「日本一のおんせん県おおいた」のキャッチフレーズで、源泉数・湧出量共に、日本一を誇る大分県。特に、別府湾に面する「別府温泉」と、県中央部に位置する「由布院温泉」は全国からたくさんの温泉ファンがやってくる名湯です。別府温泉では、地中からブクブクと湧き出ている７つの源泉を間近で見学できる「別府地獄めぐり」が有名。また、隣接した大分市の佐賀関漁港では、豊予海峡の潮流にもまれて身が引き締まり美味とされるブランド高級魚の「関さば」や「関あじ」が水揚げされていて、他にも「かぼす」や「どんこ椎茸」などを名産とするグルメ県としても知られています。

今回、大分県の名湯、由布院にあるお店をイチオシスポットとして紹介してくださったのは、“Air-Radio FM88”の愛称で知られる「ＦＭ大分」のパーソナリティー、舞さんです。毎週月曜日の11:30 からの生放送番組「Clover Radio Terrace」を担当。また、地元、大分県で湯布院を拠点に活動している「劇団立見席」の所属女優でもあり、今年は「由布市キャンペーンレディ」として PR活動もされています。

草庵秋桜四季工房　The Four Seasons Selection

別府温泉に続き、源泉数・湧出量、全国２位の由布院温泉は、標高1,584mの由布岳の麓にあり、歓楽街とはかけ離れた、落ち着いてのんびりと過ごせる温泉地として女性を中心に大人気。200軒ほどある宿泊施設に年間、海外からも含め、400万人の観光客が訪れます。駅構内には足湯があり、山並みを長めながら足湯を楽しんだりもできます。

由布院駅から数分も歩くと、50軒以上の土産物屋やご当地グルメが楽しめる、温泉でいちばんのメイン通り「湯の坪街道」があり、少し先に、舞さんがおすすめの、手造りピクルスの専門店「草庵秋桜四季工房　The Four Seasons Selection」があります。

「四季折々の地元で採れた野菜や果物を使ったピクルスがおすすめです。 店内入り口から入って左側の壁に黒板があり、その日に販売されているピクルスに使われている食材がの産地が書いてあって、美味しそうな旬のピクルスが選べます」（舞さん）

「草庵秋桜四季工房」は、和食料理店からお料理自慢の旅館として、1987年に創業。ミシュランガイドでも４レッドパビリオンの名宿に認定された「草庵秋桜」が、11年前にプライベートブランドとして発足しました。草庵秋桜代表の太田慎太郎さんにお話を聞いてみましょう。
「４年前に手作りピクルス専門店として「草庵秋桜 四季工房　The Four Seasons Selection」をオープンしました。ピクルスに注目したのは、地場で採れた野菜をお土産として持って帰れるような商品を作りたいと思ったからです。旬の野菜を使っていますが、半年間ほど賞味期間があるので、春のものを夏に、夏のものを秋にと、美味しさを次の季節までつなげて味わっていただけます」

人気のレンコン、カボチャ、サツマイモなどの根菜は、どれもシャキシャキとした食感で、酸味のなかにもさわやかさを感じるビネガーの味わいが際立ち、まるでサラダを味わうような感覚です。
「穀物酢のほかに、かぼすよりも優しい酸味のだいだい酢と白ワインを使っています。スバイスはクローブ、ブラックペッパー、ローリエですね。宿では、鹿の生ハムのようなジビエと合わせたりしますが、刻んでマヨネーズとあえてタルタルソースにしたり、サンドイッチに入れても美味しいですよ。これからの冬場は、自家栽培のアマネギとミニマムシイタケのピクルスも、野菜の甘さや旨味がたっぷりに感じられておすすめです」（太田さん）

また、お店の注目商品として人気なのが、推薦者の舞さんもおすすめのイチゴやキウイを使った「フルーツピクルス」です。こちらはりんご酢を使った甘めのデザートピクルスです。
「果実のフレーバーとりんご酢のさわやかな酸味で。そのまま食べても美味しいのですが、残ったピクルス酢を牛乳や炭酸、お水で割ったりすると、またさわやかな飲み物としても楽しめます。これからは柑橘系も増えて、天草オレンジの美娘（みこ）やゴールデンキウイなどがおすすめです。果物も全て大分県内で生産されたものです」（太田さん）

店内に並んだピクルスの瓶詰めは色とりどりでかわいらしく、見ているだけでも楽しくなってきます。
「由布院は立ち寄りではなく、宿泊してご飯や温泉を楽しんでのんびり過ごしていただくのがいちばん良さを味わえます。２キロ四方の盆地の町なのでゆっくり散策をするにもぴったりです。駅から名所の金鱗湖までを散歩しながら、お店にも立ち寄っていただければ嬉しいです」

また、近隣にはドライブスポットもたくさんあるそうで、教えていただきました。
「由布院から県道１１号（やまなみハイウェイ）を15分ほど、別府の方に向かった、狭霧台（さぎりだい）では、標高約680mからから由布院の町を見下ろす形で景色が楽しめます。また反対の阿蘇に続く方の道にある、蛇越峠（じゃこしとうげ）の展望台は、由布岳と由布院盆地の全景を俯瞰で一望できるスポットです。10〜11月は全ての山々が色とりどりの紅葉となって絶景ですし、これからの寒い時期は、朝霧が出てきて、早朝には雲海に沈む由布院の町の眺めも堪能できます。それはもう幻想的で綺麗ですよ」（太田さん）

また、30分ほど走った長者丸には、国内最大級の面積を有するタデ原湿原があります。初夏には天然記念物のミヤマキリシマの花が盛大に咲き乱れる広大な草原の中を走り抜ける爽快な体験も楽しめるそうです。のどかな山里の温泉地と、春夏秋冬の自然の魅力を満喫しに、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。