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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.07.14

第7波到来、行動制限は必要なし

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『第7波到来、行動制限は必要なし』



吉田:政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は11日、「新たな感染の波が来たことは間違いない」として、第7波に入ったという認識を示しました。基本的な感染対策の徹底を踏まえたうえで、『まん延防止等重点措置』などの“行動制限”については必要ないとしています。


ユージ:塚越さん、現在の感染状況は、どうなっているんでしょうか?


塚越さん:一昨日の火曜日は、各地で一日としては過去最多となる感染確認が相次いで、全国の感染者数は7万人を超えてますね。これは今年3月3日以来のこととなっています。東京でも3月以来の1万人をずっと超えていて、昨日水曜も1万6千人台ということで、かなり多くいらっしゃるということですね。小池知事は、ワクチンの3回目、高齢者の方は4回目の接種を推奨するとともに、熱中症対策での冷房を使用している時にも、換気などを行ってほしいと言っています。また、大阪でも、先週比で感染者が倍増する日も多くて、感染状況を伝える大阪独自の基準『大阪モデル』では、警戒を示す『黄色』に引き上げています。自宅療養と入院調整中の人が増えているということで、医師の往来依頼などが増えて、対応に追われているという感じですね。


ユージ:そんな中、もうすぐ夏休みが始まるわけですけど、政府が7月前半にスタートさせると言っていた、“旅行割引”というのがあったと思うんですけど、これは、どうなっているんでしょうか?


塚越さん:こちらはですね、政府が現在の感染状況をみて、「落ち着くまでは…」ということで、開始を見送る方針を固めています。一方で、7月14日に終了予定だった『県民割』は、専門家会議の分析も踏まえて、期間を8月まで延長予定だということに見通しとしてなっているということですね。またですね、感染者がどんどん増加していて、私の周りでも、大学などで学生さんとかいろいろ話を聞くんですね、民間のイベント、スポーツとかコンサートとか、関係者が新型コロナに感染ということで、急に中止になったり、直前で延期が…ということが結構あったりします。なので、イベントなどに参加予定の方は、公式のツイッターとか、いろいろ情報を直前までチェックした方がいいと言えますね。


ユージ:政府の発表では、「まん延防止等重点措置などの新たな行動制限は必要ない」ということなんですけども、医療現場はどう捉えているのでしょうか?感染症の専門医で『グローバルヘルスケアクリニック』院長の水野泰孝さんにコメントを頂いています。


吉田:水野院長によりますと、「行動制限は必要ないとは言っても、何をしてもいいのではなく、個人個人が節度ある行動、基本的な感染対策を遵守していただきたい、という政府の意図がある。最も重要なのは、新規感染者数ではなく、医療提供体制の維持。外来診療の裾野をより広げることで医療提供体制は維持でき、リスクのある人たちを早く見つけ出して、治療薬の処方などでリスクを軽減させながら、医療機関での健康観察を徹底することで、病床使用率の上昇を最小限に抑えることができると考える」とのことでした。また水野院長は、「その分、我々の負担は増大しますが…」ともおっしゃっていました。


ユージ:確かにそうですよね、外来診療の裾野が広がるとね、受診できるところが増えますけれども、その分、お医者さんの負担は増えると…。塚越さん、日本も『ウィズコロナ』の転換期に入ったと言えそうですか?


塚越さん:そうですね、例えば、コロナが始まってずっと厳しいロックダウンなどで『ゼロコロナ』を打ち出してきたニュージーランドは、昨年10月にアーダーン首相が“ゼロコロナ政策の断念”を発表して、ウィズコロナ政策に転換しているんですね。お隣、韓国でも、5月から屋外のマスク着用義務を解除して、感染者を前提としたウィズコロナに転換しているということで、例外的に中国はですね、かなり厳しいゼロコロナ政策になっていますけれども、中国を別にすると、ウィズコロナは世界的には“主流”になっていますし、実際に海外に行ったりするのも、今はハードルがかなり下がっていると思います。他方で、今流行している『オミクロン株 亜種BA.5』は、感染力が従来より高く、重症化率については、これまでと変わらないとも見られていますが、一方で、これまで国内で流行っていたBA.2は喉でウイルスが増えるんですけれども、BA.5は肺でウイルスが増えるのではないか?という研究もあってですね、重症化率が変化しないとも言い切れないというところはありますね。ただですね、あとは、ワクチンの免疫効果も日数が経過することで下がってはいるので、「注意しなくていい」というわけではないので、専門家の方がおっしゃったようにですね、これまで通りの対策に気遣いながら、我々も考えながら対策するということですね。また、これまでの経験を活かしてですね、外来診療などで対応できるところはしてほしいなと思いますよね。


ユージ:コロナから2年が経過して、いろいろ状況は変わってますけども、向き合い方というのは、それぞれに考えていきたいですよね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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