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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

20.01.28

感染が拡大する新型肺炎を巡ってデマも拡散

null今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!

今日、お話を伺うのは、BuzzFeed Japanオリジナル編集長の伊藤大地さんです。
伊藤さんに取り上げていただく話題はこちら!


『中国を中心に感染が拡大する新型肺炎を巡ってデマも拡散』

鈴村:中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、『春節』に合わせて、中国人観光客がたくさん日本を訪れていることに不安が広がっていますが、デマも拡散しているようですね?


伊藤さん:そうなんです。中国版のTwitter『微博(weibo)』で「中国から関西空港へ入国した武漢の観光客から咳と熱を検知して病院に運ばれた。だけど、検査前に逃げた。理由はUSJと京都に行きたいから」というツイートのようなものがものすごく拡散していると。でもこれは、僕らが調べたところ、デマでしたと。空港に直接、「本当に逃げ出し方いるんですか?そういった方いるんですか?」と確認したところ、「そういう事実はありません」と、というお話なんですよね。


鈴村:すごいな、このデマは…。これまた拡散するんですよね。このデマを出した情報元はわかっているんですか?


伊藤さん:もともとは、中国の中国の方が中国語でやっているのかなと思うんですよね。ところが、それが日本語に訳されたものが、日本のTwitterに広まるという。このツイート自体が伝染病のように伝染しているところが、すごく危ない事なのかと思いますね。さらに、これを拡散しているとニュースにして取り上げるブログのようなものもあったりして、それが、さらに不安を煽るというようなことが起きています。


鈴村:今、こういうことがどんどん広がっていきますよね。震災や災害の時にね、ライオンが逃げだしたみたいなことがでたりするじゃないですか。ああいうのが広がっちゃうというのは、本当にに嫌ですね。広がっちゃうと止められないじゃないですか?


伊藤さん:そうですね。いくら悪いことと言っても、結局、機械で止められるわけではないんですよね。


鈴村:ないですよね。


伊藤さん:画像を観た人が広めたりとか、人の気持ちを利用しているので、人間ってそんなに簡単に変わらないじゃないですか。人間の心をハックする仕組みを嘘をつく人は知りぬいているんで、なので、僕らができることが何かというと、災害であるとか病気が広まる時とかに、“こういう時ってデマも広がるよね!?”ってまず最初に思っておく事がすごく大事なのかなと思いますね。


鈴村:まずひとつね、上手な心持ちでですけど、“疑う”ということ。疑心暗鬼になるのではなく、こういう事も起こるかもしれないという危機管理というかね。そういった形での予測をしながら、SNSだったりで流れてくる情報に向き合わなければならないのかなと思いますね。


伊藤さん:あともうひとつ、僕が事前にオススメしておきたいのは、何かが起こってからTwitterを見る、インターネットを見るというのは、僕らもものすごく騙されるんですよ。毎日見ているプロの僕らでも、「えっ!これ本当!?」って調べていくと、“実は、嘘だった”と。嘘をつくのは1秒でできても、嘘を確かめるのって、1時間でも2時間、3時間とかかるわけですよね。そうすると、インターネットの中に嘘が増えていく、それを正していくのって難しいんですよね。


鈴村:う〜ん、そうですよね。


伊藤さん:じゃあ、どうすればいいのかというと、そういうことが起きる前に、何かあったときに見るところを決めておくことなんですよ。例えば、テレビやラジオだったらこの局だとか、普段信頼しているジャーナリストの方がいるんだったら、その方をフォローしておくとか、Twitterのリスト機能とかを使って、何か起こる前にそういうものを作っておくっていうのがものすごく大事なのかなと思いますね。


鈴村:そうかそうか。今後ね、出てきて欲しいなと思うのが、ちゃんとその情報が正しいのかどうかを判定する場所なんですよ。そういう場所にあたるのが、信頼するジャーナリストさんであったりとか、放送局だったりとかってことですよね。これをもっとシステム化すれば良いのにななんて思いますよね。ファクトチェックというかね。


伊藤さん:ファクトチェック自体は、放送全体が課題として取り組んでいるんですよね。これは何故かというと、2016年の大統領選の時に事実に基づかない記事がインターネットにいっぱい出て、それが選挙結果を決めたと言われているわけですよね。なので、同じことが起こらないようにってことで反省としてあるんですが、でも、やはり、嘘をつくよりも検証する方が大変なので、まだそこがなかなか追いつかないっていうのは、変わっていかないんじゃないでしょうか。


鈴村:う〜ん、そうですよね。ファクトチェックって、いつも来てくださっている古田さんの時によく出るんですけど、日本でのファクトチェックって、今後、進んでいくもんなんですかね?


伊藤さん:簡単ではないので、もう、報道機関が一斉にコラボレーションしていくと。それがひとつと。あとは、フェイクニュースという言葉が政治的になってしまって、自分の気に入らないことを言ってる人を、あいつフェイクニュースだ!というようになってしまったんで、ちゃんと言葉を正しく使うっていうのも大事なんじゃないかなと思っています。


鈴村:本当に今のままだと全てが疑わしく見える。その判定って、やっぱり、一般の感覚では難しいじゃないですか。ザベスさんだって大変でしょ?こういうニュースがきて、どうチェックするかって。


エリザベス:そうですよねぇ。う〜ん…、パッとこの「USJと京都に行きたくて…」っていうのを見たら、信じちゃって、行くのやめようかなって思いかねないですけど。


鈴村:これが本当かどうかわからないから、“じゃあ、行かない。”が良いってなっちゃう可能性がありますもんね。


エリザベス:そうそう!でも、自分で怪しいかなと思ったら、自分でも調べてみるっていうのも大事なことですよね。


伊藤さん:そうですね。


鈴村:そういうことですよね。


そして、今日の #スズコメ はこちら。











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