プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週は、作家で環境活動家のC.W.ニコルさんが理事長を務める『アファンの森財団』の
10周年シンポジウムの模様をお届けします。

ニコルさんが長野県黒姫で森作りを始めたのはもう30年近く前のこと。
地元猟友会の猟師で、ニコルさんが「森の番人」とよぶ松木信義さんと
二人三脚で豊かな森は作られました。

この日行われたシンポジウムでは、まずニコルさんの基調講演が行われ、
松木さんとの出会いや森作りを通じてニコルさんが感じてきたことが語られました。


先週に引き続き静岡県・浜松市天竜区、天竜川の流域にある森林で行われた伐採体験ツアー『与作ツアー』の模様をお届けします。
このツアーは天竜川流域の林業家や材木店の方の案内で行われるもので、日本の人工林の中でもっとも美しい杉林のひとつといわれる「天竜の杉林」に触れながら、その杉が材木として生まれ変わる過程を見ることができるイベントです。

先週は樹齢70年という大きな杉の木が切り倒される様子、そして切り倒された木を、そのまま山の上で放置して木の含水率を下げる『葉枯らし乾燥』のお話をお届けしました。
自然に逆らわず、自然の営みに任せる。この考えは、ほかの様々な場面にも生かされています。それは木を伐採する季節にも「旬」があるようです。

天竜で林業を営む、榊原商店・榊原正三さんのお話しです。
◆伐採の時期
伐採の時期は8月以降、9月から3月に切るとよいと昔から言われている。8月以降は木の成長がとまる。その時期に切ると虫もカビもつきにくい。春から夏はダメ。木の中に養分がいっぱいあるからカビて虫がついてしまう。


さらに榊原商店では、伐採の時期についてもう1つ、自然が刻むリズムに合わせたこだわりがあります。それは月の満ち欠け。「新月」に合わせて木を切る『新月伐採』です。

◆『新月伐採』
新月伐採に巡り会えたのは2003年6月5日。オーストリアの営林に携わるエルビン・トーマスさんが来日。月が欠けていく時に木を切ると虫がつきにくく長持ちすると言われた。その講演を聴き、私の考えとぴったりあったので驚いた。経験則からいうと「おかしい」というのは分かっていた。伐採した木の半分がシロアリで穴が開く木が多かった。同じような管理をしても全体の半分がそうなるのでおかしい?と思っていた。そこでトーマスの月が欠けた時に木を切るという教えをやってみたら、新月の前はカビない。満月だとカビる。満月の前はシロアリに食われるが、新月の前は食われない。月の半分で全然違う結果になった。1本で二股の木でも試したが、片方は新月前、片方は満月前に切ると、結果はやはり同じだった。京都大学の先生に養分を調べて貰ったら、満月前と新月前では新月前は乾燥後に養分がなくなっていった。満月前は養分が残っている。これが虫やカビの原因だと発表。実験の結果が出ているということ。


林業歴43年の榊原さんが新月伐採に出会ったのはたった10年前。つい最近のこと。でも、この新月伐採という手法は、実は、はるか昔から存在したといいます。

◆500年前の古文書
この手法は、当たり前だったのがいつしか忘れられてしまったのだろう。裏付けの根拠がある。500年前の建築業界最古の本「愚子見記」を調べたところ、「竹は八月の闇に切ると良い」と書かれていた。つまり「闇」とは新月のこと。新月に切れと500年前の本でも表している。

◆法隆寺の宮大工も・・・
日本の木造住宅最古のもの、奈良の法隆寺の宮大工、西岡 常一(寺院建築の技術を後世に伝えるなど「最後の宮大工」と称された)さんが、設計事務所と対談した時に、木は8月の闇に切れと伝えている。そういう言い伝えがあったが、それがいつしか忘れられた。科学的根拠のない頃から、木を扱う人たちが経験則でそれにたどり着いたことに本当に頭が下がります。

◆木のトレーサビリティ(履歴証明)
こういった話はロマンがあるので「うちはやっている」というところがいっぱいある。でも、第三者がみて間違いなく月が欠けていく時に切っているかどうかは定かではない。トレーサビリティがしっかりしていて初めて第三者に信頼される。だから私達は伐採した瞬間からバーコード管理をして、ユーザーが追跡調査できるよう、木のトレーサビリティを2003年からやっている。また、実際に山に入ってもらい、一緒に伐採を体験してもらうことで木に対する理解を深め、付加価値をつけて買ってもらうことで、また山にお金を戻せる。私たちの材料を使ってくれた人が喜び、家が建ったときにお礼を言ってくれる人がたくさんいる。この仕事をやっていて、エンドユーザーの信頼を得られたことは嬉しい。だから山で、私のやっていることをどんどん観て欲しい。


浜松市「天竜の杉林」の伐採体験イベント「与作ツアー」は、また9月から始まります。
興味のある方は、こちらにお問い合わせください。
榊原商店のホームページ
天竜 T.Sドライシステム共同組合
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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