三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2022.08.23

町工場の強みを世界に

キャディ株式会社
社代表取締役
加藤 勇志郎さん
モノづくり産業のポテンシャルを解放する



ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。



今週と来週のゲストは、キャディ株式会社代表取締役の加藤 勇志郎さんです。
加藤勇志郎さんは、東京大学卒業後マッキンゼーアンドカンパニーへ入社、そして2011年にキャディ株式会社を創業されています。


今週は、主な事業内容について伺います。


キャディは、モノづくり産業のポテンシャルを解放するというミッションを掲げてらっしゃいまして、これどういうことなんでしょうか?


「モノづくり産業、製造業というといろんな中小企業町工場の方々いろいろいらっしゃいますけれども、
皆さんいろんな強みの技術力とか持たれていらっしゃいますが、やっぱりこの下請け産業の業界構造によって、
なかなかその強みを発揮しきれないとかっていうことがあるのでそういった皆さんが本来持ってる力をちゃんと開放して、
業界全体を盛り上げていけるような、仕組みを作っていきたいなという思いで、こういったミッションを掲げております。」


製造業にはこれまでなかった新しい仕組みを提供するということなんですが、この新たな仕組みというのは具体的にどういったものなんでしょうか?


「ビジネスをやっておりまして、受発注サービスのキャディというものをやっております。
これ何かと言いますと、世の中の町工場さん、あの工場の強みというものデータ化して、その強みに基づいて、
お客さんからいただいた図面のデータというものを我々がいろいろまず解析をして、
その強みを持ってる会社さんに対して発注をしていくという町受発注の間に入るようなビジネスをやっております。」


受発注サービスキャディっていうのはどういうものなのか聞いてもいいでしょうか?


「そもそも世の中の課題としては、発注者、大企業からいろんな会社さんありますけれども、
図面のデータというものを作って、いろんな町工場に見積もりをたくさん出すんですねどの会社が得意かっていうのを見積もりをして見積もっていただいた上で、最適な工場出していくわけですけれども、ただ町工場からするといろんな見積もり毎日毎日来るけれども、
取れる見積もりは20%しかないんですね。無駄な見積もりだけなので、誰が間に入って見積もりもして、最適な工場を見つけて、
我々が確定発注ということで、強みをもうわかっている会社に対して出していくので、町工場の方は見積もりする必要がなくて、
100%受注ができるような状態になっております。」


これは町工場にとっても、その依頼者にとっても良いですね。

メーカーと加工会社の間に入っていくっていうことうだと思うんすけど、
例えばこれまでいろんな課題があったと思うんですけども、どういう課題がありましたがメーカーと間に入るっていうのは。


「元々今町工場さんでいうと受注率がなかなか上がらないとか、負荷がすごく高いっていうことと、発注者からしても毎日何百枚の図面っていうのを最適な工場に発注するっていうのはすごく大変で、そういった業務負荷もものすごい高いということで、とりあえずキャディにまとめて出してもらえれば、
品質保証も社内の品質検査拠点でやってるので、品質も全部保証された状態で最後物が届くっていう状態になります。」


今年の6月にもう一つローンチしたばかりのサービスがあると伺ったんですが、これはどういったサービスなんでしょうか?


「もう一つがキャディドロアーというサービスをやっておりまして、
これ何かというと今の課題にも少し通ずるんですけれども、メーカーさんいろんな図面を毎日毎日扱ってるですけど、
紙の図面とかってやっぱものすごく多いんですね。


やっぱり製造業の会社に行くと、もう書庫っていうのがあって、
もう何百万枚の過去の図面がバインダーでこうも並べられていて、でも20年前の図面とかってまた使うんですよね。
そうすると、書庫にそれを探し出してっていうことをちゃんとやってるんですけども、
我々のサービスはその紙の図面でも何でも、それをスキャンしてもらってドロアーにアップロードいただくと、
自動的に図面の内容を解析して、全部書かれてるものとかをデータ化してくれるっていうサービスになっているので、
そうすると、また取り出したい図面にすぐ検索でできるとか、
そういうもう紙とかリアルなデータをデジタルなデータに落としていく製造業の中で一番重要なデータと言われている図面という領域でまずやっております。」


