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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.10.18

人間の知能を超える汎用、人工知能『AGI』 生活はどう変わるのか？

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら！


【人間の知能を超える汎用、人工知能『AGI』 生活はどう変わるのか？】

吉田：ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は今月4日、AI（人工知能）が人間の知能を超える、汎用人工知能「AGI」の世界が「10年以内に実現する」と話しました。塚越さん、「AGI」を初めて聞きましたが、これはどのようなAIなのでしょうか？


塚越さん：「AGI」は、人工汎用知能(Artificial General Intelligence)の略で、厳密な定義はありませんが、人間のような汎用的な知能をもつ人工知能のことです。人間は複雑なことができるのですが、「AGI」も人間同様あるいはそれ以上の知識や能力で独自の問題解決ができる能力があるものといえます。


吉田：この「AGI」従来のAIとは何が違うのですか？


塚越さん：従来の人工知能は、基本的に画像認識や音声認識だったりと、特定のタスクしかできない「機能特化型」と言われています。専門的には「弱いAI」と言われているのですが、この「AGI」は「汎用的な知能」を持つことで、複数のタスクができるもので、「強いAI」と呼ばれます。将来的に強いAIである「AGI」が普及していくと、データ処理や分析が早くなり市場予測や競争分析を行って、AIが新しいビジネスモデルを提案したりと、私たちの意思決定をより高度にサポートするようになります。指示されなくても、自分で学習して判断してくれるので、人間に積極的に提案することもできるかもしれません。さらに、人間の感情を理解する「AGI」も出るかもしれません。今でもありますが、人間の感情は複雑奇妙で笑っているけど心は複雑など、理解することが非常に難しいです。そこで、人間の感情を理解するだけでなく、人間の想定外の反応に対してもきちんと受け答えできれば、介護や福祉の場で高齢の方に色々なお話しをして、お世話できるAIは飛躍的に重視されることになると思います。


ユージ：この「AGI」について、塚越さんはどのようにご覧になりましたか？


塚越さん：現在のAIも、すでに進化しているので「AGI」(汎用性)に近づきつつあると言われています。その典型がChatGPTですね。あれすごいですよね。9月末にChatGPTに画像認識や音声認識、発話機能が搭載されるという発表がありました。例えば、冷蔵庫の写真とレシピを考えてという文章を見せれば、ChatGPTが冷蔵庫のものでつくれる献立を教えてくれます。さらに有料で音声でも指示したり、音声で答えを返してもくれるので、目と耳と口、見て、聞いて、話す機能がついたことになります。生成AIは考えたり計画するといった複雑な内容を行ってくれるもので、「AGI」に近づきつつあるAIであり、こうしたAIの延長線上に「AGI」があるということです。またAIが人間を超えるという話題は、10年ほど前から人工知能ブームの中で日本でも議論されるようになりました。当時は、AIが人間を超える特異点(シンギュラリティー)がくるのは2045年と考えられていたのですが、昨今は2035年や2030年など、どんどん早まっています。もちろん、半導体やIT関連企業が業績アップのために、こうしたことを宣伝しているだけとも言えますが、この分野が注目されるのは間違いありません。もっと先の将来として考えられることは、動くロボット「ペッパーくん」に高度なAIを組み込むと、さらにすごいことになるのではないかと考えられます。Hondaの人型ロボット「ASHIMO」が歩いたのは2000年頃だったのですが、現在さらに進化して色々歩けるようになっています。こういった体を持つAIが「風を感じる」といった今のところ人間にしかできない様々な動きや五感が搭載すると、実践的な介護の現場で活躍してくれます。様々な倫理的な問題もあるのですが、こういった研究が進んでいるので将来的に「AGI」とロボットを組み合わさると、私たちの生活がガラッと変わります。SF的な世界観だと思います。ユージさんはどのように感じましたか？


ユージ：人間の感情をこの先読み取れるようになってきたとしたら、例えば人間が今何を考えているのか、嬉しいのか悲しいのかなど。長年連れ添ったパートナーなら、表情を見ただけで嫌なことあったのかな？と分かるように、「AGI」が分かってくるともしかしたら犯罪抑止に今後使えたりするのかなと思いました。例えば、人間の行動を把握して、これからこの人が物を盗むなど。そういうことができるのであれば、僕は嬉しいですけど家には来てほしくない！(笑)


塚越さん：調子悪いときなど人間の行動を把握して「1時間早く寝た方がいいですよ」とお知らせしてくれるなど、ある種、秘書として考えてくれればいいのかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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