語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年01月15日(日)

愛しい干し柿

ボクの宿主は55歳の達也さんです。

友代さん「はぁ〜」

このため息は、妻の友代さん。
鏡を見ながら、お顔のシワを手で伸ばしています。

達也さん「そんなに気にするなって」

達也さんはいつもそう言うけれど、友代さんは、いつまでも若々しくいたいみたい。

そこで…。

達也さん「はい。そんな友代ちゃんに、福島の出張みやげ!」

そう言って達也さんが差し出したのは、おいしそうな“干し柿”。

友代さん「もしかして、干し柿みたいにシワシワって言いたいんでしょ〜」

達也さん「違う違う! これって、今、ドバイでウケてるんだってさ!」

友代さん「ドバイ?! うそだぁ〜」

達也さん「いや、ホントなんだって!
中東はドライフルーツを食べる文化があるから、日本の干し柿も人気なんだってさ」

へー、そうなんだぁ〜。

達也さん「そもそもドライフルーツって、水分が抜けて栄養成分が凝縮してるから、効率よく栄養がとれる健康食だっていうし、シワシワになってもいいこといっぱいあるよ〜って、そういうことを言いたいんだよ〜」

友代さん「なるほど〜。それにしても…達也くんは出張先でも私のこと、ずっと考えていたんだね〜」

達也さん「な、いい旦那だろ?」

あは! 友代さんが若々しいのは、達也さんの愛情のおかげだね。

友代さん「うん、おいしい〜」

ボクら乳酸菌も、愛情をいっぱい注いでいるよ。
おなかの中も美しくするためにね!

じゃあ、また、日曜のお昼に!