2021.12.28
VRで内見、そして旅行も!!
ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、VRで人々のライフスタイルの変革を目指す
ナーブ株式会社 代表取締役の多田英起 さんです。
よろしくお願いします。
多田英起さんは兵庫県西宮市生まれの現在42歳。
高校卒業後、アメリカに留学、帰国後はITコンサルティングなどを経験し、
2015年にナーブ株式会社を創業されています。
「ナーブ」はVRを使った事業をされていますが、
VRと言えば、イメージとして「ゲーム機」や「アミューズメント施設」など、
エンタメで使うものと思ってしまいますが、
人々の生活を豊かにする技術として展開されています。
今週はナーブの主な事業について伺っていきます。
ナーブが業界No.1といわれている「VR内見」。
こちらは、どのようなサービスなのでしょうか。
「VR 内見自体は、ナーブの商標にもなってるサービスでして、
バーチャルリアリティ・仮想技術を使って不動産を内見できるというようなサービスになっております。
ポイントとしては、皆さんが体験したことがある不動産に行って”あれ違うな”みたいな体験を先に VR ですることができるので、
自分の希望にあった物件に簡単に出会えますというようなものです。
もう一つは、不動産会社にも優しいサービスでして、
今 DX っていう言葉が流行ってると思うんですけど、撮影アプリというアプリを使うといかに撮影が簡単になるのか、
今までかかっていた時間がすごい短くなって、さらに VR まで出来るサービスになっております。」
我々ユーザー側からすると簡単に体験ができることはメリットですが、
企業側からすると導入する手間がハードルかなと思うのですが、そこがかなり簡単なのですね。
「そうですね。
やはり不動産会社にとってみたら、今の業務+アルファは苦しいのですね。
我々のシステムを入れると今の業務が減り、なおかつVRもできちゃうというサービスになっております。」
「不動産会社にとって部屋の撮影作業は30枚とか撮り、編集などもあります。
そこをすべて自動でやってくれるのが撮影アプリというサービスです。」
『おうちで VR 内見』というものもありますけども、
自宅から内見できるということですか?
「自宅で内見するというニーズがすごい増えていたので作ったサービスになります。
大きく分けて二つの使い方があって、一つは、通常のスマホとかタブレットを使って見ることが出来るものと、
それプラスアルファで、自宅にVRののデバイスをお届けするサービスです。
お届けすると内見ができるんですけど、
内見はそれだけだと成立しなくて、遠隔にスタッフが構えて頂ける状態ですので、
実際行ったかのような体験ができる、これが『おうちで VR 内見』というサービスになってます。」
最近よくあるのは、写真をスライドしていくと360 度カメラでぐるっと回して見ることができるものなのですが、
ただこれよりももう一歩進んでいて、その中に自分が入り込めるような感覚っていうので間違いないですか?
「右目と左目の視差をとるというものになっておりまして、
360度の世界がパノラマの一つで、これも仮想空間の一つになるのですが、
それにさらに連続性を持たせ、例えば360度動画の世界、そのまま動くと自由に好きなとこが見える、こんなところが新たなサービスになります。」
VR 内見は、新型コロナウィルスの影響もあって需要が高まったりしたのでしょうか?
「そうですね、データとして新型コロナが流行ったタイミングがちょうど不動産の繁忙期終わったタイミングだったんですけれど、
アクセス数は去年比4倍ぐらい伸びまして、繁忙期終わるんで僕のアクセスが凹むと思ってたら4倍になっちゃって、
サーバーが大変なことになった事件が起こりました。」
ハウスメーカーさんなどに向けた便利なサービスもあるということで、
まず 『VR ホームステージング』これはどういったものなのでしょうか?
「新築のモデルルームに行くと家具が置いてあるのですが、
それと全く同じような物が CG で再現できちゃう。
今までは、家具を入れますって言うと搬入・搬出、すなわち引っ越しを2回するわけですからなかなかのコストです。
家具がない部屋見ると広く感じたりとか、変に狭く感じたりとか、
そういうイメージをなくすために、CG上で、住んだらこうなりますよというのを表示してあげるようなサービスを展開しております。」
そして、新しく登場したのが『パノラマオンライン商談ツール』
これはどういったものなんですか?
「これはクリック一つで案内して頂けるというサービスになっていて、
やはり不動産探してて1番思う事っていうのは、皆さんの不動産の知識がない時っていうのは何平米で検索しますかと言われても思いつかないんですよね。
不動産業界は平米=家賃になりますので、それを聞かないわけにいかないんですけど、
ほとんどの方意味ないのですね、なので実際、モノを見てもらって、
“これより広いですか” ”狭いですか”っていうと応えれるわけですね。
この広さだったら10万円、この広さだったら8万円って分かれば、
自分がどのくらいの広さがいいか分かります。なので、自分が見ながらお答えすることによって、
不動産会社に行くより快適で、そしてわかりやすいサービスっていうのを目指してるのがこのサービスになってます。」
これは非常に興味深いですね。
ここまで聞いてきて、ナーブが不動産業界に画期的なサービスをもたらしてるって事は分かりますけど、
さらに今年は不動産じゃない分野のサービスもスタートしたんですよね?
「バーチャルツアーはですね、
我々”旅行”とは定義したところ、大きく分けて二つあると思いまして、
一つはどこに行きたいのかっていう話と、もう一つは誰と行きたいのかって話になります。
どこへ行きたいのかっていうところと、誰と行きたいのかを一緒に叶えてくれるサービスそれが『バーチャルツアー』
なので、自宅にいながら簡単にゴーグル使わずに、
友達とか親とかと旅行してもらえるというようなサービスになっております。」
ゴーグルを使わないのですか?
「はい、ケータイを動かしてもらえれば景色が見れます。」
伺った話によると、
介護福祉施設向けにも提供されてると伺ったのですが、高齢者の需要があるってことですかね?
「高齢者の方々の約93%の人は旅行行きたいと思っていて、80%以上の人たちは不安があるって答えるわけですね。
皆さんに想像していただいて一番わかりやすいのは、おばあちゃんの誕生日に1時間時間使って一緒に京都に行ってくださいって言われて嫌な方いらっしゃいますか?」
行きたいですね。
「では、質問を変えまして、おばあちゃんの誕生日に福祉施設まで行ったことがある方いらっしゃいますかという話になると、
ほとんどの方が行けてないと思うのです。
なので、我々『つながる旅』という言い方をしているんですけど、
おばあちゃん達と会うきっかけを作るツールとして、この旅を提供している、それが福祉向けのサービスとなっています。」
最後にこれまで乗り越えてきたハードル教えてください。
「7年ぐらい前に我々会社起こした時には VR × 不動産ってすごい変わったことやるねとか、VR × トラベルって、そんなとこ需要あるの?とみなさんに言われたんですけど、今は普通になってると思うんですね。
世の中の当たり前っていうのは一つ変わったのかなっていうふうに思ってます。」