2014年8月21日

8月21日 東北沿岸700?をゆく大学生の旅(2)

昨日に引き続き、東北沿岸700キロを巡る8人の大学生の、23日間の旅の続報です。

東北沿岸を歩いて旅するコース『みちのく潮風トレイル』を、大学生が実際に歩き、その記録をFacebookで発信するプロジェクト。 それが『あるいて、つないで、みちになる 僕らのみちのく潮風トレイル 東北沿岸700?』です。
8人のメンバーは2チームに分かれ、1チームは青森八戸市から南下、もう1チームは福島県相馬市から北上。目指すゴールは岩手県大船渡市三陸町「恋し浜」です。



すでに旅は始まっていますが、今朝は出発直前に語ってもらった 3人のインタビューをお届けします!

◆それぞれの、東北を歩く「理由」
☆小松大知(東北芸術工科大学3年生、プロダクトデザイン学科 宮城県仙台市出身)
デザインを学びたいと思って美術大学へ。震災が起きた後、東北ではデザインも震災を考えながら学びたいと思った。今回の企画は23日間、東北を歩き続けながら震災の記憶、食文化、人との出会いを肌で感じられる良い機会だと思って参加した。プロダクトデザインを学んでいるので「モノ」に興味がある。神社に馬のおみくじがあったり、自分が想像もしていないようなモノがたくさんあると思う。それは建築や特産物もそう。そういうものを見つけたいし裏側にある精神というかなぜ作られたのか、どういう想いで作られたのかを探求できればと思う。

☆山本はるひ(秋田公立美術大学1年生 神奈川県出身)
大学進学で秋田へ。テレビで起きていることでは実感が沸かず、被災した方々と感覚は全く違う。被災地のことを毎日考えなくても生きていける自分が、そういう環境で育った自分がどうやって力になれるんだろうと、その方法をずっと探していた。方法を探すだけではだめで、三陸沿岸など東北の文化そのものを読み解いて、知って、肌で歩いて感じて、形を見つけていこうと思い参加した。

☆佐藤亨(東北芸術工科大学3年生 建築環境デザイン学科 群馬県出身)
元々自分は高校を卒業してから6年間自衛隊に勤めていて、当時は南相馬に初日に入り、その後は2か月間、相馬で救命活動をしていた。最初の1か月間は常に遺体をあげ、確認してという作業が続いていて、自分もそうだったが周りのほかの隊員は精神的にかなりまいっていたという。その時手伝いをしていた地域で、現地で毎回顔を出す人がいて「ここには家があった」「ここの町は綺麗だった」という話を聞いたが、自分は撤去しかできず2か月後には戻ってしまった。でもまだできることがあるんじゃないかと思い、東北の大学の建築学科に入学して街づくりを勉強したいと思った。今回のトレイルで自分が活かせるのは体力面。アウトドアも好きなので、その知識も役立つのではないか。みんなのサポートができると思い参加した。




<南下チーム>※青森県八戸市より出発
佐藤亨(東北芸術工科大学3年(建築・環境デザイン学科)群馬県桐生市出身)※チ
ームリーダー
高橋麻里子(東北芸術工科大学2年(企画構想学科)宮城県仙台市出身)
森恭平(立命館大学2年(法学部法学科)大阪府大阪市出身)
姫田光(京都造形芸術大学(プロダクトデザイン学科)大阪府河南町出身)

<北上チーム>※福島県相馬市より出発
小松大知(東北芸術工科大学3年(プロダクトデザイン学科)宮城県仙台市出身)※
チームリーダー
大津悠美子(東北芸術工科大学4年(企画構想学科)宮城県仙台市出身)
武田力(東京藝術大学(geidaiRAM所属)熊本県熊本市出身)
山本はるひ(秋田公立美術大学1年 神奈川県泰野市出身)

***
プロダクトデザインを学ぶ小松大知さん。震災当時はまだ中学3年生だった、山本はるひ さんそして、自衛隊員として被災地支援をしたのち大学へ進学した 佐藤亨さん。3人の声をお届けしましたが、他にも個性的なメンバーがたくさんいるということです。
旅人達の目印は、こけしの杖と「あるいて つないで みちになる」のロゴ入りTシャツです!


