三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ 鈴村健一 ハードキャッスル エリザベス20代〜30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2020.08.11

世界的なビジネスの動きをリードするESG投資

株式会社ニューラル代表取締役CEO
夫馬賢治
ここ10年くらいで投資家の方の意識が変わった


今週のゲストは、株式会社ニューラル 代表取締役CEOの夫馬賢治さんです。
夫馬さんは1980年生まれ、愛知県のご出身。
大学卒業後、現在のリクルートキャリアに入社
幅広い部署で活躍後、MBA入学のため渡米。
アメリカで、現在の事業領域であるサステナビリティの分野に出会い、
2013年にESG投資コンサルティング会社を創業
現在、株式会社ニューラル 代表取締役CEOです。


夫馬さんは最近『データでわかる 2030年 地球のすがた』、
そして『ESG思考』という本を出されています。
今回は本のタイトルにもなっていますが
「ESG投資」というものについて詳しくうかがいます。

まずは「ESG投資」というものが何なのか、教えて下さい。



「ESG投資は新しい投資手法といわれるもの。
 特に機関投資家というプロの投資家達がこのESG投資を始めています。
 環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)no
 頭文字を取った投資で、正直これまで機関投資家と言われる人たちは、
 投資先を判断するときに、環境や社会課題、取締役の構成のようなことには
 あまり興味はなかったんですね。
 でもここを見なければ企業の将来性は分からないという感覚になってきたので
 今ESG投資はメインストリームになってきています。」


これはいつ頃から、どうして、投資先のESGが重視されるようになったんですか?


「最初に「ESG」という言葉が出てくるのは2006年で15年くらい前なのですが、
 特に海外でこれくらいの時期から出ていて、動きが高まるのが2010年くらい。
 日本ではこの2年くらいなので、実は日本では非常に新しい動きだったりします。
 どうしてこうなったかと言うと少し暗い話題になってしまうんですが
 最近自然災害が増えてきたり、今日も37、8度に上がるとニュースにあったり
 また社会の面では日本でも外国人労働者が増えてきたり
 色々な国で人手不足が増えたりと、これまでは企業がケアしなくてもよかったことが
 この問題を解決しなければ10年、20年後の未来がないというのが
 明確になってきたというのが非常に大きいですね。」
 
これまではビジネスとは切り離されていたイメージがありますよね。
ビジネスをやるためにはそういったものを無視しなければいけなかった部分が
あったような気がするのですが。
 
「そうですね。社会や環境の話題とビジネスの話題は
 日本ではまだまだ対立軸で語られる事が多いかなと思うんですね。
 環境に配慮するとビジネスが成り立たない、企業が存続できないというような。
 この話題が2006年くらいから機関投資家、株主達の頭の中は急速に
 変化していきますので、今日本はまさにこの変化に追いつけるかを
 問われている状況です。」
 
地球環境をちゃんと考えなきゃいけない…という世界的な動きも影響していますか?


「ESG、サステナビリティ(=持続可能性)というワードもく出てきます。
 このサステナビリティという言葉が出てきたのは1990年代なので
 今から30年前くらいなんですね。ですがやはりビジネスとは対立軸だったんです。
 それが2006年頃からヨーロッパのほうで、みんなが持続していかなけば
 企業そのものも持続できないんじゃないかという考えが強くなり
 これに拍車がかかるのが2008年頃からのリーマンショック。
 企業が急速に自分たちの経営の継続が危うくなったタイミングで
 この動きが強くなっていますので、今はまさにこのコロナの状況で
 サステナビリティ、ESGの考えはますます強くなってきています。」
 
コロナに目を背けられない状況になり、切り離せない
この考え方は世界のトレンドになっていくんだろうなという感じがしますね。

「環境問題は昔からあり、
 経済を発展させるは環境は破壊するとよく言われたりしますが
 実はまだまだ貧困国は世界にたくさんあり、彼らは経済発展を今からしたいと
 思っているとすると、環境破壊をせずに経済発展をさせるという事を
 企業も投資家も見出さなければ持続可能じゃないよねというのが
 ここ10年くらい特に機関投資家の方の意識が変わったのは
 大きな世界の変化ですし、大きな明るい兆しになってきているなと思って
 私も今アドバイザーの仕事をさせていただいているという形です。」
 
そういった事が綺麗事だと言われていた時代から変わってきている。
慈善事業と思われていた部分がビジネス的になってきているのが
ESG投資として主流になりつつあるという事なのでしょうか?

