プロジェクト概要

東日本大震災で発生したガレキの上に盛り土(マウンド)を作り、その上にタブノキやカシ類などからなる森を育て、青森県から福島県におよぶ太平洋岸に、通常時は防風林や防砂林として、そして巨大津波からいのちを守る森の防潮堤を築いていこうというプロジェクト。500円で1本のポッド苗を植えることが出来ます。「森の長城プロジェクト」では、皆様からの寄付もお待ちしています。

500円で1本のポット苗を植えることができます。

今回は、去年もこの初夏の時期にお届けした、東京のまんなかにある、大きな森、明治神宮の森のレポートです。
毎年、この明治神宮の豊かな森を舞台に、「アースデイ いのちの森」というイベントが開かれています。東京の真ん中で、森と向き合い、木と触れ合いながら、自然とともに生きることを考える場づくりとして 毎年行われているもの。今年も、たくさんの子どもたち、親御さんたちが様々な体験を楽しんでいました。

東京にお住まいの方、行ったことがある方はご存知かと思いますが、明治神宮は広さは70万平方メートル。東京ドーム15個分!という、広大な面積の森なんです。
そして先月、この明治神宮の森を会場に行われたのが、「アースデイ いのちの森」。
市民団体「いのちの森」が、明治神宮の特別許可をもらって実施しているものです。会場では、森に触れることのできる様々なワークショップが行われたのですが、その一つが、野鳥の会の方のガイドによる森の散策でした。

◆歩いて探そう!代々木の杜に棲む生き物たち
この穴はモグラの穴です。モグラのごはんはこのミミズです。モグラは穴を掘りながらミミズを探してるんじゃないんです。トンネルをつくって、トンネルにミミズが来るの。そうするとここにいるモグラがパキって噛みついて食べるの。
ミミズをまず頭から食べるの。そうやってしごきながら食べると、ミミズのおなかの中に入っている泥がこっち側に来るわけ。で、反対側からこうやって食べると泥を食べなくて済む。すごいでしょ?


杉の葉っぱ握ると痛いものとあんまり痛くないものがあるんです。明治神宮の杉はあんまり痛くない葉っぱなんですけれども、本来、太平洋側にある杉のは握ると痛い杉が多いんです。千葉の山武杉なんかはかなり痛い。
握って痛くない杉は新潟だとか秋田だとかに多いそうです。そういうふうに、地方によって個性があります。何でそういう杉がここにあるかっていうと日本全国から運んできた木を植えた人工の森だからです。

上を見てみると、クスノキがステンドグラスのようになっています。よく見てみると、葉っぱが重なってないでしょ?ちょうど切れ目で葉っぱ止まってる。それは、重なってると下の方は日が当たらなくて枯れちゃうから、そうならないように途中で止まるの。さっきクスノキの葉っぱの匂いを嗅いでみたよね?これはガスが出てるから。このガスが、「あ!葉っぱが近づいてきてるな」と思ってそこで止まるの。においで木はコミュニケーション取ってるんだよ。木は言葉しゃべれないから、動けないからガスでしゃべってるんです。


参加されたお子さんたちはいろんな自然を楽しんでいました。
そして、このガイドをされた日本野鳥の会東京の金森光伸さんと糸嶺篤人さんにお話をうかがいました。

◆日本野鳥の会東京金森さんのお話
明治神宮は23区の中ではかなり自然が豊かな森です。夏鳥できれいな声で鳴く鳥、キビタキが繁殖してるみたいなんですよ。わざわざ南の方から春にやってきて繁殖できるというのは、それだけの豊かな森だということなんです。夏鳥が繁殖できるというのは、いろんな虫とか木があって、それだけ豊かで安心できる環境だということなんですよね。
ちょうどゴールデンウィークの頃は夏鳥が高尾山の辺りの山に繁殖のために渡る途中の中継地になるんですよ。だからオオルリとかキビタキとかサンコウチョウなんかもここ数年見られるんですよ。貴重な夏鳥がやってきます。

◆日本野鳥の会東京糸嶺さんのお話
子供たちには、緑の中で自由に動いてもらって、その中で「ここにこんな虫がいるよ。」「こんな花が咲いているよ。」っていうのをちょっと示してあげるだけでいいのかなって思ってるんですね。それは普段の観察会でもそうなんですけれども、普通はなかなかそういったことに気が付かないんですよ。鳥なんかその最たるもので、東京の街中にも結構いろんな鳥がいるんですけれども、自分の家の周りはスズメとカラスしかいないと思っている。でも普段からちゃんと見ていると、「あれ?スズメじゃないぞ。」っていう鳥がわかるようになりますね。
野鳥の場合は羽があるので、街の真ん中にも来てくれるそういう野生動物です。ですから、野生の生き物と付き合う入門編としては適してるんだろうなと思いますし、例えば明治神宮の森は間もなく百年になる森ですけれども、昔はもっと草原の鳥がいっぱいいたのに今本当の深い森の鳥ばっかりになってきてるんですね。
例えば二十年ちょっと前にはキジがいっぱいいて、観察会やる度に「ケーン、ケーン」という声が聞こえていたのに、ここもう二十年くらいは全く一羽もいないです。その代わりタカの仲間がどんどん入るようになって、逆にタカが来てしまったことでカモの仲間が減っています。ムクドリだとかカワラバトもいっぱいいましたが、あれがもう本当に中入ってこなくなっちゃいまして。そういう変化もあります。


