プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

自然音録音家・ジョー奥田さんのインタビュー、3週目となります。
奄美大島、沖縄、ハワイ・・・真っ暗な夜の森、夜明けを迎えた森など様々な表情を、高性能なマイクで録音。その音源を発表しているジョーさん。ほかにも、長年ライフワークとして通い続けている森があります。
それが東京・明治神宮の鎮守の森です。
ジョーさんは、マイクを通じて明治神宮の、なにを伝えようとしているのでしょうか。


「Tokyo Forest 24Hours」ジョー奥田

〜自然音録音家ジョー奥田さんがフィールドワークにしている、明治神宮の森の音を録音した「Tokyo Forest 24Hours」が6月20日リリース予定ですが、明治神宮の森を録音し始めたのはいつ頃からですか?
 2002年か2003年ぐらいですから、もう十五年ぐらいになります。ちょうどその時期、ロサンゼルスから東京に出てきて、活動の拠点を東京に置くと決めた時なんですけれども、東京の中で1番好きな場所が明治神宮の森だったんですね。ですから東京にもこんなところがあるんだ!と思ったので、試しにいろいろ録音してみようと思ったのがきっかけです。

〜今回は明治神宮の森100周年に向けて、改めてレコーディングされたということですが、「Tokyo Forest 24Hours」はいつごろの録音ですか?
 去年の11月3日です。11月3日は明治神宮の大祭で、1年の行事の中で1番大きい行事の日ですね。ちょうど満月の日でもあったので録音したんです。

〜やはり満月の日の音は違いますか?
 どこの森もそうですが、満月の日はとても賑やかなんです。逆に新月の夜はとても静かです。だから月がいまどれくらいの大きさかというのは、録音する大きな基準になるんですよ。

〜今回明治神宮の森を録音された場所はどのあたりですか?
 録音に選んだ場所は、御苑と呼ばれる池があったり、皆さんよくご存知の清正井があったりする真ん中あたりのエリアです。ここの森が1番深い。池のほとりなので水鳥がいたり、生き物がすごくたくさん住んでいるんですね。その池のほとりで録音しました。
 夜明け前から録音し始めて、だんだん鳥が鳴き始めて、朝の知らせの太鼓が遠くから聞こえるシーンなんですけれども、それを2018年と10年前と、全く同じシーンが2つあるんです。10年前に録ったものオープニング、今回録ったものをエンディングにしたんですけれども、10年の時間の経過がそこにあるんですよね。


〜10年前の音とは何が違いますか?
あまり違っていませんでした。僕が表現したかったのは自然の永続性。10年かけて比較して、このまま全く同じ音が10年後も聞こえるはずだろう、20年後はどうだろう、200年後はどうだろう。それくらいの単位の時間になると必ず変化していくと思うんですよね。ですけれども水の音は変わらない。

〜私たちはそんな素敵な森というのが近くにあることをついつい忘れがちですもんね。
 実は世界的に言うと、明治神宮の森というのは非常に特殊な森です。むやみやたらに植林をしたのではなく、100年たっても200年たっても、人の手が入らなくても生態系が成立する森を綿密にデザインしているんです。人間の英知を結集すれば大都会の真ん中に森を創り上げることができるという、ひとつの証明なんですね。僕にとって明治神宮の森の大きな価値はそこなんです。ですからそれをみんなに知っていただきたい。そんな思いですね。

〜まもなく明治神宮の森が作られてから100年。この先の明治神宮の森はどうなっていくと思いますか?
 僕の想い、想像なんですけども、たとえば今日、東京中、日本中の人が全員いなくなったとしても明治神宮の森は生きていくんです。そうするとおそらく、明治神宮のあの森を中心に森がどんどんどんどん広がっていくと思うんですよ。ですから、そういう意味では、あれは森の種なんですね。人間が止めているから広がっていかないんですけれども、人間がもしいなくなったとしたら、あの森を中心に東京中が大きな森になる。何かそんな可能性を秘めた力強さがある、そんな森ですね。

〜確かに最初は人の手で作られたかもしれないけれども、もう自立して歩いていますからね。夜の明治神宮は私たちが入れませんが、どんな感じですか?
 意外と賑やかなんです。耳を澄ませると、遠くから何かが聞こえてくるんです、そういう感じの森ですね。非常に整備された森ですから、例えば人間に危害を加えるような生き物はいませんし、怖さがないですね。ただやっぱり、本殿の側だったり、そういう所に近づくと、何かがあるというのは感じます。それが神様の存在なのかもしれませんね。

ジョー奥田さんのお話、いかがだったでしょうか。
お話にも出てきた明治神宮の森の音のCD「Tokyo Forest 24Hours」は6月20日発売予定です。詳しくはサイトをチェックしてみてくださいね!
http://www.m-i-m.com/sound/mimj0011

