「オオカミと森の研究所」朝倉裕さんのインタビューを先々週からお届けしてきましたが、今週でラストとなります。
すでに海外では、実際にオオカミを森に戻すことで、自然のサイクルが劇的に改善した例もあるということですが、最後は、日本にオオカミが復活する可能性について伺っていきます。

〜狼と森の研究所の活動としては国内の導入について、いまどのぐらいの段階ですか?
アメリカではイエローストーンでのオオカミの再導入を政府が決めて市民にアピールし始めたんですけれども、日本では政府がその気がまだないので、市民が盛り上げて政治を動かしていかなければいけないですね。日本オオカミ協会のアンケートでは、10,000人ぐらいのサンプルで45%の賛成まで来ました。反対は10%ですね。ですので市民レベルではだいぶ浸透してきていますが、政治を動かすまでには至っていないですね。

〜知床を取材したときに、鹿に木の皮食べられてしまって、木が死んでしまうと言う話を聞いて深刻なんだなと思いました。オオカミの再導入によってなんとかできるといいですね。
知床ではまだ木が全部倒れる事態にはなってはいないですね。ただ奈良県の大台ケ原は1960年代後半から鹿が増え初めて、木の皮を剥がして、ほとんどの木が枯れてしまっています。ちょっと前は白骨樹林と呼ばれていました。白骨のように枯れた木が立っているんです。それがさらにひどくなって、木が倒れて、鹿が食べて短くなった笹の芝生になっている。知床の最後の形はお台ヶ原のような姿かと思いますね。

〜狼がの再導入によるデメリットはほぼない?
ほぼ考えられません。家畜が襲われると想像されるんですが、羊の放牧をしているドイツでは確かにデメリットかもしれない。でも、ガーディングドッグで被害が防げています。狼が近づいてきたら吠えるので、それを避けて帰ってしまう。狼は面倒なことが嫌いなんです。

〜人に危害が及ぶ危険はないのでしょうか?
危険はほぼないと考えられます。実際にオオカミが生息している地域の人の話を聞くと、全く意識にないんです。例えば私の仲間でアメリカのミネソタ州出身の女性がいますが、アメリカの五大湖のスペリオル湖の周辺にものすごいオオカミが多い。五千頭くらいいるんです。そのエリアに住んでいたり、キャンプをしたりしている人もいますが、どちらもオオカミの姿は見たことがないと言っています。時々遠吠えが聞こえてくる事があるくらいだそうです。
オオカミが人間を怖がっているんです。警戒心が強いし、五感が発達しているので人間が見つけるより前に彼らが見つけて逃げてしまいます。ヨーロッパでもオオカミの住んでいる地域の人たちは、見たことがないと言うことが多いですね。


〜他地域から連れてこられたオオカミはその環境に馴染めるのでしょうか?
なじみます。ハイイロオオカミの生息地を見ると、北極点から砂漠まで適応する動物なんですね。そういった柔軟性が高い。私としては、モンゴルから連れてくるのがいいかなと思っています。7〜8年前に日本オオカミ協会でシンポジウムをやったときに、横綱白鵬が来てくれて、彼がその時に言っていたのが、モンゴルでも乱獲があって、家畜を守るために駆除していることが多い。今どれぐらい残っているかわからない。だけどモンゴルの狼を日本の再導入していれば、仮にモンゴルで絶滅に瀕したとしても、また日本から戻せるかもしれない、と言うんですね。友好関係にある国とオオカミの再導入で協力できれば、良いなと思っています。

「オオカミと森の研究所」朝倉裕さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。「オオカミと森の研究所」についてはFacebookページで、情報を発信していますので、気になる方はこちらもチェックしてみて下さい!
https://www.facebook.com/welcomewolf/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Gorgeous / テイラー・スウィフト
・ビッグ・アドベンチャー / ゴダイゴ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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