20.10.21
国民一律5万円の定額給付金、景気を押し上げるか?
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんがピックアップした話題はこちら!
【国民一律5万円の定額給付金、景気を押し上げるか?】
エリザベス:菅総理は先週水曜日、自民党の長島昭久衆議院議員らと総理官邸で会い、『国民一律5万円の定額給付金の支給』を盛り込んだ、40兆円規模の追加経済対策などを求める“要望書”を受け取りました。新たな新型コロナウイルス対応の必要性を訴える、長島氏らに対し、菅総理は「そういう方向で頑張る」と応じています。
鈴村:第2次補正予算の“予備費”を充てる案が提示されているのですが、この提案、宇佐美さんはどのようにご覧になっていますか?
宇佐美さん:率直に言って、“選挙目的だな”って感じがしますね。来年の選挙前に国民の心をつかむインパクトのある政策というのを自民党は求めていると思うんですよね。一方で10兆円積み上げた予備費は来年度には繰り越せないんですよね。だから、どうせなら、手元にあるお金は使い切ってしまえという短期的な政治力学が働いていて…。ただ、これは本音過ぎるので、建前として、どういうふうに目的を設定するかというのが、これから問われていくんだと思いますね。
鈴村:この提案ついて、麻生財務大臣がですね、否定的な見解を示しているんですけど、麻生さんの反応はいかがですか?
宇佐美さん:予算を審査する財務大臣がファーストリアクションで巨額の予算に関して否定的なことを言うというのはある意味、当たり前のことですし、あとは、予備費の活用という事で、こういう使い方をすると、“予備費が予算の隠れ蓑になる”という、そういう意味で批判もあがってくるので、やっぱり、原則としてはこういうリアクションを取るのは当たり前かなと思いますね。
鈴村:この『国民一律5万円の定額給付金』、景気の押し上げになるか?というところが注目ポイントなんですけど、これは効果あると思いますか?
宇佐美さん:前回、定額給付金というものを国民一人当たり10万円給付したんですけど、そのうち消費に回ったのがだいたい2~3割と言われているんですね。7割は貯蓄に回っているので、短期的な意味では、“経済政策としては意味がない”ということがだいたいわかってきたところなんですね。一方では、『Go To』は、経費としては1~2割で補助として8~9割使われるわけですけど、それに比例して民間の消費を喚起する、例えば、半分補助するんだったら半分ですし、Go Toの場合は1/4ですかね、なので、波及効果なんかを考えると予算額の4~5倍程度の経済効果は期待できるんですけど、給付金だと、せいぜい、配った額の5割程度になるかなって感じですね。なので、目的をどうするかが大事で、前回の時は、ちゃんと緊急事態宣言を有効にしましょうという意味合いがあったわけですけど、今回の場合は、デジタル庁の船出政策としてマイナンバーを普及させるとか、行政のデジタル化を進めるとか、そういうところと絡めてくるのではないかなと思いますね。
鈴村:う~ん、なるほどねぇ。第2次補正予算の予備費の残りは、およそ7兆3000億円。この予備費の残りはどのように使うべきだと思いますか?
宇佐美さん:やっぱり私は、新型コロナウイルス対策と新型コロナウイルスで不可逆的な影響を受けてしまった業種の救済に使ってほしいと思っていまして、新型コロナウイルス対策という意味ではオリンピックですよね。オリンピックでインバウンドを再開して、大量に海外からの観光客を迎えるなら、2週間とは言わずとも数日間隔離するということのが望ましいので、そのためのホテルを含めて施設とかはかなり抑える必要があるので体制整備も必要ですし、そういうところにお金を使ってほしいなというところと、あとはやっぱり、飲食、旅客、観光あたりは不可逆的な影響を受けているので、そういう人たちの廃業支援とか、失業保険の抜本的改革とか、場合によっては希望退職用の予算の支援も手厚くしないといけないと思うんですよね。行き場のない人たちというのは絶対になくさないといけないので、そういうところにお金を使ってほしいですよね。
鈴村:そうですね、国民一律5万円は、もちろんもらえたら嬉しいと思うのは、そうなんですけど、今の雰囲気だと、そうではなく、本当に大変な人たちを助けてあげたいと思う人の方が多いかもしれないですよね。
宇佐美さん:そうですよね、優先順位ですよね。
鈴村:そうだと思いますけどね。新型コロナウイルスで低迷する消費をてこ入れするために政府は先週火曜日、追加の経済対策を策定する方向で検討に入りましたよね、これは『Go To』の延長とかが考えられるんですけど、宇佐美さんはどのような経済対策を盛り込むべきだと思いますか?
宇佐美さん:さっき言った、飲食、旅客、観光以外に、部品とか機械産業も市況がかなり悪いんですよね。これは世界中の自動車産業が低迷している影響なんですけど、逆に、これを機に古い設備を更新するとか、あとは、中国に展開していた工場とかを国内に戻すとか、そういうところの設備投資の補助予算というのを積み増してほしいなと思っていまして、今でもだいたい3000億円規模の基金が積まれているんですけど、国によっては兆円単位の予算を確保している国もあるので、日本もそれくらいの対応をしてもいいのかなと思いますね。
鈴村:なるほどね。やっぱりこういう話を聞きますと、ピンポイントでお金をちゃんと使って、助ける人を助けるということをしていかないといけないと感じますね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 21, 2020
今朝は【国民一律5万円の定額給付金、景気を押し上げるか?】
以前、定額給付金が出たときに、何に使われたのかというデータがあるという事で消費に回ったのは2割~3割位残りは貯蓄に回ったという事で景気を押し上げる効果薄いのかなという事でした。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 21, 2020
どうやってお金を使っていけばいいのかというと
以前の自粛の時に全員に10万円という選択は正しかったのではと思います。ただ、今の状態においては、やっぱり経済対策という事を考えると全員に5万円ではないのではとお話を聞いて思いました。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 21, 2020
ピンポイントで誰か助けてあげなければならない。
そういう所にちゃんと無駄なくお金を投入するやり方が必要なのかなと思いました。そういった声を聴いて救ってあげる方法、そこに対しての経済的な対策が大事なのかなと感じています。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ④ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) October 21, 2020
Go to キャンペーンも利用者が凄く多いという事で経済効果も上がっていく部分もあるので、このような対策、他にもあるのかなと思いますから、
そういう風にお金を使ってくれること願います。