2014年11月20日

参加者募集 Support Our Kids アメリカホームステイ

番組でこれまでもお伝えしてきた、 「Support Our Kids」のプログラム新規参加者募集のお知らせです。

「Support Our Kids」は、東日本大震災で被災した中・高校生が対象の、海外研修のプログラム。今回のステイ先はアメリカです。日程は来年3月。シアトルなどアメリカの3都市を訪ねて、2週間の文化交流やホームステイを体験します。
「海外ホームステイに興味がある!」「日本の魅力や文化を英語で発信したい!」そんな東北の中・高校生の方、詳しくは「Support Our Kids」のオフィシャルサイトをチェックしてください。

2014年11月20日

11月20日 映画『フタバから遠く離れて 第二部』(4)

今週は、映画「フタバから遠く離れて【第二部】」、舩橋敦監督のインタビューです。舩橋監督は震災直後から、双葉町の町民の避難生活を取材。今回映画の「第二部」が完成し、先日公開が始まりました。

原発事故の影響で、町民が長期の避難生活を強いられている福島県双葉町。町の90%以上が、帰還の見通しが立たない「帰還困難区域」に指定されています。 避難生活が長引く中で、コミュニティは分断され、新たに「中間貯蔵施設」の建設に関する波紋も広がっています。

「福島の原発事故は収束した」という表現に、強い違和感を持つという舩橋監督。鹿児島県、川内原発の再稼働にも、大きな危惧を抱いています。

◆性善説ではなく、性悪説
日本は福島の反省が全くできていないというか、再稼働の文脈の中で福島の話をしようとしない。それは政府が意図的に切り分けているんだと思うが、鹿児島の川内原発について、新規性基準という原発事故の後にできた基準(津波に耐えられるか、火災が起きたときどうするか)というのは世界一厳しいもので、それにパスしたから大丈夫と言っているが、それはハードの問題だけ。
原発の箱の話しだけで、もし事故になったらどうするのか。どう逃げるのか。原発事故後最低でも30キロ圏内は避難区域にしなくちゃいけないが、そこの住民がどうやって逃げるのかを計画しなきゃいけないし、準備しなきゃいけない。
福島の教訓を踏まえるなら、避難計画だけでなく、双葉町のように避難生活が長引いたときにどこに住みのか。騎西高校のように学校に住むのか。川内のどこに住むのか。避難生活の計画も立てなければいけないし、除染計画、賠償計画、帰還計画、さらには中間貯蔵計画も作らなければいけない。そういう話をし始めたら(原発を)動かしたがらないのは目に見えているから、できるだけもしもの話をしようとしない、という新たな安全神話が生まれた。
一番はっきりさせなければいけないのは賠償。今回の福島で明らかになったのは、とても裕福な暮らしをしたり、金銭では測れないけれども豊かな暮らしをしていた人たちが、全部はぎ取られて、賠償のお金だけもらって、それも十分でなくて、慣れない土地の小さなアパートに住まわされているという、生活のグレードが100あったら50ぐらいまで落とされているという形になっている。
事故が起きたら、自分たちの生活設計が全部くるって、生活のグレードが半分になってしまうというのがいまの福島の現状。鹿児島、川内の方がそこまで覚悟しているんだろうか。契約書を作るべき。九州電力と地元の方が、(事故が起こったら)100%賠償するということを飲ませないとだめだと思う。
まさしく双葉町と大熊町が東京電力と結んだ契約というのがある。モニタリングポストはどこに設置してどれくらい放射能漏れがないか検知するとか、燃料棒の安全対策とか。でも肝心なもしものときの項目は一項目だけ。そこには「東京電力は誠意を持って対応する」とある(笑)。それだけ。いまの状況が「誠意」ということ。
だから性善説はだめ。性悪説でいかないと。人間はどっかでちょろまかそうとうする。どっかで賠償をちょっとでも少なくしようとする。日本人のお人よし体質は捨てなきゃいけない。川内原発を動かすんだったら、地元と電力会社がはっきりと契約書を結んで、もしものことがあったらここまで賠償しろよというのを具体的な数字まで出すべき。そうすると、原発を動かすことにものすごくリスクがあるんじゃないのと、九電も考えると思う。こんなリスクをしょってまで動かしていいのかと。



映画「フタバから遠く離れて【第二部】」は現在、東京・東中野の「ポレポレ東中野」で公開中です。
舩橋監督のトークイベントも予定されています。詳しくは「ポレポレ東中野」のオフィシャルサイトで確認してください。

『フタバから遠く離れて 第二部』 公式サイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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