今回も先週に引き続き、東京のど真ん中・皇居に隣接する、千鳥ヶ淵、北の丸公園、皇居を取り巻くお堀の自然を観察するツアーのレポート・後編です。
今回参加したのは、「千鳥ヶ淵の自然再生ガイダンスツアー」。

平成25年に環境省が、環境を再生するプランを立ち上げ、その一環として行われているもの。
千鳥ヶ淵周辺の環境再生の取り組み、貴重な植物、皇居周辺ならではの歴史・・・様々なことを学んで楽しむツアーです。
千鳥ヶ淵をはじめとした、皇居まわりの「水辺」には、専門家も驚くほど、本当に多彩な生き物がいるんです!
プレック研究所 村田和彦さんがガイドしれくれました。

大官庁通りというところに来ています。向こう側が千鳥ヶ淵の南側の辺りになります。春になると桜がきれいなところで、ボートを浮かべてみなさんご覧になったりとかそういった場所になります。
この辺のお堀、皇居の外苑のお堀というのは400年以上前に、江戸幕府が開かれてその頃にほぼこの形が完成したんですけれども、自然的な地形を利用しつつ人工的に作ったものです。
お堀にはいろいろな生物がいるんですけれども、希少な生物なんかもおりましてジュズカケハゼですとか場所によってはヘイケボタルもいます。在来のものと思われるホタルが住んでいます。非常に数は少ないです。
あと古い石垣のところですけれどもそういったところの一部なんかで隙間があるところにヒカリゴケという希少な苔がありまして、普通は高山ですとか北日本ですとかそういったところにあるものなんですけれども、何故かここの石垣にもあって、これは天然記念物になっています。


お話に出てきた「ジュズカケハゼ」というのはハゼの仲間の淡水魚。絶滅の危機にある生きものとされています。
そしてヘイケボタルとヒカリゴケ!目の前を首都高速が走る場所に、まさかと思う人も多いかも。でもちゃんといるんですねえ・・・。
ちなみにヘイケボタルは本来、田んぼなどにいるホタル。それがなぜかお堀に生息しているんです。発生する時期もほかの場所のヘイケボタルとは違うとおっしゃっていました。
なぜ、お堀にいるのか。なぜ発生時期が違うのかは、まだはっきりとは分かっていないそうです。
そして一行は千鳥ヶ淵と、日本武道館を挟んだ反対側にあるお堀へ向かいます。

この牛ヶ淵という堀はこの外苑の堀の外の周りの堀の中で一番生物が豊かになります。夏ですと蓮の花が綺麗です。たくさん咲きます。ただどんどん増えちゃってまして、水面の結構な部分を覆ってしまっておりまして、この他に5〜6月から夏場にかけてヒシという葉っぱが水の上に浮くタイプのものが一面に覆ってしまいます。ヒシとか蓮とかは浮葉植物といって水面を覆ってしまいますので、一面を覆っちゃうと太陽が水の中に入らず、水草みたいなものは生きていけなくなってしまうんですね。なので浮葉ばっかりで見た目的に緑になってもそれがベストかっていうとそういうわけではないんです。環境省さんの方である程度取って管理できるようにしています。
植物が多いのは悪いことだけではなくて、それに付随して色んな昆虫なども多いので、魚ですとかトンボなどの種類も牛ヶ淵が一番多いです。植物もミクリですとか貴重な植物も水辺のちょっと浅いところに生えてますので、そういう意味では貴重な場所でもあります。ベニイトトンボですとかジュズカケハゼといった貴重種も住んでます。あとここにはヘイケボタルが住んでおりまして数は非常に少ないんですけど、そういった貴重なものがいます。
この堀だけの話ではないんですけれども、外来の生物、ウシガエルですとかザリガニですとかブラックバスとかいるん外来魚とかは取ったんですよね。なので今ここにブラックバスとかそういったものはいません。ただウシガエルとかアメリカザリガニはいてですね、まあウシガエルは他の生き物食べちゃったりして悪さをするんですけれども、実はアメリカザリガニも植物とか水生植物とかも食べてしまうのですが、小さいので色々な隙間に入ってしまうので取れないんですね。なのでまだたくさんいます。ウシガエルは一時頑張って取って非常に減ったんですけど、またちょっと増えてしまっているので今年確か駆除を行っています。
牛ヶ淵についてはそういうホタルを守るような動きですとか、水生植物の色んな種類が生えるようにということで浅瀬を作ってます。
で、トンボですとかが住みやすくしたり、鯉もそんなに肉食ではないですけど結構底をほじって植物とか取ってしまいますので、特に牛ヶ淵なんかは放されていたものが数がすごく多くてですね、ちょっとあまり多くなりすぎると色々他の希少な生き物なんかには悪い影響もあるということが言われています。
(プレック研究所 箕輪隆一さん)北の丸公園の中の管理で手を入れてそれによって生物多様性っていうのが維持されているってお話しをしましたが、ここも同じように、そのままにしておきますと蓮が一面を覆って、その隙間をヒシが占めるという形で二種類になってしまう。でもそれを部分的に切除することによってガマとかフトモそれからミクリのようなものが生えています。
お堀の水は繋がっていますよって言いましたが、皇居の中にはミクリの大群落があります。それの一部が浮遊してこちらのほうにきています。前は千鳥ヶ淵側にもいたそうなんですが、千鳥ヶ淵側の方は残念ながらもう今は途絶えてしまっていて、千鳥ヶ淵からこちら側に種が落ちてきてこの淵のところでまた育っているというようなことで繋がっていくというようなことになっています。


