天候が違うとかね。どこ行っても裏切られたことはないですよ。そういう意味では、どこに行ってもいいんだっていう感じでね。絶対にここに行きたいっていうことはない。一つあるとしたらね、ストックトンとダーリントンのあいだ」
小山「それはどこですか?」
広田「イギリスでね、いちばん最初に鉄道が敷かれたところ。ここを1ヶ月くらいフラフラとしたら楽しいだろうなと思っています。それくらいですね」
宇賀「さて、この番組は『お手紙』をテーマにお送りしていますが、広田さんが手紙を書きたくなるような場所ってどこかありますか?」
広田「やっぱりホームかな。ローカル線のホームというとベンチがあって、お日様がさんさんと照っていて、風が吹いてきて木が揺らいで。近くにポストがある。書いてすぐに出せますね。山の中は別ですけど、ちょっとした駅ですとポストがあるんですよ」
小山「ありますね。いまだに丸いポストがある駅もありますよね」
宇賀「今日は広田さんに、『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」
広田「それがね、90歳の手紙じゃないんですよ。10代の女の子みたいな手紙を書きましてね」
小山「どなたへの?」
広田「小鳥。ピヨピヨピヨって飛んでくる小鳥」
広田さんから、小鳥へ宛てたお手紙は、ぜひradikoでお聞きください。
(*10月11日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、広田さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 広田尚敬さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
広田尚敬さん、ありがとうございました!
今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。
「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
小山「先日、『日曜美術館』を見ていたら広田さんの回で。昭和30年代に写真を撮られたものが出ていて、いい写真だなあと思って。どういう方だったんだろう、と思っていたらご自身が出ていて、びっくりしまして。いま90歳なんですね」
広田「今年、91ですよ」宇賀「お若いですね!」
小山「しかも、一人でカメラを抱えて撮影旅行に出ていらっしゃいましたもんね」
広田「そうなんですよ」
広田尚敬さんは、1935年東京都生まれの鉄道写真家です。幼い頃から鉄道に興味を持ち、中学3年生から鉄道写真を撮影。中央大学経済学部を卒業後、会社員を経て、1960年にフリーランスの写真家となりました。車両を記録するだけではなく、風景や人々の営みを取り込んだ独自の表現で、現代の鉄道写真の世界を切り拓いた第一人者です。1968年の初個展『蒸気機関車たち』をはじめ、長年にわたり作品を発表。著書は250冊を超え、90歳を迎えた現在も現役で撮影を続けています。
小山「250冊も写真集を出していらっしゃるんですか」広田「でもね、子どものものが多いんですよ。100を指数とすると、80は子どものものですね。絵本みたいなやつで。僕は絵本を作りたくて写真を撮り始めたんです、実を言うと」
小山「最初にカメラを手にしたのは何歳くらいの時だったんですか?」
広田「中学3年生。当時は鉄道模型に凝っていまして。まず、模型を作るにあたっては設計図が必要だと。設計図はなかなか手に入りませんので、駅に行って実際に測るんです。正面の方はホームから降りられないから、測れない。幅は2,800ミリということはわかっていますので、写真を撮ってそれから割り出すわけです。写真は最初、模型のために撮り始めたんです」
小山「広田さんの最新の写真集があります」宇賀「大きいですね」
小山「広田さんはただ列車だけではなく、雰囲気、風景、あとは人。匂いが伝わってくるような、音が聞こえてきそうな写真が多いですよね」
広田「大自然と人間、それから鉄道と」
小山「これはSLの車輪のアップですか? どうやって撮られたんですか?」広田「これは置きピンという手法で撮っています。ピントをレールに合わせておいて、そこに機関車が来た時に押す。半分、賭けですね。自分が希望したところに来た時に、ロッドが上に来るなんてことはフィフティフィフティですからね。下に行っちゃっている時もありますし」
宇賀「ものすごい躍動感が伝わってきますよね」小山「現代アートみたいですね」
広田「ありがとうございます」
宇賀「車内の様子なんかも私は知らない世界というか。皆さん和服で」広田「左側の人は下駄を脱いでいるんです。おばあちゃんが普通の座席に正座をして座っているんです。下駄を脱いで。昭和30年代くらいまではね、時々見かけていたんですよ」
小山「あとは列車の窓から足を出していて」
広田「それは春だったんですけど、気持ちいいでしょうね、そういうことをしたらね」
小山「こういうのを覚えていらっしゃるんですか?」広田「覚えていますよ。どこの線だったかとか、何ミリを使ったとかはだいたい覚えていますね」
小山「広田さんはどういう思いでシャッターを押すんですか?」
広田「意外とね、自分で撮っていながら自分で撮っていないんですよ。たとえばその辺にいらっしゃるお百姓さんとか、手前にある木だとか、大自然がね、『あなたここで撮りなさいよ』と言っているみたいな気持ちでね。駅からずーっと歩いてくるうちに、なんとなくそういう気持ちになるわけ。『あ、そうか、この辺で止まって撮るのがいいのかな』とか言って撮るわけです」宇賀「自分で撮っていない、かっこいい! 薫堂さんは自分で撮っていましたか?」
