2015年6月25日

6月25日 沿岸部に広がる森づくり・福島県相馬市の「平成の杜」

今朝は、東北沿岸部を中心に広がる、「森の防潮堤」について、お伝えします。

『瓦礫を活かす森の防潮堤プロジェクト』を中心とした、被災地沿岸部に、小高い丘を作り、苗木を植え森を育て、命を守る防潮堤を作るというもの。

すでに宮城県仙台市、岩沼市、福島県南相馬市で、15万本以上が植樹され、今年も5月に岩沼市で、7月4日(土)には福島県相馬市で植樹祭が行われます。

先月の岩沼市の植樹祭も、地元の方はじめ5000人のボランティアが思い思いに苗木を植える姿がありました。


◆地元の方の声
岩沼に職場があって、家族つれてきました。一本でも植えればああ俺らが植えたんだなって感じで思い出す。子どもたちにやらせて、大きくなったら「自分らが植えたんだよ」って教えれば想い出になりますよね。貢献できたなと。やってよかったです。


この岩沼市の植樹祭には、現・岩沼市長も参加。菊地ひろお市長のお話です。

◆復興のシンボルに
(震災から4年、どんな存在の森になってほしいか)最初の目的からすると津波の力をそぐための森。早く伸びてもらいたい。あとは自然にうまく溶け込んでほしい。海岸沿いなので潮風の影響も或る。潮風を防ぐためにも役に立つ逆に。早く木が伸びるのを楽しみにしたい(憩いの場にもなる)10キロを丘で結び、桜や菜の花を植える。楽しみに集まれるようにして行きたい。そしてだんだん木が伸びて、1年、2年と当然高さが変わる。感じられる。復興のシンボルになる。危険区域を上手く利用して波を食い止めれば西側のトチは安心して使える。町づくりの一つ。(県外の方でも、支援の仕方が分からない人もシンボルに携われば支援できる)ぜひ草取りにおいで下さい。お待ちしています。





会場には森の長城プロジェクト理事長の細川護熙さんの姿も!

この住民参加の森づくりの動きは、徐々に広がっています。次は7月4日(土)福島県相馬市の光陽サッカー場に隣接する敷地で、住民と相馬市が協力する形で開催。

植樹を経験して、1年後・2年後にその場所へ行くと、徐々に成長していく森の姿を見る喜びもあると言います。
参加者の方の中には、地元岩沼の方もたくさん。「みんな参加しているので、ずっと来ようと思っていた。」と初参加の方も。また、宮城県栗原からやってきたという社会人1年生は「初参加だが、思い出に残った。徐々に緑が増えるのを大人になっても楽しみに参加したい」と話していました。
また、単身赴任で仙台在住だという男性は「仙台では震災の爪痕がほとんどないので忘れがち。一年に一度こういうことをやってあの時のことを思い出している。復興もまだまだだなと、もう一度認識してなにかできないかと一年に一度思い出すためにも良いかなと思っている。」と語っていました。

***

そして、7月4日(土)に福島県相馬市 『相馬光陽サッカー場』で行われる植樹祭は、津波の被害を受け、大規模改修が行われたサッカー場の周囲を森で囲うというもの。

このサッカー場は子どもたちの試合、大きな大会、学生の合宿でも使用されており、森の防潮堤を作ることで子どもたちの命を守る目的もあるといいます。また沿岸部で風が強いため、防風林の役割も担うということです。

相馬光陽サッカー場 「平成の杜」植樹ボランティア情報はこちら

この日は、サッカー界の協力として、植樹祭の後に湘南ベルマーレの選手たちが子どもサッカー教室を開く予定。また、ルー大柴さん、くまもんも特別ゲストで登場します。参加申し込み締め切りは7月2日(木)。

2015年6月24日

6月24日 東松島市東名の牡蠣漁師3

宮城県東松島市東名の、若き牡蠣漁師、阿部晃也さんは、全国の業者が買い付ける 質の高い「奥松島の種牡蠣」を自ら育てる一方、 私たち一般の人向けの、殻付きの牡蠣を販売しています。

