2014年3月20日

3月20日 いしのまきトラベルレストラン(4)

石巻の農業・漁業体験をして、そこで出会った食材を使ったレストランで食事を楽しむイベント、その第1回の模様です。

牡鹿半島の「浜」で、お雑煮やおせち料理を楽しんだ参加者一行は、ふたたびバスに乗りまして、次の目的地、「牡鹿半島・鮎川浜」へ。道中、バスの中では、地元の方が 被災地の現状を語るシーンもありました。


◆鮎川浜の現状
「被災して3年目なので、ボランティアさんも少なくなり買い物も来なくなりました。鮎川という町は密集していたのですが今は全然何もない街です。昔はホエールランドとかクジラの博物館、捕鯨船もあったが今は捕鯨船が1そう丘の上に残っているだけ。うちらがどうしても商売がやりたいということで仮設の「のれん街」を作って頂いて、いまはそこで営業しているがなかなかお客さんの足が遠のいて、閑古鳥もよいところ。津波が来たとき、あそこに家があって年寄りが1人、波が来る中「たすけて」と叫んでいたが、私たちは見ているだけで何もできなかった。それが時々目に映るし、水が引いてから役場の人が消防の人と見に行ったら、やはりおばあさんが亡くなっていた。その人が一番最初の犠牲者でした。」


バスの中で、津波被害について語ってくれたのは、鮎川浜の復興商店街「おしかのれん街」で、お魚屋さんを営む女性です。 のれん街に到着後、参加者一行は、お土産物を買ったり、お店の方とコミュニケーションをとったりしました。 おしかのれん街に、のれんを掲げる一軒のお寿司屋さんのお話です。


◆地元を離れず・・・
「黄金鮨です。お店も流されて自宅も流されて、震災を機に代替わりして、オヤジと弟と3人でやっています。調査捕鯨も2012年から再開したし牡鹿で4月〜5月に60頭、釧路で60頭の120頭を獲ったがそれ以上に定置網に間違ってはいるクジラがいる。そのクジラが宮城県、岩手県、千葉から陸送して、こちらにしかない解体できるちゃんとした設備にやってきている。それが流通してもよいということになっている。そういうクジラが入ってきているが、こういう人口で商売するのはきつい。震災後は恩恵があってお客さんが来てくれたが3年が経過して、震災前の状況に戻ってきた。ただ、嘆いてばかりはいられないのでとにかく美味しいものをだしたいし、食べ物でお客さんを呼びたい。このあたりで獲れるクジラの握り、うちのおやじが商業捕鯨が禁止になってから作り出したんだけど、クジラは捨てるところが無いくらい無駄にしていない。ベーコン、舌(さえずり)とか色々と出しています。何十年もかかるだろうが地元を離れずに挑戦していきたいです。

 
明日も、いしのまきトラベルレストランの模様をお届けします。
 

2014年3月19日

3月19日 いしのまきトラベルレストラン(3)

農業・漁業体験と、そこで出会った食材を使ったレストランを楽しむ「いしのまきトラベルレストラン」、2月に行われた第1回の模様をお届けしています。

この回のテーマは、「浜のお正月」。宮城県石巻・牡鹿半島に点在する「浜」という集落の、さまざまな出汁を使ったお雑煮を楽しんだ参加者一行。このあとさらに、石巻ならではの、お正月のごちそうに舌鼓を打ちました!


このおせち料理を作ったのは、石巻で100年の歴史を持つ滝川の料理長、阿部司さん。お節は、地元の海産物が盛りだくさん!阿部料理長は丁寧にお節の食材を説明してくれました。

◆石巻のうまいものぎっしりおせち料理!
牡蠣のオイル蒸しにはじまり、タコの柔らか煮、15キロを超える大きい水ダコでした。それからアナゴの裏付け、これも地元のアナゴです。それから焼き魚は鰆の幽庵焼きです。一番手前の白いのはアワビです。これも石巻で獲れる大きいアワビ。かつおだしを利かせたもので炊いていきます。食べて頂きたいと思います。



地元の老舗料亭「割烹滝川」は、釜飯が美味しいと評判のお店です。震災の被害を乗り越え、大正3年からの看板を守る4代目料理長・阿部さんも、今回の企画は、勉強になることが多いと話します。

◆浜のお母さんから学ぶことは多い
生まれは女川町の水産加工会社の二番目の息子でした。お雑煮は実家で食べていたものと近いものがあります。不思議なのは、材料はだいたい同じだが出汁が違うというか風味があって違う。あとでまたお母さんたちに聞きたいなと思っているんですが、コツというかそれぞれの特徴はどう違うか、分かれているのかは興味がわきました。地元に長くいらして、仙台からの調理法、撮れるものや撮れる時期の美味しさは浜の方たちが一番詳しいと思うんです。そういうところを我々も学ぶべきだし、もっと地元の食材を大切に思うのであれば、そういうところから知らないと、地元の料理人としては恥ずかしいかなと。それくらい研究していかないと。まだまだ知らない料理も食材もいっぱいありますし、創業100年だからどうしたというのがあって、京都とかにいくと400年というのがざらにある。100年というのは大した・・・。

           

いしのまきトラベルレストラン。これで終わりじゃありません。まだまだこの後も、貴重な体験がいっぱいあります!この続きは明日!

 
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パーソナリティ 鈴村健一

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