ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年6月2日のショートストーリー

「明日やろうは、バカ野郎」

[ストーリー]

なんとなく集中力が切れてきた。営業報告書は、明日朝早く出社してやろうと思った。ふと同期の西谷の顔が浮かんだ。

階段をひとつ降りて、事業部をのぞいてみる。

暗いフロアにひとつだけポツンとついたデスクライト。
西谷が必死にパソコンに向かっていた。

「まだ終わらないのか？」とたずねると、
「ああ、今日やれることはやっておきたいんだ」と彼。

そういえば西谷は、いつも次の日に仕事をまわさない。
なんでなんだと訊いてみると、
彼は、こう言った。

「高校のときさ、嫌なことや面倒なことを後回しにしていたら、よく先生に言われたんだ。」

『明日やろうは、バカ野郎』

「社会人になっても、心にしっかり残ってるんだ」
西谷は爽やかに笑った。

ボクは彼と別れ、フロアをのぼってデスクライトをつけた。
営業報告書、今日中にやっちゃうか！

東京都「正吉」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

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