2014年5月21日

5月21日 舞根森里海研究所〜畠山重篤・住吉美紀対談3

「森は海の恋人」の新たな活動拠点、「舞根 森里海(もりさとうみ)研究所」のオープニングイベントの中から、森は海の恋人・理事長の畠山重篤さんと、アナウンサー・住吉美紀さんの対談の模様をお届けしています。

世界的ファッションブランド、ルイヴィトンの支援によって、復旧した西舞根地区、舞根湾の牡蠣養殖施設。
ここには、フランス・ルイヴィトン本社のトップも、訪問しています。畠山さん、実は牡蠣が大好きというルイヴィトンのトップたちのエピソードも披露してくれました。

◆ルイ・ヴィトン5代目当主の訪問
住吉:(ルイヴィトン本社の方々は)こちらにも何度か?
畠山::支援してそのあとどうなっているか見に来てくれました。陸はめちゃくちゃだが海を見るとイカダが整然とならんでいる。そこに5代目当主のパトリックさんが訪問。“職人で石頭”で、スペシャルオーダーという世界のセレブが注文した自分だけのトランクとかバッグを作っている責任者。ポケットにいつもナイフを持っていて、牡蠣をあけて食べて「トレビアン」なんて言っていました(笑) それを見たカモメたちがフランス語を聞いたせいか、変な声で鳴いていて。とにかく彼らはとても喜んでくれた。
それからもう一つアイデアを閃かせて、私たちは今ひとりひとりでは仕事を復活できないということで協業、グループを作っている。舞根地区の牡蠣漁師たちはほとんど家を流されて仮設住宅にいるのだが、その方々に手伝ってもらっている。1年間よく働いてくれたので、ルイヴィトンで安価なネッカチーフを購入してみんなにプレゼントしていた。そこにルイヴィトンのCEOがきたので、カッパに長靴の牡蠣の「剥き子」たちの首にルイヴィトンのネッカチーフをまき、通訳を通して「働くものにこそルイヴィトンは似合う」と伝えたら、CEOが号泣。「支援を2年間延長」となった。ルイヴィトンというのは石頭という意味で、150年前の先祖は貧しい製材所の息子から頑張ってきた会社。今までだとルイヴィトンなんてチャラチャラしていると思っていたが見方が変わった。堂々と持って良いもの(笑)


2014年5月20日

5月20日 舞根森里海研究所〜畠山重篤・住吉美紀対談2

引き続き、宮城県気仙沼のNPO法人「森は海の恋人」の活動レポートです。

「森は海の恋人」が、唐桑町西舞根地区に新たに建設した活動拠点、「舞根 森里海研究所」。
震災後の海の環境調査、子どもたちの環境教育を目的とした施設です。

先月はそのオープニングイベントとして、森は海の恋人・理事長の畠山重篤さんと、アナウンサー・住吉美紀さんの対談も行われました。
森を育てる活動で、国連の「フォレストヒーローズ」にも選ばれた畠山さん。対談では、あの世界的ファッションブランドと、気仙沼の牡蠣養殖のあいだに生まれた震災後の繋がりに関するお話もありました。


※畠山さんの著書は世界各国の言葉に翻訳されている。

◆「石頭のルイさん」からの支援
住吉:世界中で畠山さんの牡蠣、森は海の恋人の話は有名ですが、ルイヴィトンとのコラボがあるんですよね。
畠山:我々は長靴とカッパ世界なのでファッションとはかけ離れているんですが(支援したいという話を受けて)怪しいと思った(笑) ルイ・ヴィトンはフランスの貴族の会社だと思っていたが、調べてみると歴史は全然違う。ヴィトンという名前はドイツ語系のフランス語で、「石頭」という意味。頑固な職人のイメージ。
住吉:「石頭のルイさん」。
畠山:ええ。生活が厳しいところで、ルイ・ヴィトンの初代ルイは13才で母親を亡くし継母にいじめられていた。実家は製材所だったが家を出てパリへ丁稚奉公へ。当時のフランスは女性のファッション、服の仕立ては白木の木箱に入れて届けるので、木箱を作る職人が大事だった。製材所の職人なので木をよく知っていて、あっというまに木箱づくりのマイスターとなり独立したんです。そして旅行ブームがやってきてトランクの需要ができた。トランクの枠はブナやナラということで、トランクづくりを始めたところこれが成功。あの会社は元々、森の木に接点のある会社で、山も持っているんです。さらに調べるとフランスは50年前にウィルス性の病気で牡蠣が全滅したんですが、それを助けたのが宮城の牡蠣の種。病気にかからず、よく成長して美味しいということで、フランス人が食べている牡蠣は、実は宮城の牡蠣種の末えいなんですよ。
住吉:それをルイヴィトンが知っていた。
畠山:いや、ルイヴィトンの経営者は全員牡蠣好きだったわけです(笑) 美味しい牡蠣を作るには山に木を植える・・・という(森は海の恋人の活動を知り)私たちのところを(支援の)第一候補としてくれて、支援を受けることになりました。




そもそも、ルイ・ヴィトンは以前から、森林保全活動に力を入れていたため、森は海の恋人が続ける植林活動に関心を持ったそうです。ルイ・ヴィトンの支援を受け、自力では再建できないと言われた西舞根の牡蠣の養殖施設は、復活することが出来たということです。
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パーソナリティ 鈴村健一

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