阿部さんが運営する「奥松島水産」で、大きな水槽いっぱいに積まれた牡蠣を見ながら、そのこだわりを伺いました。



◆自然のままの牡蠣を提供する
選別して選りすぐりのやつが全部1個1個に分けられる。サイズと形の良いもので。でも牡蠣って大きさじゃない。殻を食べるわけではないので小さくてもどうやって実入りを良くするかがテーマなんですね。見た目じゃなくて中身。重みのあるものを選んで。うちはこれを洗浄しないでそのまま出荷します。というのは牡蠣が服を着ているようなものなので、東京に裸で行けないじゃないですか。それと一緒。オイスターバーとかは「ピカピカに磨いてくれ」って注文するところもあるが、うちはそういうところには出さない。自然のままで出したいなと。あんまり手を加えないでやりたいと思っている。


実は今シーズンの牡蠣販売はすでに終了しています。次は今年10月から。ぜひその時期に東名へお出かけ下さい!
ちなみに高橋万里恵が仙石線の全線開通イベントで食べた牡蠣が、この阿部さんの牡蠣。塩分濃度がちょうどよくて、「いままで食べた宮城の牡蠣の中で一番美しかったかも!100個食べたい!」だそう。その美味しさのヒミツはなんなのか。教えてもらいました。

◆絶妙の漁場が生み出す無敵の牡蠣
大きいやつにこだわらず、殻の成長を止めて実入りを良くするというやり方は親父と違う。全国的にも珍しくて、奥松島の東名は1年物の牡蠣。1年で出荷できるのは汽水域という海水と淡水が混ざり合い、牡蠣にベストな環境だから。縮まらないしクセもない。自信がある。牡蠣専門で牡蠣以外やっていないのでこれで負けたら他で勝てるところが無いので(笑) 牡蠣に関しては譲れないという気持ちがある。他の海だとどうしても川の水が流れているところが無いんだけど、こっちは本当に海水と淡水の混ざり合いが絶妙の漁場。塩分濃度がほかより低いので臭みがない。殻つきは蒸してもらうのがベスト。むき身だと天ぷらがおススメ。フライってどうしても牡蠣の味を消すとしか思えない。天ぷらがおすすめ。天ぷらは地元でもあまりないが、東松島市内の居酒屋さんなら持ち込みで頼めばやってくれる。生ガキはうちに来てもらったほうがいい。それこそ居酒屋さんも色々あるので生はその時期になればどこでも食べられる。


この奥松島の牡蠣を育てる技術は、50年かけて培われたもの。お父さんから跡を継ぎ、3代目として海で働く阿部さんはこの仕事を、次の世代へと受け継ぎたいと考えています。

◆ライバルは太平洋!
親孝行、親父が喜んでいる顔が見たいし直接聞きたい。あとは浜全体の底上げ。自分も子どもがいるが、自然に「牡蠣をやりたい、海の仕事がしたい」と言われるような親父になりたい。今は子どもが2人いて、3人目がもうすぐ生まれる。5歳・3歳。二人とも海が好きですよ。遊びながらその中の一部に海があってもいいかなと。選択肢の一つとして考えてもらえればなと思うので。どんなにやんちゃをしても海には通用しない。いっぱいやんちゃして、海にぎゃふんと言わせてもらって下さいという感じ。今の俺みたいなもの。つっぱっててもしょうがないよね。そういうのを自然に学んでほしい。
ライバルですか?・・・太平洋ですかね。それが俺らの中でトップなので、やっぱり自然の力が一番なので、考え過ぎてもよくないしシンプルに行った方がいいのかなと思ったりしますね。たまに。(太平洋に勝ってますか)いや・・・どうすかね(笑)。まだまだじゃないですかやっぱり。



Photo by 東松島食べる通信

阿部さんは、地元の「底上げ」を目指して、子どもたちに海に親しんでもらうイベントも計画しています。この夏も、7月20日「海の日」に野蒜海岸での「地引き網」を実施する予定。ボランティアを集めてのビーチクリーンイベント等も企画しています。

そして奥松島では、まもなく牡蠣の抱卵の時季を迎え、種牡蠣づくりの本番を迎えます。

阿部晃也さん「奥松島水産」オンラインサイト

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パーソナリティ 鈴村健一

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