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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.10.20

郵便局 非正規契約社員 待遇格差の訴訟に最高裁が違法の判断

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、ジャーナリストでメディアコラボ代表の古田大輔さんです。
古田さんに取り上げていただく話題はこちら!


『郵便局 非正規契約社員 待遇格差の訴訟に最高裁が違法の判断』


エリザベス:各地の郵便局で働く非正規の契約社員らが、正社員と同じ業務をしているのに待遇に格差があるのは不当だと訴えた裁判の判決で、最高裁判所は契約社員側の訴えを認め、扶養手当などに不合理な格差があり、違法だとする判断を示しました。


鈴村:郵便事業に携わる非正規社員は18万人あまり、日本郵便は今後、待遇の見直しを迫られる可能性があるということで、この最高裁の判断が、今後、私たちや企業にどんな影響を及ぼすのかということを考えていきましょう。まずは今回の最高裁の判決、どう思われますか?


古田さん:そうですね、まず、中身を簡潔に話すと、郵便局の契約社員の方たちが、正社員と同じ業務をしていますよと。なのに、手当とか休暇の待遇ですごい格差があると。それは不合理な格差がありますよね?不当ですよね?といって日本郵便を訴えたという裁判なんですよね。これは高裁でもすでに判決が出ていて、それも不合理な格差というのを認めていたんですよね、“違法”と指摘してて、それを今回、最高裁も、その格差はさすがに不合理ですよね。というふうに判決を下したという事案なんですね。ポイントはですね、確かにそうですよね、不合理な格差はダメですよね。ということで、それが合理的な格差の範囲なら、それは正規と非正規で差があっても良いんですけれども、“不合理なものがあってはいけないんですよ”というところだと思います。


鈴村:今後、対策としてどうなっていくのか?というのは先の話だと思うんですけど、今回の最高裁の判断、郵便局だけではなく、他の企業にも影響が出てくると思われるんですけど、どうなんでしょうか?


古田さん:これは『労働契約法20条』というものがあって、その中に、同じ会社に勤める有期雇用と無期雇用の労働者の間の労働条件を比較して、合理か不合理化を決めましょうねと。それが、労働者の“業務の内容”とか“業務に伴う責任の範囲”とかですね、5つのポイントをあげているんですよね。それを勘案して、さすがにそんなに差を付けたら、そりゃあダメでしょ!というものは、個別に判断していきますよ。ということなので、今回の日本郵政、郵便局の話が出てますけれども、この2日前には、大阪医科大とかメトロコマースとかで、同じように非正規の方の訴えがあって、例えばその中には、賞与の不支給、それは不合理ではないですよ。とかですね、退職金に関しても、支給しなくても不合理ではないですよ。という判決もあるんですよね。だから、賞与や退職金の不支給が一律に不合理とみなされるわけではないんですね。ここがすごく大きなポイントだと思います。


鈴村:企業によって対応が違ってくるわけですよね。


古田さん:おそらくこのラジオを聴いている方の中にもですね、もちろん、正規の方もいれば、非正規の方もいらっしゃると思うんですよ。その方たちからしたら、正規の方から見れば、正規と非正規で待遇に格差があって当たり前じゃない?と思ってる方もいらっしゃると思うし、非正規の方からは、いやいやいや、同じ働きしてるんだから、同じものをもらって当たり前でしょ!と思う方もいると思うんですよね。両方とも、考えとしては間違っていないわけですよ。差があってもいいけれども、その差がちゃんと合理的な範囲に収まっているかどうか。それを最高裁は、一つひとつ個別にちゃんと判断しないといけませんよね。というふうに言っているという、とても真っ当な判断だと思います。


鈴村:今後、僕らの雇用のかたちに影響してきますよね?社会の雇用のシステムというのは変わってきますよね?


古田さん:そうですね。今、非正規ってすでに日本の労働者の40%を占めるようになってきているわけですよね。かつてのように終身雇用というものが当たり前という時代ではないわけです。となってくると、いつ、みなさんも非正規になるかわからないわけですよね。僕は最初は朝日新聞で正社員、その後、BuzzFeedでも正社員、でも、去年独立をして、今後もどこかのところで非正規で有期雇用で雇われる可能性は十分あるわけですよね。誰だってそういう可能性がある。その中で、きちんと非正規の場合でも権利が守られる法体系がないといけないし、そこら辺を今回訴えに出た方々も、自分たちの権利をちゃんと確認しようと先行してその方々がやっていただいたわけですよね。


鈴村:ジョブ型雇用というものがこれから大事になってくるというか、人がいるということだけに給料を払っていた時代が終わったわけじゃないですか?だから、そこの部分というのがもっと整理されなければいけないですし、逆に、雇われる側、雇用される側もそういう意識をもっと高めていかないといけないですよね。


古田さん:そうですよね。ジョブ型になると、そのジョブがある間は雇用されるということが増えてくるはずなんですよね。そうすると、有期雇用は今より増えてもおかしくはない。そうなったときに、待遇が合理的格差の中に収まるようなかたちになっていないと社会としてうまくいかないですよね。


そして、今日の #スズコメ はこちら。






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