2014年5月15日

5月15日 気仙沼・唐桑半島9 「わかもの」と「よそもの」が作る未来

引き続き、宮城県気仙沼市・唐桑半島からのレポートです。

県外からやってきた若者、地元の若者による、唐桑半島の街づくりサークル「からくわ丸」のメンバーのお話を月曜日から、お届けしてきました。

最後は、唐桑で生まれ育ち、今も唐桑で暮らす金野諒さん、そして、兵庫から震災ボランティアをきっかけに、唐桑に移住した加藤拓馬さん、お2人の言葉です。

地元の「わかもの」が思い悩み、県外からの「よそもの」が思い描く、これからの唐桑とは。

◆「わかもの」と「よそもの」が作る未来
(金野さん)うちの場合は高台移転の話に参加させてもらっていて、19世帯で移転する計画を立てている。最近造成がはじまったばかり。ただ高台移転には問題点があり、元々高齢者の多い地域だったため、造成した場所で20年〜30年暮らすと上の世代がいなくなり、そこに新しい人は入ってこない。19世帯の中で俺と同世代は2人しかいない。だんだん人が少なくなっていくというのも問題の一つ。

(加藤さん)唐桑が生き残るためには外からの移住者が絶対的に必要になってくると考えていて、特に地方、山陰地方の島根などは移住促進を行政として推進していて、IターンUターンを誘致できる環境づくりが絶対に必要になってくると考えている。この土地は若い人が圧倒的に少ない状況なので、ここの暮らしや地域性にほれ込んだ若者を外から連れて来て、しっかりとした生活ができること。パソコン1台あれば仕事はできる。ここで自然の中で感性を豊かに保ちつつ、仕事をしつつというライフスタイル、田舎ならではの新しいライフスタイルをこれからの大学生、20代に提案していくことが、こういう地域の生きる道だと最近強く考えている。それをどうやってやろうかとワクワクしている。空き家も増えているがそれをネガティブに考えるのではなく、「空き家バンク」という考え方もあるので、外から移住してきた人と空き家のマッチングする機能を作りましょうというもの。今はやりの古民家のリノベーション。その地域に根差しているけど今風という新しいデザインをどんどん取り入れていくのが難しいが面白いんじゃないかと思っている。


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2014年5月14日

5月14日 気仙沼・唐桑半島8 唐桑で生まれ育った若者

宮城県気仙沼市・唐桑半島からのレポートです。

きのうは街づくりサークル「からくわ丸」の活動の一つ、地元・唐桑の子どもたちに、町の魅力を伝えるワークショップを紹介しました。

からくわ丸を構成しているのは、地元と県外の若い世代、つまり「わかもの」と「よそもの」。
県外からやって来た「よそもの」の“気づき”は、地元・唐桑で生まれ育ったメンバーにも、大きな“気づき”を与えているんです。

◆いつでも戻ってこられる場所
唐桑出身で、いまも唐桑で働いている今野です。やっぱり震災がきっかけ。自分たちの町って意外と漁師さんの話も当たり前だと思っていて、ずっと船に乗ってた父親から世界中の海を回ったという話も聞いたことがある。家にもやっぱりウィスキーの棚がいっぱいあって、親父は酒を飲めないのにずらっと並んでいるのが、実は「当たり前ではない」ということ、面白いと思えるきっかけをくれたのが からくわ丸。
漁業が衰退する中でどうしても外に出て行ってしまう若者が多い。でも同級生で25〜26歳くらいで戻ってくる友達もいる。そういう人たちが、いつでも戻ってこられるような場所にしたいというのが一番だし、なぜ戻ってこられるかと言うと昔の思い出があるからだと思っている。子どものうちにそういった思い出を、自然の中で作っていける場所と言うのも必要なのかな。そういう町づくりができればいいなと。(子どものころ)近所の友達と海岸に秘密基地を作っていた。床一面のホタテの貝殻を敷き詰めたりして基地を作り、週末そこに集まって釣りをした。釣りもエサさがしからはじめたり、オトナになってからも覚えている。そういう場所を作りたいというのはある。海との思い出があれば。夜寝る時に波の音が聞こえてきたり、船の走る音が聞こえて、そろそろ朝だと思ったり、生活のリズムの中に海のある暮らしが、子どもにも知ってもらいたい。




からくわ丸のメンバーの一人、唐桑生まれ、今も唐桑で暮らす25歳、金野諒さんのお話をお届けしました。
明日も、唐桑半島のいま、お伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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