2014年5月19日
5月19日 舞根森里海研究所〜畠山重篤・住吉美紀対談1
今週は、「森は海の恋人」の活動レポートです。
これまで番組で何度か取り上げている気仙沼のNPO法人「森は海の恋人」。唐桑町舞根地区の牡蠣漁師・畠山重篤さんを中心に山に木を植えることで豊かな海を育てる活動を続けています。
このNPOが先月末に活動拠点として建設したのが「舞根 森里海研究所」です。ここの目的は東日本大震災で被災した自然環境の変化を調べること、そして目の前の海を使った子どもたち向けの体験学習です。
今週は、この研究所のオープニングイベントから、畠山重篤さんと、アナウンサー・住吉美紀さんの対談の模様をお送りします。対談ではまず、震災前から続く「子どもたちの体験学習」が、話題にあがりました。
◆プランクトンを飲むことは「人間を飲むこと」
畠山:小学生が舞根にやって来た時に、体験学習をやっていてアイデアが浮かんだ。プランクトンネットでプランクトンを取り、それをコップにためて一口ずつ飲ませるというアイデアを閃いたんですね。
住吉:プランクトンを?
畠山:プランクトンは人間が川から流したものを体内に取り入れる生き物。つまり人間が流したものを飲むということに通じる。だからもし人間が川を汚せば当然牡蠣も食べられなくなる。それをクドクド言わずに一口ずつプランクトンを飲ませたわけです。これが効いた。
住吉:どうなったんですか。
畠山:光にかざすと、海水の中には動物プランクトンもいて動いている。これを「飲め」ったってイヤがる。でも沖にいるので、「船長の言うことを聞かないと帰さない」と脅すんです(笑) すると元気の良い男の子が飲む。味はしょっぱいが、植物プランクトンがいるから青臭い。「きゅうりの味がする」と農家の子どもが安心すると、私も僕もとみんな飲み始める。ひと通り飲ませて陸へ戻ってきて顕微鏡で見せる。飲んだ植物プランクトンを顕微鏡でみると、すげえ格好をしている。さっきそれを飲んだ子どもたちは悲鳴を上げて驚くと。クドクド言わなくても、プランクトンを飲むことは”人間を飲むこと”だとぱっと分かる。
住吉:子どもは頭がいい、というか勘がいいんですね。
畠山:牡蠣を作る漁師はすごいポジションにいるということ。河口の汽水域がフィールド。学校の先生がやれないことをできるという自分たちにはできるという自信を、平成2年に持った。今まで1万人の子どもたちがプランクトンを飲んでいます(笑)
舞根・森里海研究所は、カキ養殖の実験室や研究者のための研究施設、そして子どもたちが体験学習をするためのスペースなどが設置されています。今後、この施設と目の前の海で、さっきお話にあったような 「子どもたちが、海のプランクトンの“味を体感する”」などの学習も行われることになります。
これまで番組で何度か取り上げている気仙沼のNPO法人「森は海の恋人」。唐桑町舞根地区の牡蠣漁師・畠山重篤さんを中心に山に木を植えることで豊かな海を育てる活動を続けています。
このNPOが先月末に活動拠点として建設したのが「舞根 森里海研究所」です。ここの目的は東日本大震災で被災した自然環境の変化を調べること、そして目の前の海を使った子どもたち向けの体験学習です。
今週は、この研究所のオープニングイベントから、畠山重篤さんと、アナウンサー・住吉美紀さんの対談の模様をお送りします。対談ではまず、震災前から続く「子どもたちの体験学習」が、話題にあがりました。
◆プランクトンを飲むことは「人間を飲むこと」
畠山:小学生が舞根にやって来た時に、体験学習をやっていてアイデアが浮かんだ。プランクトンネットでプランクトンを取り、それをコップにためて一口ずつ飲ませるというアイデアを閃いたんですね。
住吉:プランクトンを?
畠山:プランクトンは人間が川から流したものを体内に取り入れる生き物。つまり人間が流したものを飲むということに通じる。だからもし人間が川を汚せば当然牡蠣も食べられなくなる。それをクドクド言わずに一口ずつプランクトンを飲ませたわけです。これが効いた。
住吉:どうなったんですか。
畠山:光にかざすと、海水の中には動物プランクトンもいて動いている。これを「飲め」ったってイヤがる。でも沖にいるので、「船長の言うことを聞かないと帰さない」と脅すんです(笑) すると元気の良い男の子が飲む。味はしょっぱいが、植物プランクトンがいるから青臭い。「きゅうりの味がする」と農家の子どもが安心すると、私も僕もとみんな飲み始める。ひと通り飲ませて陸へ戻ってきて顕微鏡で見せる。飲んだ植物プランクトンを顕微鏡でみると、すげえ格好をしている。さっきそれを飲んだ子どもたちは悲鳴を上げて驚くと。クドクド言わなくても、プランクトンを飲むことは”人間を飲むこと”だとぱっと分かる。
住吉:子どもは頭がいい、というか勘がいいんですね。
畠山:牡蠣を作る漁師はすごいポジションにいるということ。河口の汽水域がフィールド。学校の先生がやれないことをできるという自分たちにはできるという自信を、平成2年に持った。今まで1万人の子どもたちがプランクトンを飲んでいます(笑)
舞根・森里海研究所は、カキ養殖の実験室や研究者のための研究施設、そして子どもたちが体験学習をするためのスペースなどが設置されています。今後、この施設と目の前の海で、さっきお話にあったような 「子どもたちが、海のプランクトンの“味を体感する”」などの学習も行われることになります。