語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2021年04月04日(日)

アリの再起動

ボクの宿主は36歳。
リモート勤務で、おウチ時間が増えた源太さんです。

息子の蓮くんと遊ぶ時間が増えたのは嬉しいけれど、会社の仲間と雑談できないのは、ちょっぴり寂しいんだよね。

源太さん「あの時間が結構息抜きになってたんだよなぁ〜」

公園のベンチに座って、ぼやき中。

ホラホラ、源太さん、目を離さないで!
虫が大好きな蓮くん、公園の隅でしゃがみこんでるよ。

源太さん「蓮、何か見つけたか?」

蓮くんは、ずーーっと、地面を見つめたまま。

しばらく、見守る源太さん。

すると…。

蓮くん(5歳)「あ! あった! パパ、ほら、ここ、ここ」

蓮くんが指差すほうを見ると、なんと! さっきまで何もなかった地面に、アリの巣穴がポッカリ!

冬の間、塞がっていた入り口が開いたみたい。

源太さん「お、そろそろ、アリの季節労働が始まるんだなぁ〜。
ほら! 出てきた!」

蓮くん以上に、うれしそうな源太さん。

蓮くん「パパも早く、お仕事に行けるといいね!」

あは! 蓮くんには、パパの気持ちがわかっていたみたい。
源太さん、早く会社の仲間と雑談できる日が来るといいね。

ボクら乳酸菌は、いつも仲間と和気あいあい。
おなかのなかで、仲良くしているよ!

じゃあ、また、日曜のお昼に。