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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

19.10.15

台風19号の豪雨災害について

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、『BuzzFeed Japan』シニアフェローの古田大輔さんです。
古田さんが注目したネットの話題はこちら!


『被害が拡大する台風19号の豪雨災害』

鈴村:まだ被害が拡大している台風19号の豪雨災害ですが、地球温暖化、気候変動の影響が最近の台風被害が大きい状況になっている事に影響があるんじゃないかということが話しに出ていまして、意見が分かれたりもするんですけど、実際のところはどうでしょう?


古田さん:これはもう、かなりの確率で影響しているであろうということが定説化しているんですよね。どういうことかというと、地球温暖化の中でも最初に温度が上がっていくのが海水温なんですよね。その海水温が上がっているところで台風が頻発するであるとか、台風の勢力が強まることに影響を与えているんじゃないかといわれているんですよね。


あともう一つあるのが、普通、台風が通ると、通った後の海水は温度が冷えるんですよ。なぜかというと、台風が通ることによって海水が巻き上げられて水面の温かい海水ではなく、水面下の低い温度の海水が上がってくるからなんですね。けど、海水温がどんどん上昇すると、台風が通るくらいでは全然冷やせなくなっているんですよね。なので、どんどんどんどん台風が出来るんじゃないかというようなことが言われています。


これまたもう一つポイントが、「もしかしたら、違う原因があるんじゃないか?それをちゃんと見極めるまで、温暖化対策しなくていいじゃないか」ということをいう人がいるんですよね。でも、もし、本当にそれが完璧に確定するのがあと何十年もかかって、取り返しがつかなくなったらどうするんですか?っていう話なんですよね。だからこそ、この間、ニューヨークに行って演説したグレタさんのように、みんな、すごく関心を持つようになっているし、何百万人もの世界中の人がデモを起こすようになっているんですよね。


鈴村:温暖化に対しての対策は、やらないより、絶対にやった方がいいという話ですよね。


古田さん:いや、もう、本当に近々の課題ですよ。


鈴村:そう思いますよね。今回の豪雨災害についてですけれども、供給網とか、工場、倉庫への浸水、連休明けて今日から企業の活動、この影響というのは計り知れないなというところがあり、懸念されているんですけど、実際はどうなんでしょうか?


古田さん:物流ってかなり複雑なので、まだその辺というのはわからないですよね。実は、すごい大切な基幹材料が止まっているとかということになると、その業界全体に影響を与えたりするので。僕がタイにいた頃の洪水がまさにそれで、サプライチェーンといわれる、車とか電子機器とかの部品をタイはいっぱい作っていたので、それが止まっちゃったんですよね。それで世界中の生産に影響しちゃったっていうのがあって。今は各企業がそういうことが起こらないように分散化し、リスク分散はしているんですけれども、今回の影響がどこまで広がっているとかいうのは、まだわからないんですよね。


鈴村:そうですか…。あと、今回、“台風19号は大きい”という報道があり、事前に準備した人も多かったと思うんですけど、ここに関しては、テクノロジーも向上して情報伝達というのは以前よりはよくなったのかなという感覚はあるんですけど、古田さんはどう思いますか?


古田さん:そうですね、例えば、気象庁の情報の出し方一つにしても、やっぱり、毎年毎年、一生懸命考えて、より良くなるように努力しているんですよね。報道する側についても、災害報道ってすごく大きなテーマなので、どうやったらよりわかりやすく危険性が伝わるか、みなさんに命を守る行動を取ってもらえるかをすごく考えています。だからそこ今回も、かつてないような災害だと、過去に大きな被害が出た台風と同じ規模みたいな具体的な例も示すことで、みなさんが、食糧を確保したりですね、窓ガラスにガムテープ貼ったりとか、対策をとっていたわけですよね。ただ、じゃあ、それをみんながしていたかというと、そういうことでもないでしょうし、完璧ということはありえないので、さらに努力を続けていくしかないだろうなと思います。


鈴村:そうですよね、対策はこれからもどんどんやっていかなければいけないなと思うんですけれども、今回、河川の決壊ということも起きたじゃないですか?これに関しては、整備ももっとやっていかなければいけないものなんですかね?


古田さん:河川の整備はすごく難しいのがですね、つい昨日かな?日経新聞で、『もう堤防には頼れない、国頼みの防災から転換を』という記事が出たんですよね。それを批判する人がツイッター上とかですごく多かったです。なんだ国が守ってくれないのか!無責任だ!というようなですね、国がちゃんと対策してないことをよいしょするような記事なんじゃないかみたいな批判が出てたんですけれども、僕は、その水害の取材や堤防の取材とかもしてきて思うのがですね、言ってることは確かに一理あるんですよね、堤防の整備率は日本において70%もないんですよ。例えば、もうすでに川沿いに家が建っているとか、道路が出来ているとかですね、堤防を作りたくても作れないという場所がいっぱいあるし、それに堤防って完璧じゃないんですよ。ものすごい雨が降ったら、堤防を乗り越えちゃうんですよね。水が堤防を乗り越えると、その堤防は決壊しやすくなるんです。その堤防、河川の計画を作るときに30年確率とかっていういう言葉で作るんですよ。つまり30年に一度の大雨が降ったら壊れますよっていう前提なんですよね。だから、堤防があれば安全というわけでもない。だから、自分たちで身を守る活動もやんないといけないということなんですよね。


鈴村:なるほどね、本当にそうかもしれませんね。


そして、今日の #スズコメ はこちら。





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