小山「僕は自分で撮っています(笑)。まだダメですね。それは『私を撮って』という声が聞こえてくる感じなんですか?」広田「若い頃はそれがわからなかったんですよ。自然にそういうふうになっているんだなあという感じがしていたのですが、ある時、小学生か中学生が雑誌に投稿してくれて。『広田さんの写真は神様みたいだ』って。それは無視していたんですけどね、『そうですか』くらいでね。でもやがて少し年をとってくると、子どもには見えるんだなと。自分には見えなかったんですけどね。以来、少しは気にしています」
小山「いま一番撮ってみたい列車、あるいは路線、駅、どんなものがあるんですか? ほとんど乗り尽くされていますか?」広田「いや、そうでもないですよ。行けば必ず新鮮なところは見つけられますから。同じところに行っても365日まったく同じということはないですから。季節が違う、天候が違うとかね。どこ行っても裏切られたことはないですよ。そういう意味では、どこに行ってもいいんだっていう感じでね。絶対にここに行きたいっていうことはない。一つあるとしたらね、ストックトンとダーリントンのあいだ」
小山「それはどこですか?」
広田「イギリスでね、いちばん最初に鉄道が敷かれたところ。ここを1ヶ月くらいフラフラとしたら楽しいだろうなと思っています。それくらいですね」宇賀「さて、この番組は『お手紙』をテーマにお送りしていますが、広田さんが手紙を書きたくなるような場所ってどこかありますか?」
広田「やっぱりホームかな。ローカル線のホームというとベンチがあって、お日様がさんさんと照っていて、風が吹いてきて木が揺らいで。近くにポストがある。書いてすぐに出せますね。山の中は別ですけど、ちょっとした駅ですとポストがあるんですよ」小山「ありますね。いまだに丸いポストがある駅もありますよね」
宇賀「今日は広田さんに、『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」広田「それがね、90歳の手紙じゃないんですよ。10代の女の子みたいな手紙を書きましてね」
小山「どなたへの?」
広田「小鳥。ピヨピヨピヨって飛んでくる小鳥」
広田さんから、小鳥へ宛てたお手紙は、ぜひradikoでお聞きください。(*10月11日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、広田さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 広田尚敬さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
広田尚敬さん、ありがとうございました!
今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
『おもうがたび』発売記念! 第2回レターパックサイン会を開催します
宇賀さんの最新著書『おもうがたび』(幻冬舎)が9月16日に発売されました。そこで『じゆうがたび』に続き、第2回レターパックサイン会を開催します。まずは書籍『おもうがたび』を購入いただき、本を読んだ感想をお手紙にしてください。そして、レターパックを2枚ご購入いただきます。1枚は、本を幻冬舎へ送るためのもの。もう1枚は、サイン本をご自身のもとへ返送するためのものです。返送用のレターパックには、ご自身の住所とお名前をあらかじめご記入ください。
そして、もう1枚のレターパックに、『おもうがたび』の本、感想文、ご自身の住所とお名前を書いた返送用レターパック、この3点を入れます。返送用のレターパックは、折り曲げて入れてください。
送り先は、【郵便番号151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7 幻冬舎】宛てです。品名の欄には、〈おもうがたび サイン本係〉と、〈サインに入れてほしいお名前〉をご記入ください。最後に封をして、ポストへ投函すれば、お申し込みは完了です。
応募期限は10月16日の消印有効とさせていただきます。たくさんのご応募があった場合は、ご返信にお時間をいただきますが、ご了承ください。
宇賀なつみ『おもうがたび』(幻冬舎)
ポストカー in 尼崎市民まつりのお知らせ
ポストカーが10月10日(土曜日)に兵庫県尼崎市で開催される「第55回 尼崎市民まつり」に登場します! 尼崎市民まつりのメイン会場は日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎で、ポストカーは大物公園で実施します。ポストカーと一緒にムーミンのプレイスペースも無料でお楽しみいただけます。ポストカーではその場で撮った写真のポストカードか、ムーミンデザインのポストカードでお手紙が書けます。そして、ポストカーから番組へお手紙を書いてくださった方に、ボールペンをプレゼントします。尼崎から、番組へのお手紙もお待ちしています!
詳しくは尼崎市のホームページをご覧ください
尼崎市ホームページ
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆「文風」をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
守口郵便局のみなさん
今回のメッセージは、大阪府〈守口郵便局〉福岡 蓮さんでした!
「私が結婚式を挙げた際に、入社当時から私を鍛えてくれた上司がスピーチの手紙で褒めてくださったことがとても印象に残っています。実際に手書きでお手紙を書いていただき、その手紙をスピーチが終わった後にいただきました。言葉で伝えていただくことも嬉しかったですが、手紙として書いていただくのはやはり違うなと思いました。私のために考えて書いてくれたという気持ちが、手書きだと伝わってくるので嬉しくて涙ぐんでしまいます。普段伝えられないことでも、手紙にすることによって相手へ直接伝わるところが手紙の良さだと思います。」
※出演した郵便局、及び郵便局員宛ての手紙はいただいてもお返事できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛








