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23.11.23

『雇用保険の加入要件の緩和』について

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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【『雇用保険の加入要件の緩和』について】

吉田:政府が雇用保険の加入要件である、週の労働時間を現行の「20時間以上」から「10時間以上」に緩和する方向で検討していることが分かりました。2024年の通常国会で関連法案を提出し、28年度にも実施。厚生労働省が年内に開く労働政策審議会の部会で案を示す見通しで、政府の「次元の異なる少子化対策」の一環となりそうです。そこで今朝は、「雇用保険の加入要件の緩和」について塚越さんに解説いただきます。


ユージ:塚越さん、まず雇用保険について教えてください。


塚越さん:まず、政府が運営する公的保険で、労働者の生活保障と雇用安定を図る目的があります。代表的なものの1つが失業等給付で、失業者が新しい職を探す間の生活費として、基本手当で離職前の賃金の45〜80%を給付するもので、賃金が低い人ほど給付の割合が高くなるとのことです。財源は主に労働者と企業が負担する保険料、そして国庫からの拠出です。雇用保険には他にも、0〜2歳の子どもを育てるための「育児休業中」に賃金を補償する育休給付と、解雇せず雇用を維持した企業に対する「雇用調整助成金」などがあります。また、失業給付のなかでも、再就職手当や高齢者の就業を支援する「高年齢雇用継続給付」といった、失業時の収入補填以外の要素もあります。


吉田:雇用保険の加入要件の緩和、政府の狙いは何でしょうか?


塚越さん:雇用保険加入要件は現在、週20時間以上働くことと、31日以上つまり1ヶ月以上の雇用見込みがある人が対象になります。今回は、その労働時間を10時間以上に緩和するものです。これによって、アルバイトやパート従業員も支援措置を受給できるようになり、共働き世代や短時間労働者など、新たにおよそ500万人が加入する見込み。現在の雇用保険加入者はおよそ4,500万人なので、そこに500万人、つまり1割以上増える計算になります。


ユージ:気になるところが、雇用保険の財源はどうしていくのでしょうか?


塚越さん:先ほども述べたように、財源は労働者と企業が負担する保険料と、国費です。現在の比率は企業側が賃金の0.95%で、労働者が0.6%です。費用の一部が国費負担でして、失業というのは国の経済対策だったり雇用政策と関連が深いため、政府も責任を担うべきだということで3つの考えになります。失業等給付は不況に備えた積立金があり、2015年度には過去最高の6兆4,260億円まで積み上がっていました。しかしコロナの感染拡大によって、雇用調整金として巨額の支給が必要となり財源が不足しています。そこで、失業等給付の積立金から累計3兆円以上を貸し出したため、2022年度には見込額で積立金は8,540億円まで減っているとのことです。また財源不足のため、厚生労働省は去年の4月と10月、そして今年4月にも保険料率を引き上げている状態です。すでに育休関連の給付が増えており、本来の失業向けの比率が低下する恐れもあります。


ユージ:今回の雇用保険の加入要件の緩和、塚越さんはどうみますか?


塚越さん:500万人増えるということなので、財源も増えることになり、雇用保険を必要とする人の範囲を広げることにもなります。同時に保険料を払う労働者や企業も負担が増えるという意見もあります。例えば朝日新聞は、岸田政権の目玉政策の財源に「雇用保険料」を充てるケースが目立っており、財源の使い方が合っていないという指摘をしています。例えば、年収が一定額を超えると社会保険料が発生する、いわゆる「年収の壁」対策の財源にも雇用保険が想定されています。日経新聞も専門家のコメントとして、給付対象の拡大は雇用保険の原理から外れている、と指摘されています。インターネットでも、週10時間程度の労働で雇用保険料が取られるとなると手取りが減るわけで、もっとやり方がないのか、という意見もあります。負担が増えるということは、形を変えた増税になると指摘をしている方もいます。僕は、一部合っていると思います。この政策は本当に人を助けるために行っているのか疑問に思います。


ユージ:これ難しいですよね。それこそ、500万人緩和によって増えれば財源が増えますよね。一方で、給付対象の人も増えるので結局、財源が増えると貰う方も増えるからそこはバランス取らないと実際増えたとは言いづらいです。


塚越さん:その短い時間でも保険料を払うということが、どれだけ働く人のメリットとなるかは考えないといけませんね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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