2014年9月18日

9月17日 東北沿岸700?を大学生が歩いてつなぐ旅(9)

「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」。3週間の旅を終えた、8人の学生の声をお届けしています。

青森県八戸から福島県相馬まで、東北沿岸部を繋ぐ全長700キロの歩く旅の道「みちのく潮風トレイル」。それぞれテーマを掲げて旅に臨んだ8人が、旅を終え、どんな道が見えたのでしょうか。最後は北上チームのリーダー、小松大知くんです。


◆東北のモノゴコロ
東北芸術工科大学3年の小松大知です。北上チームの代表をしております。私が掲げた旅のテーマは「東北のモノゴコロ」ということで、モノ作りとその裏にある精神や想いを拾っていくたびにしようと思っていました。様々なモノづくりをしている方に会いました。陸前小野駅という駅があるんですが、そこの仮設住宅で作られている「おのくん人形」を仮設のお母さんたちが生きがいとして作っていて、世界的にも注目、人気があって日本中から買いに来る方がたくさんいて。震災で色んな産業、モノづくりが失われたところもたくさんあったがそれでも今までの伝統の漁を続けたいと言っている漁師さんがいたり、何もなくなったけど自分たちにあるもの、できることだけでものを作っていこう、生きがいにしていこうという形で誇りを持ってやられているのを感じたし感動しました。やはりなにかデザインでできる部分がもっとたくさんあるんじゃないかと思ったところもすごくありました。商店街ひとつとってもデザインの力をすごく感じていて、デザイナーやモノづくりをする人が入って協力しているような商店街はすごく活性化しているし外からもお客さんが来ている。自分たちのようのものを作る力を持った人たちがもっと協力してその土地を活性化してもりあげるものを作れる可能性を秘めている場所だと思います。でもやっぱり東北というのはまだまだ生活の再建だとかそういうものに追われてしまってなかなか発揮できていないところも様々ありますし、モノ作りとか産業はこれからようやく立ち上がって、東北を支えるようなものになっていくのではないかと今は感じています。


8月20日。南北に分かれて旅した8人の学生は、9月11日。震災から3年半の日に、岩手県大船渡市「恋し浜駅」で再会を果たしました。そして8人は、恋し浜駅の名物「ホタテの絵馬」に、それぞれの想いを、メッセージに残しています。

◆ホタテに書いた想い 「道は続く・・・」
私からは「道は続く」という言葉にしました。23日間歩いてきて、全員が成長できたと思うし色々と考えることが出来た道だと思うんですけど、その道がやっぱり100年後残っていなくてはいけない、残っていてほしい。この経験をもとに自分たちはこの道を続けていくために何ができるのかを考えながら、自分の道も歩いていけたらいいなと言う意味も込めて「道は続く」。東北の道がいつまでも残ってもらえたらいいなと思っています。みなさんお疲れ様でした。





また、8人の旅の様子は、facebookでも報告されています。ぜひ覗いてみてください!
そして次はあなたがぜひ東北沿岸を歩く旅へ出かけてみてはいかがでしょうか!東北沿岸部を、歩いて旅するトレイルコース『みちのく潮風トレイル』は、旅を楽しむための整備も進んでいます。例えば、青森県八戸から、岩手県久慈までの区間では、この夏にスタンプポイントが設けられ、この区間を歩き切ってスタンプをコンプリートすれば、証明書を発行してもらえるそうです。


「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」Facebook

「ランドネ」サイト

2014年9月17日

9月17日 東北沿岸700?を大学生が歩いてつなぐ旅(9)

「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」。3週間の旅を終えた、8人の学生たち一人一人の声をお届けしています。

それぞれテーマを掲げてこの旅に臨んだ8人は、旅を終えたいま、テーマに どんな答えを見出したのでしょう。きょうは2人の学生の声です。


◆記録することと記憶すること
秋田公立美術大学1年生の、北上チーム 山本はるひです。「力になれる形とは」というテーマで歩いてきました。今できることは記録することと記憶すること、それと細く長く関わっていくことだと思っています。誰かに問題提起をしたり誰かを変えたり世間の動きを変えたいわけではなく、自分が変わらないためにずっと東北に住んで震災を考え続けなければいけないなって。閖上中学校に慰霊碑があって、そこに亡くなられた生徒の方の名前が彫られていて、お母さんかお姉さんか分からないけど女性の方が真っ直ぐ慰霊碑に行って名前を一つ一つ手で撫でていたのを見ました。行かなければ分からない、その時にその場にいなければ分からない体験の様な気がして、その時起きたことをFacebookに投稿しようと思ったんですけど、なんと説明したらいいか分からなかった。悲しみを風化させないことが正しいことなのか分からないけど、どうしたらこの怖さや悲しみ、もう二度と起きてほしくないという気持ちを残せるんだろうと思っています。


神奈川出身・山本はるひさんは、大学1年生。2011年3月、震災のあった年はまだ中学生でした。このインタビューのあと、Facebookにはこんな言葉を描いています。
『もっと知りたい。ふれたい。見たい。体で感じたい。歩いていきたい。時間のある内に。生きている内に。旅から帰って以来、怖がっている暇が惜しいと思うのです。』


◆再認識した「日本人であること」
東京芸術大学 北上チームの武田力です。僕にとってのテーマは「日本人とはなんなのか」。もちろん日本人とはなんだというのを明確にいうことはできないけど、不思議なもので一つの共有感覚があったような気がするんですよね。日本人として311を共有しているという感覚があって。例えば僕は東京に住んでいるけど、「がんばろう日本」といろんなところに貼っているのが記号になりつつある、311が記号になっているようなところがあると思うんですけど、実際に被災地に足を運んでいろんな人にお話を伺って食べ物を食べて寝てということを繰り返しているうちに、日本人として311をどう思うか、みたいなことを、もちろん被災地に住まれている皆さんはより身近に感じているんだろうけども、同じテーマについて考えたり話したりするという意味で、強く日本人なんだなということを改めて認識させられた瞬間はあったんですね。あとはやっぱり神社仏閣をずっと歩いていて、自分のルーツじゃないけど、ずっと前の世代の人たちが築いていて、深いところで繋がっている感覚も得ることができたので、そういうところが糸口になってこれから先「日本人とは」ということを考えていけるんじゃないかなと思っています。


熊本県出身・武田力さん。芸術大学学生として演劇・パフォーマーの勉強をしています。海外の民俗芸能を学んだ経験もあり、被災地の神社仏閣に、それと共通するものを感じたと話しています。「日本人とはなんなのか」。これからも旅をつづけ、問い続けるとFacebookにメッセージしています。


「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」Facebook

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