語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年04月09日(日)

聞くは一時の恥

ボクの宿主は78歳の健太郎さんです。

奥さんが亡くなってから一人暮らし。
この生活にも、だいぶ慣れてきたね〜。

娘さん「お父さん、いる〜?」

やってきたのは娘さん。
時々、様子を見にきてくれて助かってるんだけど、

娘さん「なんで? なんで嫌なの?」

今日は、健太郎さんのガラケーを、スマホへ。
その乗り換え手続きをしにきたみたい。
でも、健太郎さんは乗り気じゃないんだよね。

健太郎さん「実は…、実はこの携帯に、お母さんの写真が入っててさぁ〜」

娘さん「お母さんの写真? そんなのスマホに移行すればいいじゃん」

健太郎さん「うん。でも、そのやり方が…」

娘さん「やだ〜。そんなの聞いてよー。
お父さんがアナログ人間なのは、みんな知ってるんだからさ。
もう、プライドばっかり高いんだからぁ〜」

あちゃ〜。娘さんは手厳しいね〜。
でも“聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥”。
わからないことは、聞いたほうがスッキリするよね。

健太郎さん「それじゃぁ、お言葉に甘えて、スマホにしたらホラ、ピッてお金払ったり、改札通ったりする、あれも教えてよ」

あは! 健太郎さん、急に饒舌になっちゃった!
しばらくは娘さんを質問攻めにしそうだね。

ボクら乳酸菌は、いくつになっても学び続ける人を応援しているよ。
習うは一生、だもんね。

じゃあ、また、日曜のお昼に!