2025.02.25
次世代のスターを生み出す
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは先週に引き続き、株式会社Aww CEOの守屋貴行さんです。
守屋貴行さんは20代から20代から映像プロデューサーを軸に、数多くの企業のコマーシャルやアーティストのミュージックビデオの制作を手がけ、その後、新しい映像ビジネスを構築する会社を設立。さらに2019年、バーチャルヒューマンカンパニーAwwを設立されています。
先週は主な事業について伺いました。アジアでは初めてバーチャルヒューマンを使ったビジネスを展開されています。最初に映像プロデューサーという仕事に就くんですよね。映像に対しての興味はいつ頃から出たんですか?
「大学生のときに何かデザイン系の仕事に就きたいなというのがあって、デザインとか映像の仕事があるというのは実際は当たり前にあるんですけど、その当時はピンときてなくて、最初は博報堂さんというところでインターンシップをやらせてもらったりとか、デザイン会社でインターンしたりとかしてるときに、映像のプロダクションという仕事があるんだ、そりゃそうかと。どこが作ってるかわかってなかったんですよ。それで出会って、そこに行ってみたいなというのと、エージェンシーに行ったときよりはプロダクションの方が肌に合ったし、コンテンツの時代が来るんだったらコンテンツ作れる側の方がいいなって何となく感覚で思って、ロボットっていう映像プロダクションに就職して最初は映像からキャリアをスタートして、時代が時代なんで、もう1週間寝れないとかが普通の時代でした。個人的にはあんまり大変ではなかったですけど。」
この20年で映像の作り方とか見る方法とかも大きく変わりましたよね。
「僕なんかフィルムを触れる最後の世代が僕の世代で、あのときって無駄が多かったんで、その無駄がすごく僕は今の時代大事だって結構いろんなとこでインタビューでも言ってて、なんか今のコンテンツとかを否定するつもりも全くないですし、多分Z世代はそれで育つんでそれが主流になると思うんですけど、ちょっと豊かではなくなってるなっていう感じはしてて、何か数字の目的だけのためにコンテンツ作ったりとかする感じがアルゴリズムに負けてるじゃんみたいな、もうアルゴリズムに沿ってコンテンツを作っている若いクリエイターとかと話すと、わかるけどみたいなことは結構多いですね。」
やっぱり無駄は美しいですか?
「あった方がいいですね。映像も建築もそうですし。ただ無駄が必要な時に戻ると思いますよ。今の若い子みんな旧車とか乗るじゃないですか。」
だってエンジンすぐ掛からないんですから、温めなきゃいけないんだから。この無駄な時間何って思うけど、あそこに美しさがあるんですよ現代のこの忙しい時代の中に。映像もそうですかね?
「そうなると思います。スピード感とかは結構大事だと思うんですけど、割とそういった部分に関してはある意味いい部分は戻ってくる価値なんじゃないかなというのはずっと思います。」
メディアはどうですか?メディアというのは、今個人化されてるなと思うんですけど、それは進んでいくと思いますか?
「まあ進むと思いますね。でコミュニティ化するでしょうと。今まさにその数万人のフォロワーがいて、そこがコアであれば、もうそこで生きていけるみたいな、ファンダムビジネスが結構割と確立されたので、海外行くことが多いんですけど、大手がどんとあるところに、例えば新しい新興企業が入ってくるじゃないですか。絶対無理だよみたいな、例えばAppleとかと勝負しようみたいな、そういうことの方が勝つと思います。新しい形態の産業に入っていくとか、今まで大きくて、そこが独占してた所に新興企業が入っていったりとかするっていう方が、絶対勝ってくるんで、そこはその数万人のコミュニティだけで生活しているんですけど、そのコミュニティがどんどんどんどん大きくなって、今みたいなものすごく大企業になるというのが新しく出るのは、そんな売り上げがすごいけど少人数でやってるとか。かなり細分化されていくんで、細分化されたコミュニティというところで生活していくということが進むと思います。だから小学校の先生とかたまにやったりとかしているんですけど、とにかく好きなことだけやればいいと思うよっていう話をしてて、好きなことを見つけられることの方が人生的難しいじゃないですか。だからとにかくトライして好きなことを見つける人生の旅だよ、っていうのもクサいですけど言ってて、好きなことさえ見つかればそれはゲームだろうがなんだろうがこの先の時代は何とでもなると思っています。」
そんな中でバーチャルヒューマンの可能性、未来はどうなっていきますかね?
「やっぱり僕がimmaを生み出したときは、2015年に僕もプロジェクトをやっていたので、当時AIってのはありましたけど、ここまで生成AIだとかバーチャルヒューマンに関わる、人物に関わるAIってなかったですし、やっぱりバーチャルヒューマンの可能性はAIかなと。で、作ったときに最初からもうAI化する、2022、23年にAI化するだろうって言ってたんですけど、それが今このタイミングに訪れてきたので。NVIDIAっていう企業があって、あそことウチが業務提携とか技術提携を去年しまして、サンフランシスコにも行って、彼らと議論しながらAIとデジタルヒューマンと、ちょっと複雑ですけどWeb3っていう概念が、当時は僕はあんまり疑ってたんですけど、今アメリカ人だけでも抱えてる人数がとんでもなく多くなってきていて、日本が特にまだ盛り上がってない、海外あちこち行くと、全然もう違うカルチャー出来上がっちゃってるぐらい、もう3周ぐらい回ってるぐらい、あれが多分次の時代だなというのは感じるので、これが多分次の時代の新しいエンタメのプロジェクトになるんじゃないかなというのは思っています。」
そうなるとユージさんも私も、メディアで働いている身としてはタレントってどうなりますか?というのが気になります。
「僕はもちろんなくならないと思いますけど、例えばAIモデルで、何か企業の広告等やるって言っても、immaちゃんとかは女の子自体に結構ストーリーとか背景があるんですよね。だから起用されてるというのもあって、そうじゃないことをやってる会社さんとかもあるんですよ。否定してもしょうがないんですけど。でもなんかそれで僕は本質的じゃないなというか、ただ本当にかわいいビジュアルだけボンと入ってて、それを広告って言われても、じゃあ目を留めてそこの背景とかを理解していくかというとそんなことはないと思うんで、多分よりタレントさんはさっき言ったコミュニティと一緒で細分化された分野になっていくと思うんですよ。タレントっていう言葉の意味に近づいていくというか。日本も何年ぐらい前かな、林先生とかマツコさんとかが出てきたりとか尾木ママが出てきたりとかしたときに、なんかぽくなってきたなと当時思っちゃったんですよ。ある意味一つの特化した技術を持っている、まさにタレントですよね。それを持ってる人がどんどん伸びてくんで、逆に言うとフラットでというところはもしかしたらバーチャルヒューマンとかで変えられるみたいなことはあるかもしれないですけど、そういう意味で言うともっと好きなことばっかりやってく人が増えてって、もっとよりそのタレント性というのが増えてくんじゃないかなと、今YouTube、TikTokとかああいうメディアでタレントを見ていてもそう感じます。」
最後にこれからの夢を教えてください。
「そうですね人が感動してる瞬間とか、うわやばいっていう、そのゾワっとする感情を作るのが自分の仕事だと思っているので、一つの場所で大多数の人をゾワッとさせるような体験を作りたくて、だからバーチャルヒューマン・デジタルヒューマンというのはただ便利なものってだけじゃなくて、さっき言った無駄も結構内包しながら作ってたりもするので、そういうもので最終的には次世代のスターを生み出すというのが僕の目標です。」
株式会社Awwの守屋貴行さんにお話を伺いました。ありがとうございました。