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21.07.28

観光業界、去年以上に冷え込む夏

nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんが取り上げるのはこちら!


『観光業界、去年以上に冷え込む夏』


吉田:4回目の緊急事態宣言が書き入れ時の夏休みシーズンを直撃し、疲弊した観光業界に追い打ちをかけています。また、去年は、政府の観光需要喚起策『GoTo トラベル』がありましたが、今年はなく、全国一斉停止のまま。観光業界にとって、去年以上に厳しい夏となっています。
観光業界の現状、神庭さんはどのようにご覧になっていますか?


神庭さん:非常に過酷な状況ですよね。少し大きな話になりますが、国連の推計によると、世界の観光業の損失は、昨年と今年の2年間を合わせて450兆円を超えるというんですね。これはもう、途方もない金額で、当然、日本を訪れる観光客も激減しています。しかも、コロナ前の水準に回復するのは、早くても、2023年、再来年以降になるとみられているんですよね。海外旅行に関しても非常に大変な状況なんですけど、国内も同様でですね、JTBがまとめた7月20日〜8月31日までの夏休みの旅行動向の推計というのがあるんですけれども、これによると、国内の旅行者数はコロナ前の2019年比で44.8%減の4000万人。去年と比べると5.3%増える見通しということではあるんですけど、ほぼ焼石に水という状況なんですよね。しかもですね、ここにきて、昨日の東京都の新型コロナ感染者数が2800人を超えて過去最多と…。第5波が本格化していまして、全国的に感染者数が増加傾向にあります。東京・沖縄以外でもですね、埼玉、千葉、神奈川などでも緊急事態宣言発令に向けた動きがでていますから、そうなると、観光業界はますます逆風になっちゃうなというふうに思いますね。


吉田:観光業界の経済的なダメージは相当、深刻ですよね?


神庭さん:おっしゃる通りで、帝国データバンクによるとですね、今年1月〜6月に『休廃業・解散したホテル・旅館』は104件。6月時点で100件を超えてしまったというのは、過去5年で初めてのことだそうです。


ユージ:1月から6月の間ですもんね…。


神庭さん:そう、まだ半分なんですけれども、それじゃ、200件に達しちゃうのか?ということですよね…。『旅行代理店の休廃業・解散』も50件。これは前年同期の2倍になっています。これも、やっぱり、過去最悪のペースだということなんですよね。去年は『GoTO トラベル』があったので、おかげで7月から12月までの間にですね、8781万人泊。これはすごい数字ですよね。その利用があって、支援額は5399億円にもなったんですね。ただ、今のこの状況では、「GoTo再開しようぜ!」という状況ではないですよね。
県をまたがない移動を補助する『県民割』というのを導入している県もあります。が、GoToほどの爆発力はありませんので、観光業は昨年に比べると、総じて非常に厳しい状況にあるなと…。一方で、ごく一部なんですけれども、軽井沢とか箱根とか、都心近郊の高級リゾートホテルには予約が好調なところもあると。だから、ずっと、K字型回復といわれていますけど、不調の宿泊業界の中でも、K字型があって明暗が分かれてしまっているなというふうに思います。


ユージ:『GoTo トラベル』が、支援方法としては一番有効であるということはわかりましたね。ただ、感染を抑えるという意味では、あまりよろしくないということで、今は使えない。となると、観光業界に対して政府が何か補償をするのは難しいんですか?


神庭さん:これはねぇ…、本当に困っているし、大変な状況だというのは誰の目にも明らかなんですけれども、一般論として、補償というのは休業要請とのワンセットなんですよね。中にはホテルとかでも、開けていても儲からないからということで、自主的に営業をやめているホテルはたくさんありますけれども、行政が営業停止とか時短を求めているわけではないので、そこに補償できるかというとなかなか難しい面があるんですよね。
産経新聞の取材に対して観光庁の幹部はこういうふうに言っています、「打撃を受けている業界は他にもあり、観光業界を認めればそちらも認めなくてはならなくなる。状況が厳しいのは重々承知しているが、歯を食いしばってほしい」と。


ユージ:歯を食いしばってほしい???


神庭さん:(苦笑)もうね、観光業界の人からしたら、食いしばりすぎて、歯も全部抜け落ちてるくらいきつい状況だと思うんですよね…。


ユージ:何の支援にもならないですね、この言葉は…。


神庭さん:要は、「我慢しろ!」と言っているだけなので、きついですよね。オリンピックの観戦ツアーとかであれば、これ言ってみれば、政府側というか、組織側の都合でギリギリまで無観客が決まらずにドタキャンになっちゃったわけなので、組織委が補償できるかわからないですけど、損害を被ったホテルとか旅行会社がたくさんありますから、そうした企業には何らかの救済措置はあってもいいんじゃないかなと思いますけどね。


ユージ:そうですよね、確かにそうですよね!観光業界に対して、今、どのような支援が必要だと思いますか?


神庭さん:今の感染状況で『GoTo トラベル』の再開は難しいんですね。ただ今後、“ワクチン接種が進んで感染が収束していったら”という条件付きではあるんですけれども、ワクチン接種した人に限定してGoToを再開するといった選択肢は出てくるんじゃないかなというふうには思います。


ユージ:なるほど!


神庭さん:ただし、これは、やっぱり、ある程度の人が“ワクチンをちゃんと打ち終えています”ということが前提だと思うんですよね。何故かというと、今、“打ちたくても打てない人”がたくさんいるわけじゃないですか?まだ、自分の順番が来てないということで。この状況でやっちゃうと、「なんで、俺が打てないのに!!」って反発と分断を招いてしまいますし、あと、元々、アレルギーとか体質の問題で打てない方もいらっしゃるので、そういった方の差別にならないように、そういう方には事前の検査で代用しましょうといった、代替措置を用意してあげる必要もあると思います。ワクチン以外でいうと、前にも言ったように例えば『GoTo ひとり旅』であるとか、もしくは、『GoTo 家族旅行』のような形で、感染リスクの低い旅行形態に絞って補助するとか、そういった方法も考えられるのかなというふうに思いますね。



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