今回のお話いかがだったでしょうか。来週も引き続き「アースデイいのちの森」のレポートをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・1234 / Feist
・Heartbeat / TAHITI 80
今週も引き続き、科学界のインディ・ジョーンズ、辺境生物学者・長沼毅さんのインタビューをお届けします。
砂漠、深海の海底火山、南極、北極など、生命が「生きにくい場所」…辺境を冒険する研究者・長沼毅さん。
生命の生きられる限界、生命のルーツを探るこの方は「日本の森」について、どんな考えを持っているのでしょうか。
私たち日本人が、森と共存するために必要なことは何か、お話を伺いました。

◆森を維持するためには
日本に限って言えば原生林はほとんど残ってないですよね。我々が自然の森だとおもっているものはほとんどが二次林で人間の手が入ってる森です。その人間の手が入った森、里山でもいいんですけども、この森はやはり人間の手が入り続けないと荒れていく。放っておけば、何百年後にはまた元に戻るんですけども、やはりそうも言ってられないから我々が森と共存するためには、適切に手を入れ続けることが大事ですが、まあ実際には難しいですよ。
だって日本人の多くは都会に住んでるわけですし、森のそばには少数の人しか住んでない。しかも高齢者の方々ばかりという中で、どうやって里山を維持するんだということです。だから里山に人の手が入る仕組みを考えた方が良いです。
やはりボランティアじゃ長続きしないんで、里山に手を入れることによってある程度利益が上がってきて、活動が維持できるような仕組み、これをやらなきゃならない。そうすると林業の復興が一番いいと思ってます。
海外から安い木材が入ってきて、国産の高い木材なんか誰が買うんだっていうかもしれないけども、またそういったものを補助金で安くすると国際的になんか違反だって言われちゃうんですね。でも、そういったところは何とか知恵を絞って補助金や税金を投入してでもいいから、我々の国産材を使っていくことによって林業を復興する。それしか森の維持はできないと思います。
私自身も東北で、チェーンソー持って山に木を伐りに入ってますけども、それで感じた事は、これは本当に大変な作業だということ。いま、私は岡山県の限界集落を維持するために、チェーンソーで伐採作業をやらせてもらってますけども、ああいうところが日本中に千数百か所あるんだそうです。もうちょっとやそっとのボランティアじゃ守り切れないんですよ。だから利益が上がって活動を維持できる仕組み、林業の再興はその辺が重要だと思います。


この番組でも以前、「東京チェーンソーズ」という林業をカッコいい職業にしようと取り組む集団を紹介していますが、長沼さんも、自らチェーンソーを手に取り、その魅力に気づいたといいます。

◆チェーンソーを使えてこそ一人前の男
私はそれまでチェーンソーを扱った経験は無かったですけども、そのボランティアをやらせてもらって、初めて教わって使えるようになりました。チェーンソーは普通にホームセンターで売ってて、特に何の教習もなくて使えちゃうんですよ、法律的には。それは危険を伴うということも知りました。ですから、しっかりと研修を受けて安全に使えるようにしましたけども、狙った方向に木を倒す。これはね、なんていうんだろう、「やった」感ありますね。チェーンソーを使えて初めて一人前の男!と言う気がしましたね。
でも狙ったところに高さ20メートルの木の先端が30センチと違わずピタッと落ちる快感もあったけども、その次の日は180度違う方向に倒れたので、いやー怖いですね。
多くの人はできないかもしれないけれども是非、伐採を体験してほしいし、その体験によって自分自身が成長することによってまた山が守られるっていうことなんですね。
そういった意味で一石二鳥という言葉は軽すぎるけれども、ぜひそういったことで伐倒体験、自分の成長と森の維持管理、そういったものが全部まとまってできたらいいなと思います。


先々週から長沼産に色んなお話を伺ってきましたが、最後にこんな質問をぶつけてみました。
宇宙の、どこか別の星にも、“森”はあるのでしょうか?

◆宇宙にある森
まあ宇宙のどこかには地球のような星がある。これはほぼ間違いないでしょう。地球のような星があったら、そこにもやっぱり生命が発生して、まあ陸地があればおそらく森はできるでしょう。ただし地球っぽい星だからと言って、すべて陸地があるかっていうとこれは疑問です。地球みたいに表面の三割が陸というのは、どちらかというと珍しいケースかもしれません。よくありがちなのは全部海っていう海惑星ですね。
海惑星に森はないのかというと、おそらく海中の森があると思う。海中の森というと、ワカメとか昆布のようなものを想像するかもしれませんが、もしかしたら地球のガシッとした森林のようなものが海中に立ってるかもしれませんね。いまのところ、太陽系には、表面に水がむき出しの海は地球にしかないんですけども、氷が表面を覆ってる星がある。その氷の下に海があるっていう星がね十何個か想定されてるんですよ。そのなかで一番有力候補は木星の第二衛星「エウロパ」です。
エウロパは表面は氷で覆われていますがその下には海があると言われています。でもこの海の中に太陽光線は入っていかないんですよ。だから普通の植物的な森はない。だけども海底火山があるので、海底火山から供給されるエネルギーで生命が存在し得て、その生命体が森のようなものを作ってる可能性はあります。つまり太陽の光に養われている森林が地球であれば、エウロパの森林はエウロパ内部のエネルギー、火山エネルギーによって支えられている氷の下の森という、なんともエキゾチックな森があるかもしれません。


科学界のインディ・ジョーンズ、長沼毅さんのお話いかがだったでしょうか。
今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Better When I`m Dancin` / Meghan Trainor
・白波トップウォーター / サカナクション
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