今回は10月14日(土)、福島県南相馬市・原町区で行われた第五回 福島県「南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」のレポートお伝えします。
この植樹祭を主催する 鎮守の森のプロジェクトはこれまで、宮城県岩沼市、そしてこちら福島南相馬市などに、およそ41万本の苗木を植樹。神社の「鎮守の森」をモデルに、東日本大震災、阪神大震災でも防災・減災効果が注目された「命を守る森づくり」を、広げていこうと活動を続けています。

南相馬市での植樹祭は、これで5回目。南相馬市、桜井市長は開会式で参加ボランティアの方に、こんなメッセージを伝えました。

〜桜井市長の開会式でのあいさつ〜
震災から6年7ヶ月が経過しました。636人が犠牲になり、まだ111名が家族とも会えていない状況になっています。みなさんが植えてくださる一本一本は、亡くなられた方々だけではなく、これからここに暮らす人たちにとっても生活と命を守る木として、大きく成長することと思います。一本一本、心を込めて植樹していただきたいと思います。

今回で5回目となるこの植樹祭では、恒例となっていることがあります。世界各地で植樹指導をしている植物生態学者・宮脇昭さん、そしてそのお弟子さんたちの「植樹指導」です。今回は宮脇さんに師事した、横浜国立大学名誉教授、藤原一繪さんが植樹指導を行いました。

〜藤原一繪さんの植樹指導〜
この土地のものを、根がしっかりした苗木を混植する。混ぜて、競争させる。赤ちゃんのうちは雑草を取ってあげてください。その代わり、3年で、何もしなくても自立して立派な未来の森を築いてくれます。もうすでにいろいろな場所で森が出来上がってきています。この南相馬の森でも、10年前、12年前に植えた馬追場のコースの周りには立派な森が出来上がっているんです。この地域の寄木神社には、あの津波にも絶えたタブノキの森がいまだに残っています。それから、アカガシが相馬市の屋敷林や山にたくさんあります。シイ、タブ、カシ。これが重要です。10年で6mも芽を伸ばすんです。そして火に対しても強い。この集団が津波に対しても強いのです。これを混ぜる、隣り合わせに違う木を密植して、競争できるようにします。

そして大変な雨の中、なんと2300人のボランティアの方々がいっしょうけんめいに植樹を行いました。

地元から参加した女性
ここからすぐ近くに主人の実家があって、流されました。主人の親戚とか、いとことかは15人くらい行方不明になったり流されたりしました。じっとしていられなくて、3日目には戻って遺体捜索を手伝ったということがありまして、やはりみなさんで、こうしようと決めたことなので、少しでも手伝って弔ってあげたいっていう気持ちはやっぱりありますね。
今回のような未曾有の災害がないことを願っていますが、やはりそういうことがあったときにこれが役立ってくれたらいいなという気持ちはありますね。


原町から母娘で参加したお母さん
ちょうど震災のときに生まれて一ヶ月。仙台に6年くらい住んでいて、春に戻ってきました。植樹祭への参加は初めてです。やはり震災後、この沿岸沿いはびっくりするくらい変わってしまっていて、今日みなさんで植えた木が育って森になってくれたらと思います。子どもも楽しんでいて、自分が植えた木がすごく大事みたいで、ずっとそこだけ見てます(笑)これから何年か後にこの場所に来たときに、このなかの一本が自分が植えた木なんだ、っていうことってすごいんじゃないかと本人も感じると思うので、とてもいい経験だったと思います。

二本松市から親子で参加したお父さん
子どもはしぶしぶ来たんですけど、実際に作業してみると「楽しい」って言っています。やっぱりこういう機会ってあまりないじゃないですか。子どもにとっては、こういうボランティアに参加して、実際に体を動かして楽しいっていう気持ちを醸成させるのにすごくいい機会だと思います。何年か経ったらここにまた足を運んで、自分で見て実感したいと思います。


この日は雨で、地面もドロドロにぬかるんでいたのですが、それでも2300人の方が参加して3万本の木を植えました。単純計算でも一人10本以上を植樹したのは、それだけみなさん強い思いを持って参加されたのだと思います。
津波の傷跡が残る場所ではありますが、地元の方にとって心の拠り所になるような場所になるといいなと思いました。
この植樹祭ですが、来年も行われます。すごく楽しいので、気になった方はぜひチェックしてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ステップアップLOVE / DAOKO × 岡村靖幸
・By Your Side / Sade
地球全体をフィールドに撮影を続ける自然写真家・高砂淳二さんのインタビューを数回に分けてお聴きいただいてきました。
進化の理屈ではとても説明できないような不思議な生き物の話。コスタリカの森の多様性、ハワイの森にいるという精霊の話。カナダで出会ったカメラ目線のグリズリーのお話・・・など、本当に面白いお話、たくさん聞かせてもらいましたが、最後は、40年ちかく世界の自然を見つめてきた高砂さんが思う「日本の自然」の魅力です。


