語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年04月02日(日)

お兄ちゃん誕生

ボクの宿主は4歳、最近、お兄ちゃんになったカズくんです。

でも、今日も朝からグズりっぱなし。

カズくん「やーだぁ、も〜、▽○#$“&%」

だって…。

赤ちゃんは泣いてばっかり。
ママさんはその度に、赤ちゃんにつきっきりなんだよね。

カズくん「ボク、赤ちゃん、キライ!」

あぁ、思わず、言っちゃった…。
本当は、
「ママ、ボクだって、おなかが空いているんだよ」
「ママ、ボクを見て! ボクと遊んでよ」
って、言いたいんだよね〜。

その日の夜。

ママさん「カズくん、ちょっとこれ見て、カズくん、かわいいね〜」

そう言って、ママが見せてくれたのは、カズくんのアルバム。
生まれた頃の写真がいっぱいだよ〜。

ママさん「これは、カズくんが初めておうちに来た日の写真。
こっちは、ママのミルクを飲んでるところ。かわいいでしょ〜」

カズくんの笑った顔、泣いた顔、寝ている顔がいっぱいだぁ〜。

カズくんも、すっごく愛されてるね〜。
ちょっと安心したんじゃない。

カズくん「あ、ママ、赤ちゃんが泣いてるよ。行ってあげて」

あは! カズくんがお兄ちゃんになった瞬間だね。

ボクら乳酸菌は、おとなになっていく子どもたちのこと、ずーっと見守っているんだ。
一瞬一瞬、逃さないようにね。

じゃあ、また、日曜のお昼に!