ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2016年2月21日のショートストーリー

「楽じゃなくても、楽しい道を」

[ストーリー]

いつまでも布団にくるまっていたい。
寒い季節は、なおさらだ。
先輩から朝のジョギングを勧められたが、
これが辛い。

憂鬱な胸の内を察したのか、三日後、
妻がさりげなく声をかけてきた。
「一緒に走ろうか」

走るのは、元々、苦手で辛いけど、
一緒に走るようになってから、そこに楽しみが加わった。
汗を流した後の、何気ない会話。
晩ご飯は何にしよう、今度の休みはどこに行こう、
めぐる季節、変わりゆく街並み、若き日の想い出…。
気づけば、コミュニケーションの時間が、
見違えるほど増えていた。

ふと、中学時代の恩師の言葉が蘇った。

「楽じゃなくても、楽しい道を」

思えば、夫婦が歩んだ道のりにも、
上り坂もあれば、下り坂もあった。
晴れの日も、雨の日も、彼女が伴走してくれた。

走り続けるのは楽じゃない。
でも、今、走ることを楽しんでいる自分がいる。

東京都「ダイエット始めました。」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・市川幸宏

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