語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2022年05月08日(日)

ママのお部屋

ボクの宿主は43歳。
本を読むのが大好きな純子さんです。

最近、気になっているのが、娘のユウカちゃんとパパの視線。

お米を研いでいる時も。
身支度をしている時も。
気がつくと、こっそり覗いているんだよね。
なにか、言いたいことがあるのかなー? なんだか、よそよそしいなぁ〜。

そんな日曜日の朝。

目が覚めて、リビングへ行くと…。

ユウカちゃん「じゃーん! おはよう!」

あれ? 段ボールで出来た、これは…お城?

ユウカちゃん「ママ、いつもありがとう!」

あれれ、これはいったい?

パパさん「やっぱり、ママは気づいていないと思った。
今日は母の日だろ〜」

あぁ、母の日。

ユウカちゃん「パパと一緒に作ったんだぁ〜、ママのお部屋」

えぇ、ママのお部屋?

ユウカちゃん「私には自分の部屋があるのに、ママにはないでしょ。
たまにはママも、一人になりたいかなぁ〜って思ってさぁ〜」

あは! ママが欲しがっているものを探るために、いつもこっそりのぞいてたんだね〜。

ママさん、段ボールのお部屋、居心地はどう?

ママさん「くつろぐわぁ。集中できそうだから、本を読むのにちょうどいいかも」

ボクら乳酸菌も、居心地のよいおなか作りを目指しているよ。
お母さん、いつもありがとね。

じゃあ、また、日曜のお昼に!