ボクの宿主は60歳の聡さん。
高齢者施設に入居している節子さんは、お母さんです。
節子さん「はい、三段目に五人囃子ね」
節子さんに頼まれて、家から持ってきた、ひな人形。
コミュニティルームに飾っているところだよ。
聡さん「ひな人形って、娘が成人したら飾らないもんじゃないの〜」
まぁまぁ、聡さん、堅いこと言わずに。
ほら、節子さん、とってもいい笑顔じゃない。
節子さん「はい。これで出来上がり。じゃぁ、音楽、お願いしますよ〜」
聡さん「はい、はい」
うん。音楽が流れると、ますます雰囲気でるね〜。
お部屋にいたお友だちも、ぞくぞくと集まってきたよ。
みんな、いい笑顔。
聡さん「へー、女子はいくつになっても、ひな祭りがうれしいもんなんだなぁ〜」
聡さんが、そうつぶやくと…。
節子さん「あら、女子? わたし、その“女子”っていうのに憧れてたのよね〜。
妻でも母でもない女子って、楽しそうよね〜」
さらに、嬉しそうな節子さん。
聡さん「ここなら、ひな人形をあわててしまわなくてもよさそうだな〜」
あは! 確かに。逆に、しばらく飾っておいたほうが、みんなが元気でいられるかもね。
ボクら乳酸菌も、笑顔が大好き。
みんなをおなかの中から、元気にするからね。
じゃあ、また、日曜のお昼に!