国内で好きで撮影に行くのは小笠原とか沖縄とか行きますけども、小笠原は秋とかいいんですよ。9〜10月はマッコウクジラが見やすくなる季節なんです。マッコウクジラを見られるところというのは、世界的にもすごく限られていて、マッコウクジラは500〜1000mの深さまで潜って、ダイオウイカを食べるんですよ。小笠原のあたりは一気に1000mくらい落ちているドロップオフがあるんですね。ですからちょうど、マッコウクジラたちには絶好のポイントなんです。それで、9月〜10月くらいになると台風も収まって、マッコウクジラを見やすい時期に入るんです。
マッコウクジラっておもしろくって、クジラやイルカの仲間は超音波を出して、それで透明度の低い海の中でも、超音波の跳ね返ってくるものを聴いて周るの状況を把握するんですが、マッコウクジラは深海に潜るということもあって、その超音波がすごく鋭いんです。クリック音というのですが、「クリッ、クリッ」って音波を出します。それで、全然姿が見えないような向こうから、クリック音を僕に浴びせかけてくるんですよね。で、だんだん近づいてきて、やっと姿が見えるくらいになると、その「クリッ、クリッ」っていう音が体の中に響くような、刺さるような感じになって、「俺のことをスキャンしてる!」みたいな気になります。それはもう、動物の能力ってすごいなって思いますよね。
マッコウクジラは、こちらに興味があっても警戒心が強いので、こちらから向こうに泳いでいくと、すぐに進路を変えたり、潜っていってしまいます。だから、ひたすら水に溶け込むようにして、じっと待っているんです。その間、僕に超音波を浴びせかけて、スキャンしながら見ているんですよね。
マッコウクジラは四角いユニークなおでこの顔なんですが、その頭がズーンと近づいてきて、まるで魚雷みたいです。それで、ある程度まで来て、こちらがどういうものかわかると、すっと潜っていったり、進行方向を変えたりします。好奇心が満たされて警戒心が出てくるんですね。でも向こうが落ち着いているときだと、ふわっと浮かんでいてくれたりしますね。マッコウクジラの体は深く潜れるようになっていて、胸ビレなんかもピタッとくっつけることができて、本当に魚雷型になれるんですよ。


〜怖くはないんですか?
怖くはないですね。でも向こうが怒っていたら何するかはわからないですよね。ハクジラという種類はそういうことをする可能性もあるんです。でもこちらが、何もしなければ、危害を加えられることはないと思っていますけどね。でもすごく興奮しているんですよ。心臓もドキドキしているし、もっと近くまで来てくれって。

〜なんだかその気持もクリック音で見透かされてしまいそうですね。
本当ですね。イルカなんかも超音波でお腹の中に赤ちゃんがいることがわかって、優しく来たりもすると言われていますね。面白いですよね。

〜高砂さんのご出身の石巻のお話も伺いたいのですが、石巻は秋から冬にかけてはどんな景色になりますか?
どちらかというと、石巻の海は”見る”海、写真を撮る海というよりは、”食べる”海なんですよね。やっぱり秋はおいしい魚がいっぱい上がってきて、カツオなんかも戻っていく途中に近くを通りますし、わざわざここを通ってくれてありがとう(笑)という感じですよね。牡蠣もいっぱい獲れます。
でも景観としては、津波の後、大きな堤防ができてかなり変わってしまって、ちょっとがっかりですよね。小さい頃は、遊ぶところはいつも海だったし、食べるものも朝昼晩、いつも海のものばかりでした。しかもその季節のものが食卓にのってくるから、海に生かされているという感じでした。うちの周りも水産加工場がありましたし、家の前が水産高校でしたし、その周りは牡蠣の養殖をやっている人たちばかりでしたし、本当に海で生きているような街でしたね。


〜この先に撮ってみたい動物っていますか?
僕がよく思うのは、クジラにしても、イワシにしても、”海洋資源”っていうじゃないですか。僕に言わせれば、同じ命を持った生き物だから、食べるときはひとつの命を食べているという意識を持った方がいいし、海洋生物はそもそも人間のための資源じゃないと思う。それを他の人にも伝えたいですし、そういう気持ちを持てるような、命を感じる写真をもっと撮りたいと思いますね。

高砂淳二さんのお話、いかがだったでしょうか。高砂さんの新しい写真集『LIGHT on LIFE』は小学館から出ています。詳しくは高砂さんのホームページ、facebookなどをごらんください。


「LIGHT on LIFE」(小学館)

高砂淳二さんウェブサイト→http://junjitakasago.com/
高砂淳二さんfacebookページ→https://www.facebook.com/JunjiTakasago

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Little of Your Love / Haim
・Fallin' / Suchmos
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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