三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2025.07.15

世界中に“OHANAの輪”を

株式会社OHANA
代表取締役
棚木悠さん
動物たちの応援サイトの運営


ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週のゲストは先週に引き続き、株式会社OHANA 代表取締役の棚木悠さんです。
棚木悠さんは、福島県のご出身です。大学を卒業後、キルギス共和国の国立大学で日本語教師のインターンシップを経験し、帰国後、ヘルスケアメーカーで海外営業を経験。PR会社を経て、2022年に株式会社OHANAを創業されています。
先週は主な事業内容を伺いました。動物たちの応援サイト「Hello!OHANA」を運営されているということで、この「Hello!OHANA」に会員登録をすると、世界中の動物園や水族館、野生動物の保護施設で生活する動物たちに食事をプレゼントし、離れたところから応援できるという、まさに動物版の“推し活”サービスということでした。今週は会社を創業される前後のお話をお伺いしたいと思います。まずとても気になったのが、この大学を卒業した後、キルギス共和国で日本語教師のインターンシップを経験されているということで、私は行ったことがないのですが、キルギスはどんな国なんでしょうか?

「キルギスは中央アジアのほぼ真ん中に位置している国で、人口は600万人ほどです。国土は日本の半分くらいなんですが、特徴として顔がかなり日本人に似ています。それもあって親日国と言われています。」

なぜキルギスだったんでしょうか?

「大学時代に、アルバイトをしてお金をためて海外に遊びに行くというのにハマってしまい、なかなか卒業が難しい状況で就職活動ができなくなってしまいました。それが理由で大学卒業後に実家の福島に戻ることになった際、アルバイトをしながら「自分には一体何ができるんだろう」と考えた時、やはり、行ったことのない海外の世界で新しい挑戦をすることが自分ができることかなと思ったので挑戦しました。」

キルギスでは何の言語が使われているんですか?

「首都に住んでいる方々は主にロシア語を話されていて、地方だとキルギス語を話される方が多いですね。」

ということは、日本語を教えるためにはロシア語やキルギス語を習得しないといけないですよね。

「そうですね。当時は英語しか話せなくて、キリル文字の読み書きは現地で学んで習得することができたんですが、ロシア語を話すのはとても難しくて習得できませんでした。そんな中でも、キルギスには親日家の方がかなり多いということで、日本語を話せる現地の方々のサポートもあって、1年間ぐらい生活ができていました。」

その後はヘルスケアメーカーで海外営業をされたということなんですが、海外営業というのは具体的にはどのあたりの国で営業されていたんですか?

「私は、シンガポール、マレーシア、台湾、アメリカの西海岸の担当でした。」

元々いろいろな国に行くのが好きだとおっしゃっていたので、すごく楽しいお仕事だったんじゃないかなと思うんですが、それだけいろいろな国をまわっていると全然文化も違いますよね。営業の仕方も国によって大きく変わると思うんですが、そのあたりは難しくはなかったですか?

「実は、私の方がお客様先で寝坊して遅刻してしまうことがありまして、「日本人はしっかりしていると聞いていたのにあなたは本当に日本人なんですか?」とよく言われていました。そういった私の抜けている部分を、どの国の方々も面倒を見てくださり、いろいろ助けていただきました。」

逆にそれが武器になって愛される力になったんですね。そして、PR会社を経て、株式会社OHANAを創業されるわけですが、ここまでで動物が出てきてないなと思ったんですが、これはなぜ動物にフォーカスされたんでしょうか?

「当時、お仕事は本当に大好きだったんですが、同僚とピリピリしていて、四六時中一緒にいる中で体調も崩してしまいました。そんな疲れていた時、仕事の合間にサボってサンディエゴの野生のアザラシを見られる海岸に行った際、ふと視野が広がって、動物たちはのびのび暮らしているのに、こんなちっちゃい人間関係で体調を崩してるのはもったいないなと思い、そこから動物に興味を持ちました。」

それまで動物が大好きだったというより、疲れた自分を癒やしてくれた、助けてくれたのが動物だったということで、それをきっかけに動物のことについて考えるようになったんですね。

「そうですね。当時、アメリカの担当で夜はなかなか出歩けない状況だったので、SNSで動物の写真や動画を見漁るのが趣味になっていて、そんな中で世界中にこんなに動物ファンがいるんだということに気づきました。そして、もしかしたら動物を応援する場所、プラットフォームがあったら、世界中で受け入れていただけるんじゃないかと思ったのが「Hello!OHANA」のきっかけになりました。」

この「Hello!OHANA」の仕組みを考えるヒントについては、どこから得たんですか?

「SNSでそれぞれの個体の動物に対して、世界の方から毎日メッセージが届いていることに気づき、そこで「動物たちの個体に特化して応援できるサイトって、見渡してみればないな」と思い、個体の動物に対して何か贈り物ができる仕組みがあってもいいんじゃないかと考えたのがきっかけです。」

世の中ではちょっとした理由で廃棄されてしまう野菜ってすごく多いと思うんですが、そういった本来廃棄されてしまう野菜を動物たちにプレゼントすることで野菜を生産する農家さんのことも救えるというのが、この「Hello!OHANA」の仕組みで素敵だなと思ったのですが、これはどこからのヒントだったんでしょうか。

「私の実家は福島の喜多方市にあって、祖父母がアスパラと米の農家をしていました。小さい頃からアスパラの少し細いものや、色が薄いものを捨てている姿を目の当たりにしていて、子どもながらにもったいないなと思っていました。大人になって規格外品の活用が世に普及してきた中で、これは動物たちへのプレゼントとして活用できないかなと思い至りました。」

餌代も本当にお金がかかるって言いますもんね。

「そうですね。物価高騰の中で、餌代も水道代も光熱費もすべて上がっているので、少しでも助けになればなと思っています。」

動物園や水族館の方たち、そして動物たちも救うだけじゃなく、農家さんの力にもなれるっていうのがいいですよね。今SDGsも謳われていますが、まさに今の時代にぴったりだと思います。もっと提携する動物園・水族館・保護施設が増えて、それぞれの動物園で推しの動物がいる方が増えていくといいですね。

「現在、いろいろな会社さんから一緒に協力していこうというお声がけをいただけるようになって、「Hello!OHANA」を知らなかった方々にも、知っていただけるきっかけになって、これからもっと提携する施設が増えていけばいいなと思っています。」

ちなみに棚木さんの推しの動物はいるんですか?

「私より年上で今年33歳になるカニクイザルのモナリザというお猿さんなんですが、すごくかわいくて一生懸命日々暮らしている姿に励まされるので、その子が私の推しです。」

じゃあ、棚木さんもモナリザに餌をプレゼントして、その様子を動画で楽しんでいるんですね。
それでは最後になりますが、これからの夢を教えてください。

全国各地に、“OHANAの輪”と呼んでいる「Hello!OHANA」の協力者の皆様を広げていきたいというのと、海外でもこの「Hello!OHANA」の仕組みを広げていけたらいいなと思っているので、大きな挑戦にはなるんですが、これからは世界にも目を向けて活動していきたいと思っています
«Prev || 1 | 2 | 3 | 4 |...| 441 | 442 | 443 || Next»
  • Facebook
  • X
  • LINE

TOP