2014年5月13日

5月13日 気仙沼・唐桑半島7 唐桑のいまと課題

引き続き、宮城県気仙沼市・唐桑半島からのレポート。地元と県外の若い世代による街づくりサークル「からくわ丸」の中心メンバーの一人、加藤拓馬さんのインタビューをお届けしています。

唐桑御殿と呼ばれる、とても豪華なお家が立ち並ぶ漁師町・唐桑。かつては腕の良い漁師がたくさんいて、大変栄えていたと言います。しかし、現状はそうではありません。県外から移住してはや3年。今も町づくりに取り組む加藤さんは、唐桑が抱える課題に、どう取り組んでいるのでしょうか。

◆海で遊ばない子どもたち
今は20年位前から右肩下がりの状況。特に遠洋マグロ漁船がすごかったが右肩下がりになり、そのまま後継者不足、若い人が船に乗らず仙台に行ってしまうという状況。若い人たちが進んで船に乗りたいと思ってくれない、昔に比べて売上も伸びていない。次世代にどうつなげるかということでメインで取り組んでいるのが、地域の子ども達に地域の魅力を知ってもらおうという企画を、外の大学生とタッグを組んでやっている。3月の春休みに、子どもを唐桑・気仙沼から20名集めて、漁師の船に乗せてもらいロープワークを習ったりするということをやった。震災後、大人は子どもを海から遠ざけたいと言い、海は危ない場所になってしまった。たった3年だが子どもたちにとっては大きい。海から離れてしまい遊び方を知らない、触れ方を知らないのはマイナスだしもったいない。この町で何が欲しいかと中学生に聞くと「温水プールがほしい」という。海があるじゃんといったら「海に行ってもなにもない」。昔の人に聴くと、海に行けばなんでもあったという。学校から帰るとすぐ浜に行って素潜りして魚を取り釣りをするのがこの地域では当たり前だったがなくなりつつある。これは怖いこと。この地域性の根幹を揺るがすことになるのではないかという危機感がある。



唐桑半島・舞根湾は夕暮れ時になると、こんな幻想的な景色が。
からくわ丸が企画した、地元の子供達のワークショップは夏休みにも、また実施される予定です。

明日も、からくわ丸・加藤さんのインタビューをお伝えします。
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2014年5月12日

5月12日 気仙沼・唐桑半島6 漁師町・唐桑の財産

今週も先週に引き続き、宮城県気仙沼市・唐桑半島からのレポートです。

今回の取材で唐桑半島を案内してくれたのが、地元と県外の若い世代による街づくりサークル「からくわ丸」のメンバー。メンバーの中で中心的な役割を担っているのが、加藤拓馬さんです。加藤さんは兵庫県出身。震災直後にボランティアとして唐桑に入り、決まっていた就職を取りやめ、そのまま移住したという若者です。

加藤さんが、地元の方とつながりを深める中で感じた、移住を決意するほどの 唐桑の魅力。それはどんなものなのでしょうか。

◆豪快な漁師の町・唐桑
今の気仙沼の発展があるのは、唐桑と大島の漁師が優秀だったからというプライドがここの漁師にはある。それもそのはずで石を投げれば船頭さんにあたるというくらい船頭が多かった。船頭は、船長さんとは違い漁場に目をつける人のことで「あそこで魚が獲れるぞ」と指揮する。魚が獲れる獲れないは船頭の指示一つにかかっている。船頭を多く輩出したのが唐桑。魚をとって気仙沼に水揚げすれば加工施設や船の整備が整い栄えていく。そして唐桑では船頭さんが豪華な家を建ててきた。それが唐桑御殿。本当にお金持ちの町だった。中学に上がると船に乗り、20才そこそこで1000万円〜2000万円を稼ぎ町にお金を落とし、家も購入して親孝行もするという時代があった。自分の全く知らない世界のことを教えてくれる。遠洋船に乗ってた人は世界中の海を見ていて、南米の武勇伝なんて話もしてくれる。南米大陸に日本船が来ると港の物価が上がるというくらい日本人の漁師が(お金を)ばらまいていた時代があり、とにかく豪快。銃撃戦に巻き込まれた話を聞けたり、鉱石とか世界中のウィスキーとかが家に並んでいたりして、そういう人たちから昔の話や武勇伝を聞かせてもらえるのが面白い。




漁師町・唐桑が活気づいていた頃の、漁師さんたちの、とても豪華なお家が通称「唐桑御殿」。こんなお家が今も唐桑にはたくさんあります。

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パーソナリティ 鈴村健一

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