「今まで環境問題などは事業は事業で、
 利益の一部を環境活動に回すという事をやっていたんですけども
 このESGの考え方はそうではないんですね。
 どれだけ利益の一部を還元していても事業そのもので環境破壊を
 しているのであれば、存続できないという形になってきましたので
 ついでではなく事業そのものをいかに変えていけるかどうかが
 投資家が企業を見ている目になっていますので
 企業の株価はそれをやらなければ上がりづらいという状況が
 すでに生まれていっていますね。」

 


以前から、ESGの動きが現れていた、という具体例は何でしょうか?


「日本でも有名な外資系企業はたくさんあり、
 スターバックスやナイキ、アップルなどがありますが
 ほとんどの会社がESGの考え方が強く出てきています。
 スターバックスの例では、99%以上がフェアトレードのコーヒー豆に
 変わっていて、2002年頃から始まり、2008年くらいには
 8割くらいまできていて、それが今では100%まできているという事なので
 まさに20年くらいでスターバックスも変わってきていますし
 その一環としてスターバックスではストロー廃止の流れも
 自然に出てきているので、規制が出ているからやるのではなく
 自主的に企業が動き出すというのが多いですね。」

世界でこういった動きは当たり前になってきているのでしょうか?

「私も直面していますし、いつもこうやってお話するのが私の仕事の役割だったり
 するんですけども今まさに日本でなかなか馴染んでいないということなんですね。
 海外でいうと2008年の前までは皆さん同じ反応だった。
 15年かけて特に企業の方々や投資家の方々が違和感がなくなってきている
 状況で日本はこれから徐々にこれを結びつけなければいけないという事が
 理解され始めてきているのがこの1、2年という感じですね。
 これをスピードアップさせていくのが課題です。」

今後人間も地球の中に適応しなければいけない。
その中で生産活動をしなければいけないというシンプルなところだけ考えていくと
当たり前な感じがしますがそこに向き合ってなかった期間がすごくあったという事ですよね。

「まさにそうですね。
 “話はわかるがそんなに企業の経営は甘くないんだ”とか
 特に日本の方には達観してしまっている方が多く感じます。
 私もだいたいお話をする時アウェイなんですね。
 色んな上場企業や、自民党でお話をする事があったりするんですが
 みなさん構えている。そんな訳が無いと、
 でも一生懸命話していく事でやっとみなさん理解されてきたと思うので
 心のガードを取っていただいて、本当はみなさんそうであって欲しいと
 願っているはずなので構えないで欲しいなと思いますね。」

見返りがないのにそんな事するわけないと思われがちですが見返りがある。

「先ほどのスターバックスのフェアトレードの件は
 偽善と思われるかもしれませんが、スターバックスは
 当たり前のように今の生産者さんに幸せに働いていただければ
 今のノウハウが高まり、美味しい豆がたくさん作れるようになるという事で
 それがお客さんにつながっているので
 事業を伸ばすために行き着いた手法がそこだったというわけですね」

最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい。

「私は2013年にこの会社を立ち上げたんですが、最初は本当に理解者がいなかったんですね。
 今はアドバイザーとして企業さんや投資家さんからお金をいただくんですが
 最初は理解者がいないので仕事にならないんですね。
 それが本当に苦しかったのですが、藁をもすがる思いで少しでも色んな方に
 お話をとチャンスを得ていたところ、世の中が動き始めていて
 企業さんからもたくさんお仕事をいただけていますし
 環境省のいわゆる専門家委員会の委員をやらせていただいているんですが
 政府の中にもそういった動きが出てきているので
 そう考えると2013年ごろは本当に苦しかったなというのが思い出ですね。」
 
夫馬さんには来週もお話を伺います! 
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