語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年05月07日(日)

旅のサプライズ

ボクの宿主は58歳、これからドライブ旅行へ出発する高広さんです。

玲子さん「ね〜、パパ〜。外車のオープンカーなんて、ちょっと贅沢なんじゃない?
それに、年甲斐もなくて恥ずかしいし…」

レンタカー屋さんで、小声で話しているのは、妻の玲子さん。

高広さん「たまには、いいんじゃないの?
夫婦水入らずなんて久しぶりなんだしさ」

子どもが独立して、ひと段落。
高広さんは、玲子さんを労いたいんだよね。

予約した宿の部屋も、露天風呂つき。

玲子さん「わぁ〜、こんなお部屋、はじめて〜。景色も最高っ!」

気に入ってくれたみたいで一安心。
高広さん、サプライズ大成功だね。

すると…。

玲子さん「なんだか、新婚旅行みたいだよねー、タカヒロ」

えぇ?! タカヒロ?
「パパ」じゃなくて「タカヒロ」?
久しぶりに名前で呼ばれて、びっくり! 逆サプライズだよ!!

高広さん「お、おれ、ちょっと大浴場、行ってくるわ」

あは! 高広さんたら、テレちゃってる。

でも、こんなサプライズがあるから、旅も、たまの贅沢も、止められないよね。

明日からの日常も、また頑張れそうじゃない?

ボクら乳酸菌は、平凡な日も、特別な日も、みんなの味方だよ。
それが、僕らの日常なんだ。

じゃあ、また日曜のお昼に。