22.11.14
気になる第8波と政府の新方針
ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【気になる第8波と政府の新方針】
ユージ：今月中に第7波のピークを超えるとの見方もある第8波と、政府が新たに打ち出している対策、方針について神庭さんに解説してもらいます。
吉田：昨日、全国の新規感染者は、6万8410人。全国で新型コロナの感染者数が増加してきていますよね…。
神庭さん：9日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。すでに第8波に入っている可能性もあると思います。特徴としては、大都市よりも、これまで比較的感染が抑えられてきたような地方都市で感染が急増しています。特に北海道は最悪レベルの感染状況が続いていて、11月9日に感染者数が9500人を超えるなど、夏のピークを上回る状況が続いているんです。ただし、流行しているのがこれまでと同じBA.5で、変異型というわけでもないので、第8波ではなく第7波の再燃だと指摘する専門家もいます。
吉田：そういった感染者の急増、第8波に備えて、政府は先週、新たな方針を打ち出しています。
神庭さん：1つ目は、コロナワクチンの全額国費負担を廃止するように財務省が提案しました。国民はこれまで負担なしで打てていたわけですが、財務省の要求が通れば実費負担を求められる可能性があります。これから冬に向けて感染爆発が懸念され、しかも4回目のワクチン接種率はまだ35％ほどと十分とは言えないなかで、有料化を打ち出すのは「じゃあ打たなくていいや」というマイナスのメッセージになりかねないかなと思います。
ユージ：実際問題、コロナワクチンにどれくらいお金がかかっているんでしょうか？
神庭さん：昨年度は2兆3396億円の国費が支出されています。単価でみても、インフルワクチンの約5千円に対して、コロナワクチンは1万円ほどかかるということです。決して小さな額ではありませんから、きちんとチェックすることはもちろん大事だと思います。一方で、厚労省による公衆衛生上の判断ではなく、財務省がもっぱら財源、おカネの心配からケチケチ路線に走ろうとしている点は少し疑問を感じます。大きな方向性として、ゆくゆくはコロナもインフルなどと同じ「普通の病気」として扱うというのは悪くないし、当然だと思います。ただ、問題は今、第8波が来そうな段階で言うべきことなのか？ということで、しかも財務省は全額負担廃止の理由として、オミクロンの重症化率が低かったことを挙げていますが、これは少し変です。多くの人たちがワクチンを接種したからこそ、重症化予防効果が上がった側面もあるはずです。ワクチンが効いたことを、ワクチン有料化の理由にするのは少し倒錯しているかなと思いました。
吉田：第8波に備えて、政府は行動制限についても新しい方針を出していますよね。
神庭さん：これまで5段階あった感染状況のレベルを4段階に改めました。第7波と同程度の場合はレベル3の「医療負荷増大期」にあたります。病床使用率が5割を超え、重症化リスクの高い人がすぐに受診できない状態です。こういう場合は都道府県が「対策強化宣言」を出し、大人数の会食や大規模イベントへの参加を見合わせるように呼びかけます。さらに悪化して、病床使用率が8割を超えるような事態になると、レベル4の「医療機能不全期」になります。入院できずに自宅療養中に死亡する者が多数発生して、通常医療を大きく制限せざるを得ない状態です。欠勤者が続出して、社会インフラが維持できなくなるような事態が想定されています。ここまでくると、都道府県は「医療非常事態宣言」を出し、出勤の抑制や、帰省・旅行の自粛、イベントの延期などを求めることができるということなんです。
ユージ：かなり強い措置ですよね。
神庭さん：ただし、レベル4まで行ったとしても飲食店への時短・営業自粛は求めない、また、原則として学校の授業は継続するということで、基本はお願いベースで、強制力があるわけでないんですね。
ユージ：行動制限すべきだと思いますか？
神庭さん：個人としては行動制限、私権制限というのものは極力、避けるべきだと思います。それでも国民の私権を制限するのであれば、「お願い」と「自粛」の合わせ技というふわっとした形ではなく、しっかりした法的根拠に基づいて「指示」なり「命令」なり出すのが筋かなと思います。一方で水際対策、全国旅行支援みたいなものをガンガンやりながら、もう一方で行動制限をチラつかせるというのは少し矛盾していますよね。緩和なのか制限なのか、岸田さんは整合性のとれたメッセージを出してほしいと思います。僕自身はワクチン接種率を上げて、マスクもしたうえでなるべく行動制限はかけない、という形が望ましいのではないかと思っていますが、このタイミングでワクチン有料化を言い出している時点で、あまりそういう路線は期待できないかもしれません。先月の放送で、第1067波とかになる頃までこの大騒ぎを続けるのかという話をしました。「命か経済か」という二項対立自体がナンセンスで、経済もまた命なんです。経済が停滞して不況になれば、自殺に追い込まれる人が大勢出てくることを忘れてはいけないかなと思います。最後は日本社会として、どういう死生観を選び取るのか？どこで腹を括るのか？というところにかかってくるのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ��
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2022
テーマ「気になる第８波と政府の新方針」について
現在、新規感染者が増加して、流行している新型コロナは
これまでと同じBA.5で変異型というわけでもないそうです。
そのため、今の状況は第8波ではなく、
第7波の再燃・延長だと捉える専門家もいます。#ワンモ
#ユジコメ��
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2022
変異による波が終わりつつあるのかと少し期待してしまいますが、
今の感染状況をみると、まだ期待はできません。
また、水際緩和や全国旅行支援をする一方で、
それと同時に新たな行動制限をするとなれば、
政府が打ち出す新方針には矛盾を感じます。#ワンモ
#ユジコメ��
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 14, 2022
そういった新方針を考えると、
僕、個人的には行動制限はもう緩和していく方向で
いいのではないかと思っています。
それでも、やはり感染しないために必要な1人1人の意識というのは、
これからも変わらずに持っていきたいと感じました。#ワンモ
