2024.02.06
美味しさを最優先に素材本来の良さを引き出す
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは株式会社HiOLI 代表取締役の西尾修平さんです。
西尾修平さんは1980年生まれ。大学卒業後、リクルートやミクシィスイーツメーカーなどを経て、2018年にHiOLIを創業されています。HiOLIはお菓子の企画開発製造を手がけるスタートアップということなんですが、会社名のHiOLIはどういう由来があるんでしょうか?
「ひ・お・りの造語なんですけど、ひはお日様の日で、素材本来の良さを活かす。おは輪っかのイメージで笑顔の輪を作りたい。りはLINKのLIなんですけれど、生産者との繋がり、お客様との繋がりを大事にしたい、そういう思いで名前を付けています。」
HiOLIにはいくつかお菓子のブランドがあるんですよね。まず立ち上げから作っているHiO ICE CREAM、これはどういったアイスクリームなんでしょうか?
「クラフトアイスクリームというアプローチをとらせてもらってるんですが、大量生産に最適化したもの作りではなくて、美味しさを最優先にその小ロットずつハンドメイドスモールバッチで作ってきているとそういったアイスクリームになります。」
こちらはお店は自由が丘にあるんですか?
「そうですね。自由が丘駅から徒歩5分ぐらいの所、遊歩道沿いのところにある小さな工房でスタートしました。」
クラフトアイスクリームとはどういったものですか?
「同じアプローチで少しずつ丁寧に作っていくんですけど、アイスクリームでいきますと、例えば牛乳なんかも生産者さんのところにお伺いしたものを使わせていただいたり、また少量ずつ作っていくとこのメリットとしては、濃厚さと軽さのバランスを取るために、例えばアイスクリームを作るときいうと機械の羽根を回転させながら凍らせるんですけど、その回転数をコントロールすることによって、濃厚さであったりとかアイスクリームの硬さを滑らかな柔らかさを作っていったり、そういったテクスチャーをコントロールしたりしています。」
牛乳などにもかなりこだわっているとのことですが、どういったこだわりがありますか?
「創業以来40ヶ所以上の牧場さんに回らせていただいたんですけど、HiO ICE CREAMは濃厚さと軽さのバランスをとりたいということで、濃くて軽い牛乳を探すというところで、何種類も何種類も試飲をしてですね、どれも美味しいので決めるのが難しかったんですが、北海道の美瑛町の牛乳をセレクトして使っております。」
自由が丘にお店があるというふうに先ほどお話してくださいましたが、なぜ自由が丘だったのでしょうか?
「いろんな場所を考えたんですけど最終的な決定打は、遊歩道の前にあるというところで、サンフランシスコのミッション地区っていう所がクラフトの文化の発祥の地と言われてるんですが、そこにすごい何となく似てるなっていう直感を得まして、最後はその直感を信じて、自由が丘に選びました。」
続いて「Butters」というブランドですね。こちらはどういったスイーツなんでしょうか?
「ButtersはHiO ICE CREAMの価値観を大事にしつつ、焼き菓子でその表現をしていこうということで2020年にスタートしたクラフトバタースイーツの専門店ブランドになります。」
これはバターに特徴があるんですか?
「バターもそうなんですが、もう一つバターの副産物である脱脂乳、そしてバターミルクを上手に活用していこうというふうに考えております。」
バターを作る際にどうしても出てくるバターとして使わない部分、それも使ってるんですか。
「はい、使っています。バターは油分ですので必ずその脱脂乳という油の抜けた部分が出てきてしまいますので、これを僕らは砂糖と生クリームとして煮詰めてジャムにして使ったり、生地に混ぜたり、そういった活用の仕方をしております。また、脱脂粉乳は非常にミルクの香りをすごく高めてくれる香料の役割もありますので、非常にポジティブな材料として使っております。」
副産物に気づいたきっかけはあったんですか?
「実は前職も製菓会社の経営をしていたんですけど、そのときにバターを買わせていただくときに実は脱脂粉乳もたくさん出ちゃうんだよっていう話は乳業メーカーさんからお伺いして、それでこれを上手に活用したいなと思って創業しました。」
それを分けてくれる酪農家さんとかを見つけたということですか。
「そうですね。酪農家さんもそうですし、また酪農家さんが搾った牛乳を加工していく乳業メーカーさんもありますので、乳業メーカーさんとも一緒にアプローチをしております。」
このButtersはコロナ禍の2020年に発売したということで、大変だったんじゃないですか?
「そうですね。Buttersのスタートはまさにコロナのロックダウンの第一波のその日にスタートしているので、お店をスタートできなかったんです。そのときはオンラインでスタートすることに切り替えて、お客様からご愛顧をいただいて、今こうやってたくさんの方にお召し上がりいただけるようになりました。」
スイーツの評判はそれぞれいかがですか?
「非常に僕らの想像を上回るほどご愛好いただいていて、少量生産ではあるんですけどそれを繰り返して作っていくことで少しずつですが量も増やしていけるように頑張っています。」
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「やはりコロナ禍でお店がなかなか開けられない時期もあったんですが、ようやく生産者さんともお客様ともお会いできるあの日々が戻ってきたので非常に嬉しく思ってます。」
株式会社HiOLIの西尾修平さんにお話を伺いました。来週もよろしくお願いします。