語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2022年01月16日(日)

心友

ボクの宿主は小学6年生のもえちゃんです。

浮かない顔をしてるって?
だって、今日は遠足なんだもん。

もえちゃん「はぁ〜」

友だちと呼べる人は少なめで、クラスメートともあまり話すことがない…。
そんなもえちゃんにとって、遠足は憂鬱なイベント。

しかも今日は、唯一話せる友だちが体調不良で欠席なんだって!

「終わった…」って心の中でつぶやく声が、おなかの中にいるボクにも伝わってくるよ。

うつむいて暗い顔で歩く、もえちゃん。
あぁ、ボク、心配だなぁ〜。

ところが突然…。

女子生徒「ね、一緒に行こ!」

え?! い、一緒に?! もえちゃん、ビックリして固まってる。

女子生徒「もうすぐお昼だし、お弁当も一緒に食べない? 私、唐揚げいっぱい持ってきたんだぁ〜」

男子生徒「お! いいね〜、それボクも混ぜてよ」

あれれ〜、なんだか予想外の展開になってきたよ。

あ、もえちゃんが泣きそうだぁ。
でも、これって哀しい涙じゃないね。
すっごく嬉しいってことだよね。
憂鬱だった遠足が、最高の日になったね!

あは! もえちゃんの心の中に「ありがとう」っていう気持ちがいっぱいだぁ〜!

ボクら乳酸菌も、嬉しくって涙がでちゃうよ。
ボクらは、みんなの心とも深く深くつながっている、心の友。
心友(しんゆう)なんだ。

じゃあ、また、日曜のお昼に!