2014年8月5日

8月5日 WORK FOR 東北2

引き続き、東北被災地の自治体が、一般企業から人材を確保するためのマッチングプロジェクト『WORK FOR 東北』についてお伝えします。



先日 都内で行われた説明会では、岩手県釜石市、宮城県石巻市、福島県郡山市など、各自治体が、
「いま、どんな人材を求めているのか」について説明を行いました。

石巻市のプレゼンでは、笹野健副市長が壇上にあがり、会場に集まった一般企業の人事・CSR担当者に向け、こう呼びかけました。

◆求む!カツオのような人!
わたしども石巻市は、「なりわい」の確保に本格的に力を入れなければ行けない段階に入った。本当に膨大な事業を抱えている。市役所には1200人のプロパー職員がいるが、ほかの自治体、自治体を辞めた方、民間を辞めた方、JICAを辞めた方など340人の外部人材おり、市は内外人材の複合体になっている。これから、というかすでに始まっているのが、秋には(一部)完成する石巻の魚市場、来年夏には900m東洋一の市場が完成。そこに大量の生魚が入ってくる。それをどう売るかを考えなければ行けない。「売る」というチャレンジをする上で、支援頂ければと思う。実際にどういうタイプの方が活躍してほしいかというと「カツオのような人」。朝早くから魚市場で、けんけんがくがくと海の男とやりあえる強い男性・女性が欲しい。

笹野副市長の言う「なりわい」とは、つまり産業です。震災後、仮設で運営していた魚市場も再建が進み、実はきのう8月4日に一部が業務を開始。来年7月には新しい魚市場が完成する見込みです。

そこで、石巻市が必要とする人材が「カツオのような人」。これはですね、「カツオのように止まらず動き続けられる」「雑食で誰とでもコミュニケーションできる」「30代〜40代で脂が乗っている」などの意味が込められています。

一方、各企業の担当者は、被災地に「人材を送り込む」ことについてどんな考えを持っているのでしょうか。

◆参加企業・担当者の声
「体力があってやる気があって、というのは民間人財でも大切なこと。今まで民間と公的なところは難しいものがあったかも知れないが、復興という大きなミッションの中では交わっていけるのかなと感じた。当社も復興ボランティアとして何人かずつ被災地に行っている関係もあり、社員が戻ってくると社会的感度があがるというか、感じる部分が非常に大きいと言って帰ってくる。そういう意味では社員が成長するというのは共感する部分がある。」(大日本印刷 CSR推進室担当者)
「何年か前と求められていることも変わってきていると思うし、いろんな土台ができて町づくりが始まる中で、官民一体でやっていかなきゃいけないことが増えていると実感。今時分は民間企業につとめているが、そこで培ったスキルを使う場面が増えていくのではないかと思っている。」(一般企業・商品開発)

※WORK FOR 東北の取り組みに、もしコピーをつけるなら・・・と、コピーライター佐々木圭一さんが、なんと!コピーを考えて下さいました。



WORK FOR 東北サイト

2014年8月4日

8月4日 WORK FOR 東北1

今朝は、会社にお勤めの方や、その企業が、今後 被災地とどう関わっていくのか、これを考える取り組み「WORK FOR 東北」を紹介します。

「WORK FOR 東北」は、復興庁と日本財団が主体のプロジェクト。先日行われた説明会には、東北被災地の自治体職員と、首都圏の一般企業の人事、CSR担当者が集まりました。



まずその概要を、日本財団「WORK FOR 東北」統括の青柳光昌さんに伺いました。

◆企業のマンパワーを東北へ
WORK FOR 東北とは、いま東北被災地で求められている人材、具体的には観光事業を企画したり産業の復興のためのブランディングなどの事業の推進・マネジメントができる人材を被災地に送り、復興のサポート、マッチング、コーディネートをするプロジェクト。企業向け説明会は4回目。地元の観光や産品のブランディングを中心になって行うのは役場だが、役場だけでは上手くいかない。地域の観光協会や商工会議所、NPOなど外の視点が入っているところは、町おこしや村おこしに成功しているパターンが多い。東北にもそれが必要になっているということ。


つまり、人材を必要とする自治体と、被災地支援に関心を持つ企業の「つなぎ役」となるのがWORK FOR 東北です。始まったのは去年の10月。すでに一般企業から30人の社員が被災地へ派遣され、説明会では、その事例も紹介されました。

企業が被災地にお金を出す支援は数多くありますが、これは、企業に「人を出してもらう」のが目的。なぜいま、企業が「人を出す」ことに関心を持っているのでしょうか。

◆被災地の経験がイノベーションを産む
今回ご紹介している企業さんの話というのは、「辞めないで、企業派遣の形で採用してください」というもの。地元にとっては「よそもの」が入ることでよい化学反応となりメリットがあるが、これを「派遣」という形にしてもらう理由は、行った社員が1〜3年して組織に戻ると、ユニークでつらく、面白い体験を企業に持ち帰り活かすチャンスがでてくるから。大きな組織・会社でやることは決まっている。大きなプロジェクトでタスクも決まっているが、それだけではイノベーションは起きない。企業もジレンマも感じている。『留職』というNPOを通じた開発途上国への派遣を行っている企業もある。あれは究極の形。それと同じくらいの効果が今の東北にはある。東北ではいろんな人が復興へ向けて取り組んでいる。一次産業をがんばる方、行政やNPOの方とのコミュニケーション、合意形成は物事が決まっていない中で決めていくというのは得難い経験。それを社内に持ち帰ることで、イノベーターとして新しいプロジェクトを進めるときに、この1年・2年の経験が生きるかもしれない。企業の人材育成にとっても大事だということを、我々としては企業にも理解して頂きたいと考えている。


実は、企業のお勤めの方の中には、「会社を辞めてでも、被災地に貢献する仕事に就きたい」という方もいるといいます。企業としては、当然辞めさせたくはないわけで、そこで「辞めさせず、ほかでは得られない経験を積ませる」ということで被災地派遣の部署を作る…というケースもあるということです。

また、当然ですが、企業によっては新たなマーケット開拓という狙いもあります。

明日は、いま被災地の自治体が求める人材について、具体的な例をお伝えします。

※WORK FOR 東北出は8月5日(火)にも都内で説明会を実施します。この会は企業向けではなく「個人向け」の説明会です。

WORK FOR 東北サイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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