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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
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食品サンプルを作って93年! イワサキ・ビーアイ代表 岩崎毅さんが登場

  • ON AIR
  • 2025/02/09

イワサキ・ビーアイ代表 岩崎毅さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、食品サンプルを作って93年! イワサキ・ビーアイの代表である岩崎毅さんにお越しいただきました。
写真 スタジオにイワサキ・ビーアイの食品サンプルをたくさんお持ちいただきました!

宇賀「すごいですよ、机の上が……」
写真 写真 写真 小山「お腹空いてきましたね」

宇賀「ただおいしそうというより、ちょっと笑えるものが多くないですか?」

小山「ピザで作った帽子が……」
写真 宇賀「これはピザハットですね? (手に持って)すごい、重い!」

小山「(かぶってみて)これをかぶって街を歩いていたら、いろんなところで注目を集めますね! イタリアとか歩いてみたいですね」
写真 写真 宇賀「岩崎さんは4代目社長ということなんですが、そもそもどうして食品サンプルを作る会社ができたんですか?」
写真 岩崎「明治時代まで鎖国時代でしたよね。明治維新とともに一気に海外の料理が日本に入ってきて、明治時代は上流階級の方がメインに西洋料理を食べられていたんですけど、大正、昭和初期になってきて、それがだんだん一般大衆に広がり出した時に、じゃあ『ビフテキって何だろう?』『ビーフシチューって何?』というのが分かりませんよね。それで昭和初期になって、どうやったら本物に近いサンプルが作れるか、いろんな場所でいろんな研究者が作って、そのうちの1人が岩崎瀧三という私のじいさんになりまして。じいさんが、ロウソクのロウが畳に落ちた時に畳の目を拾ってくることをヒントに、ロウでサンプルを作り始めたのが最初の段階にあったと。昭和初期にうちの会社は生まれたということになります」

小山「昔はロウサンプルと言っていましたよね。今、これは何で作っているんですか?」

岩崎「塩化ビニルですね」
写真 写真 小山「昔はまだおもちゃっぽかったじゃないですか。何がいちばん流行っていたんですか?」
写真 岩崎「いちばん初めに作られたのはオムライスと言われているんですけど、それから90年間、少しずつうちの職人たちが『こう作った方がよりリアルになるんじゃないか』と、そういうことの積み重ねが今の技術になっているとご理解いただければと思います」

宇賀「今は全部合わせたら何種類あるんですか?」

岩崎「基本的には受注オーダーなので、うちで何種類とは言えないです」
写真 写真 宇賀「『こういう風に作ってください』とお願いすれば、作ってもらえるんですか?」

岩崎「そういうことですね」

小山「たとえば宇賀なつみさんが手料理で何か作るとするじゃないですか。それを記念に『お願いします』と言ったら、できる?」

岩崎「もちろんできます」

宇賀「1つからでも?」
写真 岩崎「できます。基本的に1つから、うちは手作りでやっているので、大量じゃなくても全然対応できます」

宇賀「何から修業するんですか?」
写真 写真 岩崎「基本的には『ベースの色って何だろう?』というのを学ぶのが大事なので、型取りの段階から入っていきます。最初の色が濃すぎるとあとから色が重ねにくいんです。最初は薄い色で取り出してきて、だんだん積み重ねていくという。第2段階としてそれを仕上げていく工程になっています。型取りを覚えることが最初ですね」

小山「岩崎さんのところに入社する方は、芸術系の人が多いんですか?」
写真 岩崎「たとえばピーマンがあるとすると、うちは緑で作らないといけないんですよね。芸術家の方は赤で作ったり、他の色で作りたいのが芸術じゃないですか。職人は基本的には本物そっくりにお客様から言われた通りに作らないといけない。年に1回だけ、自分のアイデアで作れるチャンスでコンクールというのがあるんです。それで生まれたのが、このピザハットです」

小山「これは特殊なスキルが必要だと思うんですけど、入社されてから腕を磨いていくんですか?」

岩崎「そうですね、基本的には色に対するセンスは必要かと思うんですけど、お客さんに言われたものを作るのがベースなので。そのためにはやっぱり最初から教えていくことになるかと思います」
写真 宇賀「薫堂さんが手掛ける大阪・関西万博のパビリオン『EARTH MART』にもサプライヤーパートナーとして参加されているんですよね」

小山「今回はイワサキパビリオンみたいなものですよ! あちらこちらに岩崎さんの技術があってこそ、展示できる展示物があります。リアルな食品は展示できないので、そうなるとここに頼るしかないんですよね」

岩崎「おかげさまで」
写真 小山「僕がいちばん見てほしいのはクライマックスのところです。食の未来を提案するところで、未来の食を料理人が作ったんですよ。日本ならではの食の知恵で作られたものとかをさらに加工し、世界に発信するために未来の料理を25品、作ったんです。すべて岩崎さんのところで再現してもらっているんです。これはね、食べたら本当にどれもおいしかったんです。そのおいしさをそのまま提案しないといけないので……あれは大変じゃないですか?」

岩崎「大変なところもありました。たとえば泡状のものとかはあまり日常のネタには出てこないんですけど、そういうものの再現とかは難しかったですね」
写真 小山「これ絶対に再現できないだろうなっていう料理ばっかりで。あれはどうやって作っているんですか?」

岩崎「『どうやったら作れるんだろう?』と考えるんです」

小山「料理人が作っていたところにスタッフの方がいらっしゃっていたじゃないですか。写真を何カットも撮って、試食もされていました。味って関係があるんですか?」
写真 岩崎「実物を感じるためには、たとえば『こういう形をしているけどカキの味がするんだ』というものがあるとすると、一度食べさせていただくと実物感を持って作ることができる。そういう意味では食べさせていただくのはありがたいですね」

宇賀「やっぱり知っていないと作れないんですね。基本的に作れないものはないんですか?」

岩崎「一昔前は水が作りにくかったんです。無色透明の液体の固まったものというのが。今はもうできるようになったので、一応できないものはないです」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」

岩崎「この会社の創業者である岩崎瀧三さんへということで」
写真 岩崎毅さんから、岩崎瀧三さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(2月16日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、岩崎さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 岩崎毅さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

岩崎毅さん、ありがとうございました!

イワサキ・ビーアイ
写真

皆さんからのお手紙、お待ちしています

毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、神奈川県〈アピタテラス横浜綱島郵便局〉岩村彰吾さんでした!

「以前勤務していた郵便局でよくしていただいたお客さまから、異動先の郵便局あてにお手紙をいただいたことがあります。おそらく前の郵便局で私がどこに異動したかを聞いて、お手紙を出してくださったのだと思います。感謝の気持ちや、『これからも頑張ってね』という内容が書かれていました。お手紙の、なんとなく懐かしいそのお客様の字を見て、なんだか安心するような気がしました。とても嬉しかったです。」
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