2026.03.17
住み替えをもっとポジティブに
ONE MORNING「The Starters」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、株式会社Facilo(ファシロ)代表取締役CEOの市川 紘さんです。
市川 紘(いちかわ・こう)さんは大学卒業後、リクルート。SUUMOで様々な仕事に従事。2016年、アメリカで不動産テック企業に勤務。2021年に帰国してFaciloを創業されています。
今週は主な事業内容をうかがいます。まずFaciloの主な事業内容を教えて下さい。
「弊社Faciloは、不動産仲介会社さんにシステムを開発提供している会社です。 システム上で不動産会社さんがその先のお客さん=物件を買う人と売る人とをやりとりをする際のコミュニケーションをわかりやすく整理する、いわゆるクラウドのツールを提供しているという形になります。 」
Faciloっていうのはどういうクラウドなんでしょうか。不動産屋さんに提供するシステムということですか?
「そうですね。不動産屋さんの業務が楽になるだけじゃなくて、その先のお客さんの物件探しの体験もより良くなるというところですね。」
まず一般的に、今現在よく皆さんが想像されるのは、多分不動産屋さんにまず行くと、「このエリアでこのぐらいの金額で家探したいんです」と言ったら、不動産屋さんが「こんなのどうですか、こんなのどうですか」といろいろ出してくれるようなイメージがありますよね。
「まさにそこで出てくる紙、よく不動産さんに貼ってある間取りや家賃、近所の施設などを記載した紙があるじゃないですか。こちら販売図面と言われたりするんですが、例えば不動産屋さんだったら紙で渡されたり、メールでやり取りする際はPDFの添付ファイルが送られてきたりするわけですよね。」
一個ずつファイルを開いて見ていますね。
「まさにです!それって大体スマホで開きますよね。そうすると結構いろいろなメールある中、遡って添付ファイル開いて…みたいなことが割と煩雑ですよね。」
「以前お送りしました」って言われると、他の人ともメールしているから見つからないみたいなこと、多々あります。
「加えて、情報を見るためにもパスワードがかかっていたりして、そのパスワードは別メールで送られてきていて見つからない…なんてこともあると思うんですけども、弊社のサービスはそういったバラバラの販売図面のファイルの代わりに、一個URLがポンと送られてきて、それをクリックさえすれば自分専用のマイページが立ち上がります。」
そのマイページにはどういう情報が載っているんですか?
「先ほどの販売図面の情報、例えば今回提案された物件や、過去に会社さんから提案されていた物件が同じ画面上に一まとまりになります。」
自分専用のページができるからいちいちファイル探さなくてもいいし、その中に紹介してもらった物件も全部載っているし、それが一画面で見られるならパッと目視で分かりやすいですね!
「物件情報がまず一元化されていて全部がまとまって見られるというところですね。そしてやっぱり物件を検討するにあたって大事なのは、その物件の情報だけじゃなくて、エリアの情報やアクセスの情報もそうですよね。従来は物件の資料を送ってもらっていましたが、「じゃあこの物件から自分の職場まで通うとしたらどうなんだろう」と、乗り換えのアプリを調べたり、あるいはスーパーはどこなんだろうとGoogle マップで調べたり、ほかにも学区やハザードマップなどを調べるために地方自治体のページを見に行ったりと、バラバラだったものが全部ひとまとめになるんです。」
このマイページは地図上に物件の位置が書いてあって、そこからいろいろな情報が見られるんですか?
「そうですね。自分専用の家を検討するために必要な情報は全部スマホの地図の一画面にまとまるという形です。」
それはとても便利ですね!不動産屋さんでもらえる情報とは別の、自分で探さなければいけなかった、検索しなきゃいけなかった手間が、全部サイトに一つに入っているんですね。
Faciloを作り出す上で、市川さんが不動産仲介について課題だと思ったことって何かあったんでしょうか?
「まさに一番課題だなと思うのは、情報のやっぱり分かりづらさだと思っています。不動産会社さんとメールなどでやり取りする際に一番頻出するワードがあって、それが「五月雨式になってしまい申し訳ございません」というワードです。「五月雨式になってしまい申し訳ございません。 今回の物件はこれです」っていう形で、まさに五月雨式にいろんな情報がランダムなタイミングで飛び交っていたので、やっぱり家を選ぶという一大決心の中で、情報がしっかりと消化しきれないことが、検討を諦めてしまう大きな理由になっているだろうなというところで、そこをスムーズにするっていうところを大事にしています。」
不動産屋さんにとってのメリットもかなり大きいですね。
利用している方からの感想なども実際に届いていますか?
