語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年06月04日(日)

幸せの八重のドクダミ

ボクの宿主は、高校1年生の松本結衣ちゃんです。

今日は美術部の写生大会。
山の植物を描きに来ているんだけど…。

結衣ちゃん「んー、どれにしよう〜」

結衣ちゃんは、描きたい植物がなかなか見つからないみたい。
早く決めないと、時間がなくなっちゃうよ。

すると…。

先生「松本さん、あそこの花なんか、どうですか?」

そう言って先生がすすめてくれたのは、ドクダミ。

結衣ちゃん「ドクダミって、あの薬草のドクダミですよね。
独特のニオイがある」

先生「そうですね。でも、あそこで咲いているのは、八重咲きのドクダミですね」

結衣ちゃん「八重咲きのドクダミ?」

先生「そう。花びらのように見える白い葉っぱが、普通は4枚。
でも、八重のドクダミはいくえにも連なっているんです」

結衣ちゃん「え〜? わ、ほんとだ!」

先生「ね、野生で見つけられたのは、ラッキーかもしれませんよ」

結衣ちゃん「へー、なんか、四葉のクローバーみたいでいいかも〜」

結衣ちゃん、やっと写生する植物が決まって、よかったね。

結衣ちゃん「でも先生〜、やっぱりドクダミですね。ニオイは強烈ですぅ〜」

あは! “良薬口に苦し”じゃなくて、“良い写生モデル、鼻に苦し”だね。

ボクら乳酸菌は、「よい菌、おなかに苦し」じゃなくて、「よい菌、おなかに嬉し」だよ。

じゃあ、また日曜のお昼に。