すごい効率アップになりそうですね。
キャディの活躍してるのは調達っていう分野になると思うんですけども、この調達という世界になぜ目をつけたんですか。


「物を買うなかなか調達って、世の中的にはあんまり知られてないとこなんですけども非常に重要なところで、
日本って国内で180兆円物作りをしてるんですけども、実はそのうちの120兆円ほとんどが調達コストなんですね。


何で物を買ってくるコストで、例えばトヨタさんとかいろんな自動車会社でも、3万点の部品で1台の車ができてます。ほとんど外から買ってるので、
外からいっぱい買うというところで、日本の中では下請け構造と言われるいわゆる城下町みたいなスタイルで、
トヨタさんでも何でもあのトップの会社さんに何万社の工場が紐づいてるような状態になっていて、でもそうするとなかなか流動性がないんですね。


もうトヨタさんの工場はトヨタさんの工場他の会社はなかなかやるわけではないっていうような、
この硬直化された状態をいかにこうフラットにして、どの会社でも自分の強みのっとって、
いろんな会社とお付き合いができるようにしていくかっていうのが、すごく重要な課題だと思ったので、この調達に目をつけてやっております。」


実際何かそれこそ町工場さんのお話とかもさっきありましたけど、
例えば優秀なのに、実際なかなか受注が取れなかったりとか、日本たくさんあると思うんですけどそういう厳しい現実を目の当たりにしたこととかっていうのがあったんですか?


「私も毎週のようにいろんな工場に行っていて、これから私もこのあと九州に行くんですけども、いろんな工場を回ってます。
やっぱりそういったことはたくさんあって、例えばあの頃コロナ前でも、30人ぐらいの会社が急に倒産してしまってっていうのがあって、その瞬間に粉塵になってしまったんですけども、そこは我々が取引を始めたばっかりで、元々8割を大手の電機メーカーさんに依存していて、そこの案件が全部赤字で倒産してしまったとか、やっぱり強みを持っているけれども、そういった現状によってなくなってしまうような会社があるっていうのは複数社見てきたところはありますね。」


一つあの有名な話ですけど、それこそ海外のAppleという会社が、スマートフォンを作る際にある技術は、
ここの日本のこの町工場に実は依頼してるんだなんていう話も聞いたことがあって、
改めて何かちょっと誇りに思ったというか、何か今後は国内だけじゃなくて、世界との架け橋っていうのも目指してらっしゃるんでしょうか?


「そうですね、実はもう東南アジアには拠点がございましてベトナムをやっているんですけれども、
今後東南アジアだけではなくて、欧米も含めて、今年の末からどんどん拡大していく予定を組んでおります。」


製造業ってやっぱりどうしても新型コロナウイルスの影響ってのも多く受けてるとこがあったと思うんですけど、
現在の何かそういうコロナの影響だったりとかそれこそ電子部品含め様々な問題が、
例えばウクライナでの影響だったりとか、いろいろ聞いてはいるんですけど、実際そういうのがあるんですか?


「ものすごいありますね。やっぱり電子部品が本当にショートして買えないとか、
お値段100倍以上なったりしてるので、やっぱり物を買いたくても買えない状態ってのが今なので、
お金出しも買えないので、ただ我々のネットワークの中で、
本当に買えないものを我々だったら最適な工場して買えたりとか作れるっていう状態も実際作れているので、
そういった中ですごく需要も伸びている状態ですね。」


今週はそろそろお別れの時間なんですが最後に、これまで乗り越えてこられたハードルを教えてください。


「毎日ハードルしかないんですけれども、
一番大きかったのは創業初期に一番最初に大手メーカーさんから部品をいただいたときに、
私も図面読めなかったので、どの工場に出したらいいかわからないっていうので東大阪バーっと回って3社工場を見つけて、
そこにお出ししたんですけども、3個出せばさすがに1個いいもの出てくるだろうっていうので、よくわからなかったんで3個出したんですけれども、
3個とも全部前日に不良品数量であることがわかって、
その場で工具屋さんに行って、自分でヤスリとかで削って品質を徹夜で直して翌日持ってくっていうことやったんですけど、
品質を守ることの大変さっていうのを、そこで自分で知って、
なので今も日本で全国6拠点、品質管理センターに投資をしていこうっていうのを決めたきっかけになりました。」


ありがとうございました。キャディ株式会社の加藤 勇志郎さんにお話を伺いました。




«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 84 | 85 | 86 |...| 371 | 372 | 373 || Next»
  • Facebook
  • X
  • LINE

TOP