三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2025.11.04

お茶の魅力を再発見してほしい

AOBEAT代表取締役
辻せりかさん
お茶を中心とした地域資源を活用した事業開発


ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

AOBEAT代表取締役の辻せりかさんです。静岡出身の辻せりかさんは、大学卒業後、JTBに入社し、企画型の法人営業に従事。静岡県の観光地域づくり法人への出向などを経て、2021年に独立、AOBEAT(アオビート)を設立されています。
先週は主な事業内容をうかがいました。主に静岡のお茶を使ったサービスや製品を提供されています。先週はAOBEATが扱っているお茶も味わいました。一風変わったブレンドティーなどの新しい取り組みもされていて、朝の時間にお茶を飲むってこんなに素敵で、その後の一日がちょっとハッピーになったので、お茶の良さを改めて再確認できました。
今週は、辻さんご自身のことについて色々と伺っていきたいと思います。まず、大学を出た後に、JTBという旅行会社に入られたんですね。実際にJTBではどんなお仕事をされていたんですか?

「JTBでは、法人の旅行企画担当をしていました。旅行の企画をから添乗するところまで一貫して担当していまして、働く中で海外の出向もさせてもらったりと、いろいろな経験をさせていただきました。」

そんないろいろな経験を経て、静岡県の観光地域づくり法人へ出向されているというふうに伺ったんですが、これはなぜなんですか?

「こちらは会社の命令で出向したという形ですね。出向になるまでは韓国にいたんですが、日本に帰ってきて静岡でこういう仕事をしなさいという命令を会社から受け、訳も分からないまま出向したという感じでした。」

その法人では何をされていたんですか?

「そこでは、静岡県の中部エリアの5市2町の観光作りをして人を呼んでくるのがミッションでした。県外や海外からどうやって人を呼んでくるか、というのをずっと事業としてやってきていて、お茶に関する観光もその時に初めて携わりました。」

実際、「静岡のお茶に改めて気づいた」というような何かお茶との出会いはあったんですか?

「自分は静岡の出身なので、もともとお茶が給食でも出るぐらい身近なもので、正直当たり前のものすぎてあまり興味の対象ではなかったんです。どちらかというとコーヒーの方が好きだったくらいなんですが、静岡で農家さんにお茶を出してもらって、「お茶ってこんな美味しかったっけ?」と興味を持ち始めたので、一旦海外に出て、お茶を飲まなくなってから戻ってきたっていうのはきっかけとして大きかったかもしれないですね。」

当たり前だった存在がいなくなって気づく、といった感じだったんですね。
僕も静岡で仕事で毎週行くんですけど、本当に茶畑が広がっているわけじゃないですか。静岡に住んでない人からすると、茶畑って背丈が綺麗に揃っていて、緑もすごく綺麗で素晴らしい景色なんですよ。茶葉にしても、製法によってウーロン茶や紅茶などいろいろなお茶に枝分かれしていくじゃないですか。お茶ってこういった大きな可能性を秘めていて、だから世界で愛されているんだろうなって感じますね。
日本を離れてから久しぶり飲んだお茶がおいしかったことが興味を持ったきっかけとおっしゃっていましたが、独立しようと思ったきっかけは何なんですか?

「独立しようと思ったのは、お茶に関する観光の仕事をする中で、農家さんに出会って、その味わいに感動してお茶に興味を持ったのがきっかけではあるんですが、そこで農家さんからお話を聞く中で、静岡や他の県もそうですが、お茶が産業として衰退しているっていう状況をお話で聞いたり、間近に廃業してしまう農家さんがいたり、耕作が放棄されている土地に出会ったり、後継ぎがいないなどいったことを耳にしたりと、自分で調べる中で、自然と「なんとかしたいな」という使命感が生まれたのかなと思います。それに、自分は静岡の出身なので、好きな農家さんたちのお茶が飲めなくなる日が来るっていうのがさみしいなと思い、それで起業しようと思いました。」

すごく立派だと思います。世界に目を向けてみると、今ものすごく抹茶ブームで、グリーンティーではなくて、「MACCHA」という言い方で伝わるぐらい抹茶が広がっていますよね。一方で、日本に目を向けた時に、果たして今の人たちが昔のようにお茶を飲んでいるのかと言われると微妙なところですよね。今一度、国内でお茶の魅力を再認識してもらうという意味では、まさに辻さんがやっている取り組みがお茶の魅力・再発見の流れを作ってくれているのかなと思います。
今年の9月に東京に直営店舗ができたんですよね。「aardvark tea東大赤門前」をオープンされたということでこれ関して、東京で直営店を出すというのは大変でしたか?

「静岡にもお店があったので、東京だから大変、ということもなく同じようにオープンすることができました。aardvark teaの定期便を利用するお客さまが、全国各地に1万人ほどいらっしゃるんですが、首都圏の方の割合が多くて、前々から「東京とか首都圏にお店出さないんですか?」とお客さんからのお声を多くいただいていたので、そういうユーザーさんに会える場所として、我々としてもすごく楽しみでした。」

AOBEATの活動の中で、お茶の人気は高まっていると感じますか?

「健康志向が高まっているなというふうにはすごく実感しています。それに加え、海外からの人気、そしてコンビニなどでもほうじ茶ラテなどのお茶商品を目にする機会が増えたように感じるので、人気は徐々に高まっているのかなと思います。」

「ご自身でお茶に対する思いを感じて、起業までされるというのは、アクティブで行動力ある方じゃないとなかなかできないんじゃないかとも思うんですが、ご自身で事業を立ち上げる魅力について、実際にやってみてどんなところに感じますか?

「お茶の農家さんって、なかなか大企業にいると、スポットライトを当てづらいと思うんです。JTBにいたら、多分ここまで地域の深い部分に関わる仕事はなかなかできなかったと思っています。今では、自分で会社をやることでそういった仕事ができたり、自分たちの好きな農家さんの好きな味わいのお茶を全国から仕入れて、その商品を広げていったりといったことができているので、そこが魅力であり、今やっていて一番やりがいもありますし、やっていてよかったなと思う点です。」

先週に引き続き、お茶の香りを感じながらお話をさせていただいて、僕も本当に癒されましたし、改めてお茶の良さを再認識しました。これからもっともっとお茶を飲んでいきたいなというふうに思いました。
最後になりますが、これからの夢を教えてください。

「全国の農家さんの広がりをもっと広げていきたいなと思います。やっぱり一人でも多くのお茶のファンを増やしていき、より多くの人に届けていきたいですし、ゆくゆくは日本だけでなく、さらに広いところまで広げていきたいというのが夢です。」

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