「やっぱり従来の情報と比べてやっぱり分かりやすくなったという声はいただいています。利用されている方も複数の物件を問い合わせしていると、例えば3〜5社の仲介会社さんとやり取りしている中で、他の会社さんはバラバラと資料が送られてくる中、その中の1社は先ほどお伝えしたような分かりやすい気の利いた情報提供をしてくれると、その会社さんを選びたいなっていうふうに思いましたっていう声はすごく多いですね。」
間違いないですね!
不動産といっても物件探しだけじゃないですよね。物件の売却なども含めいろいろありますよね?
「直近一年で最初はその物件を買う人と、買う人をサポートする仲介会社の間の情報をわかりやすくするマイページというのを提供していたんですけども、直近一年では今度物件を売る人に向けてというところで、物件を実際に売りたいなってなった時、その物件を売却するときに必要な情報をバラバラとやりとりしているので、売り主さん向けのマイページ、例えば「販売の進捗がどうか」、「どれくらい問い合わせが来ているのか」といった情報がリアルタイムにマイページ上に可視化されるといったツールも提供していますね。物件を借りる人向け、賃貸ですね。 最初は買う人向けだったんですけども、借りる人向けもやっぱりやることは一緒で、物件の提案を受けて、その物件情報を見ながら周りのエリアを調べるというのは同じなので、賃貸向けのプロダクトもこの間の秋にリリースしています。」
物件を探しているユーザーからの感想などは届いていますか?
「そうですね。 物件探しているユーザーからの感想でいくと、やっぱり「情報が分かりやすくなった」といった声をいただきました。そして、意外に大事なのがユーザーの方の使い勝手もそうなんですけど、裏側で仲介会社さんの、いわゆるDXにもなっているという点です。例えば3物件従来のように提案しようと思ったら、提案の準備が30分ぐらいかかっていたところが、現在弊社のツールを使うと30秒でできるので、そうすると従来は3物件しか提案してもらえなかったのが、10物件以上の提案してもらえるようになったので、より幅広い選択肢から選べるようになったので、より自分にピッタリな物件がわかって検討を前に進めることができましたってお声は結構いただきますね。」
いつ頃こういったシステムを思いついたんでしょうか。
「元々この会社を始める前は、アメリカのサンフランシスコで5年間不動産テックの会社で仕事をしていまして、そこでの仕事が一段落したので、日本に戻り、その前は日本のSUUMOにいたので、日米の不動産テックの経験を生かし、アメリカみたいに不動産がもっと身近に住み替えできる世の中にできるといいなというところで思いつきました。」
アメリカは住み替えが多いんですか?
「住み替えの回数でいくと、日本は人生の住み替えの数の平均取ると3回ほどなんですがアメリカは11.7回というふうに言われています。僕はアメリカのように住み替えに対してポジティブになってもらえるといいなと思っています。」
まだ解決できてない課題や、解決したい課題って何かあったりしますか?
「例えばよくお声としていただくのは、「せっかくこのマイページがあるので、家を選んで決めるとこまでじゃなくて、例えばそのまま契約ができたらいいな」や、あるいは「住み替えた後も日々使うアプリとして、その家の家回りのことであれば全部完結するみたいなことができるとうれしいな」といった声はいただいたりしますね。」
でももうFaciloはきっとどんどん進化しているんですよね。
「エンジニアの採用もすごく力入れていまして、現場の仲介会社さんや利用者さんの声を聞いて、それを開発に生かしていく、スピーディーにプロダクトをシステムに落としていくっていうのをすごく大事にしているので、その進化のスピードは大事にしていますね。」
今週はそろそろお時間ということで、最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「今お伝えしたようなシステム自体がもともと世の中になかったので、最初産みの苦しみみたいなものはありました。例えば営業していても、例えば不動産ポータルや業務で使う顧客情報を管理するシステムなど、その自分たちの業務とその先のお客様をつなぐシステムというのは存在してなかったので、それを口頭で伝えても、あるいは電話営業とかで伝えてもなかなか伝わらないというところで、最初そこの産みの苦しみはあったかなと思いますね。」






20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、





