Tokyo Wasabi

東京都は水わさびの生産量で
実は全国3位だった!!
東京の中心から電車で約2時間。東京都の西部に奥多摩と呼ばれる自然豊かな場所があります。
東京で唯一の鍾乳洞、日原鍾乳洞や温泉、奥多摩湖などのみどころも多く、東京都心から日帰りでアウトドアやバーベキューなども楽しめることから人気があります。
実は、奥多摩は江戸時代から生産されるわさびでも有名です。その地に移住し、わさび界に旋風を巻き起こしている「Tokyo Wasabi」についてご紹介します。
代表である角井竜也さんが答えてくれました。

「Tokyo Wasabiは2020年の3月から本格的にスタートしました。仕事としては普段は農家と一緒ですね。わさびを育て、石垣の手入れもしています。ほかにわさびの啓蒙活動として、わさびの収穫体験、キッチンカーでのわさび食堂、バーベキュースペースの貸出なども行っています」
わさびの収穫体験とはどのようなものでしょうか?
「1日1組限定で受けているんです。駅に集合し、わさび田に行くまでにわさびの歴史や栽培方法などを説明しています。現地では、わさびを収穫し、試食もできます」
キッチンカーについても詳しく説明してもらいました。

「コロナの影響でなかなか車も出せなかったのですが、10月には3回出店できました。不定期なのでホームページなどで出店日をチェックしてください。ほかほかごはんに、かつお節とすりたてのわさびを載せたわさび丼を700円(税込)で提供しています。わさびは揮発性の辛味なんです。だから擦ってすぐに食べてもらうと、奥多摩のわさびの美味しさがわかってもらえると思います」
そもそも、角井さんは、なぜ奥多摩のわさびにひかれたのでしょう。
「兄が奥多摩のわさび農家と知り合いになり、実際にわさびを作ってみようとなりました。奥多摩は2019年の台風被害がありまして、わさび田の石垣もくずれてしまったんです。それを積むところから始めています。

わさびは農作物の中では難しい部類に入ります。というのも水ワサビはきれいな水が絶えず流れる場所で作られます。さらに水温が常に13℃前後でなければいけないのです。そして成長に1年から2年かかります。その間に天災や人災があれば、お金にもならないのでリスクが高いのです。ほかの作物、例えば、大根なら2カ月で収穫できるので換金しやすいですね。
現在、奥多摩でわさび農家は100件ほど、そのうち組合に入っているのは50人ほどでしょうか。ほとんどが兼業農家で、平均年齢も上がってきているので若い力で奥多摩わさびをブランド化したいと考えています」
わさび農家はそれほど儲からず、人手不足、後継者不足が続いているといいます。奥多摩わさびのアピールポイントも教えてもらいました。
「奥多摩のわさび田には、重機が入れないので造成からすべてを手作業でやっています。ほかの効率化できている産地と違い本当に自然が豊かなんです。だから、わさびも自然で育った強いものになります。形は悪いかもしれないし、鹿に踏まれて色が黒くなることもあります。でも、奥多摩わさびは一番おいしいです」

最後に奥多摩に移住した角井さんの感想をお届けします。
「東京都心から2時間とは思えないほどの大自然があります。デイキャンプもバーベキューもやり放題です。ビル街では味わえない空間、雰囲気の奥多摩に遊びに来てください。最高のわさびを持ち帰れるようにお待ちしています」