【番組内でのオンエア曲】
・Have It All / Jason Mraz
・Kiss You Back / Nulbarich
先週に引き続き自然音録音家 ジョー奥田さんのインタビューです。
今回は、ジョーさんがいまお住いになっているハワイの森のお話。そして、ハワイでは今 火山の噴火が大変な状況ということで、現地の様子も伝えていただきます。

「Kilauea Forest 24Hours」ジョー奥田

〜ジョー奥田さんは2013年に、ハワイ島へと移住をされて、そこで自然の音を収録されたCDを「Kilauea Forest 24Hours」をリリースされましたね。
 これはキラウエアという火山の火口があるんですけれども、それを取り巻く森の中の一日の音です。ハワイというと、海とパームツリーと虹、サンセットというイメージを思っていたんですけども、こんなに深く豊かな森があるというのは行ってみて初めて分かったんですね。ハワイ島と言うのは新しい島なので、生命の芽吹きが始まったばかりという命の強さみたいなものをはすごく感じる森ですね。
 録音したのはボルケーノの森と呼ばれている森です。ボルケーノは火山という意味なんですけれども、国立公園に指定されているんですね。ですからこれはボルケーノ国立公園なんですが、それをボルケーノの森と呼んでいます。


〜実際に24時間森で音を収録して、いろんな表情の変化があったと思うんですが。
 そのときは気がつかなかったことなんですが、後で聞いて思ったのは、森の中には”森の静寂”という瞬間があるんですよね。それは無音ではなくてサウンドオブサイレンス、”静寂”という音があるんです。夜になると虫が鳴きはじめたり、いろんな小さい音ですけれども、聞こえてくる。雨だれが落ちてきたり、夜露が落ちる音も聞こえたりするんですけ。そして、朝に近づいた時間帯に虫が鳴き止んで、でもまだ鳥が鳴くには早い、こんな時間帯があるんですけども、その時間帯がぽっかりと音がないんですよ。でも気配はある。その時間帯の森の気配の美しさみたいなものにはすごく感動しましたね。どうしてこういう現象が起きるのか僕にもわからないんですけれども、何かすごく神聖なものを感じるんですよね。日によって違うんですけれども、30分から1時間位。まだ太陽が昇ってなくて暗い時間。その夜の世界と朝の世界がちょうど重なり合ってグラデーションを作るような、そういう時間帯だと思うんですけれども、その中のある一瞬、いきなり静かになる瞬間があるんです。こういうのはなかなか普段の生活の中で体験できることでは無いですし、誰もがハワイの森に行けるわけでは無いですけれども、そういう方にこそ、ハワイの森の24時間を体験していただきたいですね。

ということで、ジョー奥田さんのインタビューでしたが、このインタビューの直後、ハワイのキラウェア火山の噴火があありました。このインタビューの後、ハワイに帰られたたジョー奥田さんに今の状況について伺いました。。

〜ジョーさんはこの火山のあるハワイ島にお住まいなんですね?
はいそうなんです。実際に溶岩が実際に吹き出しているところは僕の住んでいるところより海に近いくらいの、山じゃないところなんです。だから、家からは直線距離でも30km以上あるんです。ただ、僕が住んでいるところはキラウェアのハレマウマウの火口から2kmくらいのところなので、溶岩の被害ですとか、有毒ガスの被害などは無いのですが、地震はすごかったです。

〜ボルケーノの森の今の状況はどうですか?
まったく変わりないですね。いちばな大きな地震はマグニチュード6.9というのがあったのですが、大きな地震がやってくる前というのは、鳥たちにはわかるみたいで、鳴き声がうんと減るんですよ。そういうことはあったんですけれども、その後はまったく普通に戻っていますので、この辺りは、いまはいつもと同じように静かです。

〜ジョーさんは自然の営みを見つめる立場として、こういった自然の厳しい、激しい動きというのはどう受け止めていらっしゃいますか?
実際にいまでも本当に溶岩がどんどん吹き出て、新しい土地が作られているわけですからね。そういうのを目の当たりにすると、やっぱり地球も生きているんだなっていうような、地球の本当のエネルギーの活動を肌で感じます。たとえば溶岩が流れている音だとか、聞いたことはあるんですけれども、すごい迫力でした。

〜今日「Kilauea Forest 24Hours」を聞いて、やっぱりハワイ島の音は美しいと思いましたが、同時に自然の厳しい部分もハワイ島にはあるんだなということも感じました。
本当に自然の両面、違いがありますよね。でもその両方を含めての自然の美しさですものね。

ジョー奥田さんのお話、いかがだったでしょうか。来週は明治神宮の森のお話を伺います。

【番組内でのオンエア曲】
・Slow & Easy / 平井大
・Ku`u Lei `awapuhi / MAKANA
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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