ヘイケボタルがいるってすごい!
牛ヶ淵の周りでは、ホタルが活動しやすいように近隣の協力を得て、お堀の周りの「明るさ」を抑える取り組みも進めているそう。
ホタルってきれいな水じゃないと住めないと言われます。皇居外苑のお堀の水は、かつては玉川上水から供給していましたが、新宿の淀橋浄水場の廃止とともに、現在は「雨水」に頼っているんだそうです。そこで、環境省が浄化施設を設置。今はお堀の水はくみ上げて浄化、またお堀に戻すという循環になっているんだそうです。

今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。ぜひこちらもお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Touch Me / 元気ロケッツ
・The Party Line / Belle And Sebastian

きょうは東京の真ん中にある、素晴らしい森の散策をレポートします。
場所は皇居に隣接する、千鳥ヶ淵と北の丸公園。
桜の名所としても知られるこの場所は、実は東京とは思えない!と専門家も驚くほど貴重な森が広がっているんです。
今回参加したのは、「千鳥ヶ淵の自然再生ガイダンスツアー」というもの。
東京では珍しいほど、豊かな自然で構成されているという千鳥ヶ淵ですが、近年は、水質の悪化、名物の桜の老化など、課題も多かったそうです。
そんな中、平成25年に環境省が、環境を再生するプランを立ち上げまして、その一環として行われているのが、このツアー。
千鳥ヶ淵周辺の環境を再生する取り組み、貴重な植物、そして皇居周辺ならではの歴史を感じられる史跡など、様々なことを学び、楽しむことができるツアーです。
ツアーのスタート地点は、日本武道館にほど近い、北の丸公園の休憩場。散策は、北の丸公園内の大きな池のまわりから始まりました。日本全国で、森や自然の調査などをしているプレック研究所 箕輪隆一さんが解説してくださいました。

こちらの池の水は循環で上の滝から落とすような形になっています。全体に北の丸公園というのはひとつは皇居の中の緑というのがデザインの基になっています。やはり皇居の中にもこういう流れがあって、滝があって日本庭園やその循環式の庭園みたいなものがある。それをモチーフとしてこういった山を作り、滝を作り渓谷をというような形のデザインがされているわけです。
千鳥ヶ淵の堤塘、堤塘と申しますのはこの草土手の部分のことを言いますが、堀があってこの草土手があって石垣がある。これは江戸城の史跡の一部です。江戸城は元々は軍事施設ですから勾配は非常にきつくなっていて、上がりにくい、いわゆる安息角(土などを積み上げたときに自発的に崩れることなく安定を保つ斜面の最大角度)といわれている35度を超えるくらいの勾配にしてあります。ということはカチカチに固めてある。その上に草が生えています。江戸時代はここには立木はもちろんなかったわけです。木がありますと敵が入ってきたときにそこを足掛かりに入ってきてしまいますし、火災のもとです。だから元々草土手で維持されてたものが、戦後段々と桜が植えられたり松を植えたりして現在の姿になってきました。ここの土は固めてありますから、なかなか根が入りにくい。ですので、大きな木を支えるにはちょっと難しい状況の中で、このソメイヨシノも次第に難しい状況に入りつつあります。

