20.11.18
『7月~9月期のGDP』について
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!
今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんにピックアップしていただいた話題はこちら!
【7月~9月期のGDP】
エリザベス:内閣府が一昨日発表した、「今年7月~9月期のGDP(国内総生産)」の速報値は、物価変動の影響を除いた“実質”が、4月~6月期に比べて、+5%となりました。このペースが1年間続くと仮定した“年率換算”は+21.4%。1980年以降で最大の伸び率となりましたが、4月~6月期が戦後最大の落ち込みになったことの反動という見方がされています。
鈴村:宇佐美さんは、今年7月~9月期のGDPをどうご覧になりましたか?
宇佐美さん:前期比で+5%と大幅成長に見えるんですけど、前期が沈み込んだので、これを見てもあんまり意味がなくて、前年同期比でみると-4.8%ということになるんですよね。
鈴村:実は下がっているわけですよね。
宇佐美さん:ただ、去年のこの時期は消費増税の直前で、駆け込み需要が膨れ上がっていたので、-4.8%はちょっと言い過ぎかなと、言い過ぎというか、印象としては行きすぎかなと思うんですけど、良くも悪くもwithコロナのやり方の経済の限界が出た数値だと思いますね。
鈴村:新型コロナウイルスの感染が再拡大してるといわれているわけですけど、次の四半期、10月~12月期は経済の回復が鈍くなるんじゃないかと見られています。宇佐美さんはどう思いますか?
宇佐美さん:二重の意味で鈍くなると思いますね。まず、国内的には新型コロナウイルスの感染が広がる地域で旅行のキャンセルが相次いでいると報じられていますので、感染拡大の時期は余暇とエンタメ産業は、新型コロナウイルスと両立させるのは、なかなか難しいので、国内も消費が弱まるということと、国外でも感染爆発しているので輸出もかなり下がってくるのではないかなと思いますね。
鈴村:日本経済が感染拡大前の水準に戻るには、早くても再来年じゃないかと言われているんですけど、 2年ぐらいかかるわけですよね?こちらどうですか?
宇佐美さん:これも結局は新型コロナウイルス次第ですね。やっぱり、ワクチンにしろ、封じ込め作戦にしろ、どういう形でも、新型コロナウイルスを社会的に制御できるようにならないと、“経済の本格回復はない”というが、経済データ上、明らかになりつつありますね。
鈴村:“感染拡大を抑えつつ、経済の冷え込みも抑える”というのは、宇佐美さんも先ほどからも何度もおっしゃっていますけど、やっぱり、難しいと感じるところもあると思うんですけど、どうですか?これを実現するための手段はありそうですか?
宇佐美さん:なかなか難しいんですけど、感染拡大の抑え込みを完全にすると経済と両立可能になると思います。中国とか台湾は、封じ込めで常にゼロ近傍に新型コロナウイルスの感染者を抑え込むという政策をとっていて、そうすると、GDP成長率も高くてですね、中国は前年比+4.9%くらいまでに回復していて、世界中も中国の経済を見ていますよね。韓国もかなり厳しい政策をとっていまして、前年比-1.3%と健闘しています。これがOECD(経済協力開発機構)のトップ2ですね。なので、新型コロナウイルスを封じ込めて経済を回すということは技術的に不可能ではないんです。けど、日本だと制度だったり、人々の心がついてきていないというところなので、このままいくのか、それとも、強権措置を辞さないような封じ込めに切り替えるのかということを、どこかで政治的に決断が求められると思いますね。
鈴村:なるほど。あくまでもですけど、数字的に見ると封じ込めたところが伸びたという事実があるわけですもんね。
宇佐美さん:そうなんですよね。
鈴村:では、7月~9月期のGDPを踏まえ、今年度の第3次補正予算案にはどのような経済対策を盛り込むべきだと思われますか?
宇佐美さん:やることはたくさんありますね。後ろ向きな政策が多いんですけど、雇用調整助成金の拡充で雇用を維持する。不況産業で業界再編、集約化というのをしていかなければいけないので、そのための予算。あと、設備投資、人材投資を今、抑え込んでいるので、これだとこの後、5年後、10年後に経済が弱まるので、そこに対する補助金も必要ですし、あとは、やっぱり、教育格差が生れないようにタブレット端末とかPCを配布する、オンライン環境を整えるということも必要なので、やることはたくさんありますよね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ① #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 18, 2020
今朝は【7月~9月期のGDP】について
4月~6月期と比べると7月~9月期のGDPは+5%
年率換算は+21.4%ということになるんですけど、ぱっと見ると伸びたなという感じがしますが…実際のところ前年同期比を見ると-4.8%ということでした
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 18, 2020
良かった頃と比べると下がっているという結果でした
。GDPを回復させるのに、一番の懸念は再拡大しているコロナウイルスという所かもしれませんが、数字だけで見ると、中国、台湾がやったように"封じ込め"がうまくいってGDPが回復したケースがあります
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 18, 2020
日本も封じ込めという考え方をしないと本格的なGDPの回復が見込めないということでした。ここでもう一度封じ込めという策に出るは難しい上、今何とかwithコロナの感覚を掴めてきた所で、ここでもう一度封じ込めに入ると感情的にもしんどいと思います。
"リポビタンD TREND NET” #スズコメ ④ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 18, 2020
暫くは辛い戦いが続いていくだろうなと改めて分かったというところですが、僕らにもできることをやるしかないと思いますので、経済活動できる人はやっていて、僕もできる範囲の経済活動やっていきたいと思います。