明日は、このメンバーと、直接電話をつなぐ予定です!
⇒詳しくは、プロジェクトサイト と Facebookページ をご覧ください。

2014年8月20日

8月20日 東北沿岸700?をゆく大学生の旅(1)

今朝は、この夏、8人の若者たちが繰り広げる東北沿岸部700キロの旅! これをクローズアップします。

旅の舞台は、東北沿岸部『みちのく潮風トレイル』です。トレイルとは「歩いて旅するためのコース」のこと。青森県八戸市から、福島県相馬市までを繋ぐトレイルが来年の全線開通へ向け、徐々に整備されています。このトレイルを舞台に、8人の大学生によるプロジェクトが間もなく始まります。プロジェクトをサポートする、 東北芸術工科大学 准教授の宮本武典さんに伺いました。


◆あるいて、つないで、みちになる
僕らのプロジェクトは『あるいて、つないで、みちになる 僕らのみちのく潮風トレイル 三陸沿岸700?』。環境省が大震災で被災した三陸沿岸部の海岸線を700?に渡って結んでいくロングトレイルのコースを整備するという事業。そのコースを学生たちが、この夏23日間かけて有志として歩く。人数は8人で元々震災直後に山形の学生たちが立ち上げた復興支援のボランティア団体があり、震災直後から石巻や牡鹿半島にがれき撤去のボランティアで行っていて、3年ほど沿岸部とつながりを保っていたメンバー。いくつかの大学の学生が集まって700キロという距離を、八戸から気仙沼へ南下するチームと福島県の相馬地方から気仙沼へ北上するチームに分かれて踏破。350キロずつを歩き気仙沼で合流する形になる。



23日間、350キロ+350キロの旅。スタート日は・・・本日です!元々、被災地に特別な想いを持つ8人の大学生たちは、それぞれの目的を胸に、まもなく、旅の第一歩を踏み出します!

◆それぞれが目的を胸に。
歩くこと自体が目的ではない。歩いている土地が津波で被災した沿岸部なので色んなことを学生は考える。例えばリーダーの学生は建築を学んでいて、震災直後から沿岸部の状況を見てきた。もうすぐ4年が経過する中でどう変化しているのかがテーマになると思う。震災直後に大学に入学した大津さんという女子学生は今4年生。ラジオのパーソナリティになりたくて、卒業研究では「声で人と人とを繋げる」というテーマを掲げて取り組んでいる。彼女は旅をしながら土地土地で出会った人たちの声を拾って、言葉で700キロを繋いでいこうという個人テーマを掲げて歩く。頭やネットの中で考えるのではなく、現場でひとの声を広い、土地の風や匂いや手触りを感じて歩いてもらいたいという想いがある。リポートした内容はFacebookなどで随時発信する。最終的には学生たちの歩いた記録を本にして学生目線のガイドブックにする。この後歩く若い人たちの記録を活かしていただきたいという構想でいる。
           

ちなみに若き旅人たちは、目印を持っています。目印は、「持っている杖」。みちのく名産の「こけし」の形の杖をみんな持っています。(ちなみにこけしの顔は、メンバーそれぞれの顔そっくりにデザインされてるらしい)さらに、アウトドアブランド「モンベル」のおそろいの装備、プロジェクトのロゴの入ったTシャツを着ているので分かるはず!!

このプロジェクトは、一般の方の「スポット参戦」も可能。1日だけ一緒に歩きたい!という方もウェルカムだということです。


⇒詳しくは、プロジェクトサイト と Facebookページ をご覧ください。


明日は、出発直前に取材した、旅のメンバーたちの声をお届けします!
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パーソナリティ 鈴村健一

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