さて、江戸時代から何度も刈り取りをして草土手として維持されてきたものですから、ここにはまさにタイムカプセルのように、23区内ではもうほとんどないというようなものがこの土手に生えています。例えばソバナっていうツリガネニンジンに近い仲間ですね。あとニリンソウという春植物も生えいています。春に白い花が咲きまして一面出るんですが、夏には跡形もなくなってしまう。そういうようなものとか、キツネノカミソリ、それからヒガンバナなどいろんな植物がここの土手のところにいます。それらは森林に依存している植物ではなくて、草地系のものが多く、それらが刈り取りをすることによって維持されていうような状況になっています。


千鳥ヶ淵には、桜の木がたくさんありますが、あれは手入れをすることで「草地」をキープできているのだそうなんですね。日本の気候は、自然に森ができる気候なので、草刈りをしないと木が生い茂ってしまうそうです。
そして、千鳥ヶ淵の土は桜大きな桜を支えるには固すぎるそうで、2年前の大雪で、根っこごと倒れてしまった桜もあるといいます。ちなみに、ここの400本の桜は、実は江戸時代にはなく、全て昭和30年代に植えられたものなんです。
続いては、千鳥ヶ淵とつながる、北の丸公園の「森」のお話です。

ここは江戸城の中でも北の丸という名前の通り、田安家、清水家、徳川三卿と呼ばれています、二つのおうちのお屋敷があったところです。そのあとは近衛師団の練兵場がありました
北の丸公園は19ヘクタールありますが、この中で高等植物が743種あります。こんな都心の中にそれだけのものがあるんです。もちろんその種類の中には、戦後、色んなとこから運んできた木の土の中に付いていたっていうものもあると思います。その中で例えばキンランのような、雑木林の中の野生ランが出てきたり、タシロランみたいなものが出てきたりっていうようなことで、ちょっとびっくりというような状況があります。

こういう状況の中で皇居の森との一体性っていうものを確保するための林づくりっていうのを意図しております。皇居の森というと、鎮守の森みたいなところかという風にみなさんイメージされると思います。もちろんうっそうとした原生林のようなところもあります。合わせて雑木林みたいなのもある。それからサクラ林もある。それから宮殿回りなどのところではよく手を入れられた日本庭園があります。見事に手入れされた庭園のすぐバックに原生林に近いような林があったり、雑木林があったり、そういうような一個一個のパーツが非常に高品質の状況で維持されてることによって、ここを遥かに超える豊富な生物がいて、まさに絶滅危惧種だらけと言ってもいいような状況になっています。
皇居の森はもちろん一般の方たちに入って見て頂くっていうことはなかなかできない。であれば、なるべくそういったような良質な自然のファクターというものを見習って再生ができないだろうかと考えているわけです。もちろんそういった原生林的なものっていうのはなかなか作ろうと思ってもできないわけですけれども、それに近いような雑木林があり、よく手入れされた庭園あり、そのバックには鎮守の森的なものもあるというような、いくつもの自然が色んな生息環境が良質な状況でモザイクになってるといような状況を作ることによって、四季折々楽しめて、なおかつ生物的な資源っていうものも保全できるような、そういったような森づくりをするというようなことを考えています。
なおかつ、例えば今の時期ですと、この上をシジュウカラとかエナガとかがその上を飛んで行くというような状況になってきます。そういったような良好な生息環境であり、また人が楽しめる都市の中の公園としても楽しめる。で、様々な生物にとっても人にとっても、よりプラスになるような方向に森林を育成していこうということで、今色んなプランが練られてる状況です。
またお濠の方でも色々な仕組みを作りながら、岸部に植物が生えるようにしたり、浅瀬を作ったりして生物多様性が高まるようなことを色々とプランニングをしています。もちろん水の浄化もしておりまして、合わせてそういったような生育環境を増やそうということで仕組みを作りつつあるというような状況です。


今回のお話いかがだったでしょうか。来週も引き続き「千鳥ヶ淵の自然再生ガイダンスツアー」の模様をお届けします。次回は動物編です。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Long Kiss Good Bye / HALCALI
・One Call Away / Charlie Puth
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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