2013年11月5日

11月5日 ツール・ド・東北2013 参加者をもてなす地元の「民泊」

クロノス中西哲生・気仙沼出身のパラリンピアン佐藤真海選手がアンバサダーとして参加した、東北沿岸部を自転車で走るイベント「ツール・ド・東北 2013 in 宮城・三陸」。

イベントには、本当に大勢の地元の方々がボランティアで協力していました。例えば、遠くからの参加者のための「民泊」。これは地元の方が、ご自宅に参加者を受け入れ、泊ってもらうこと。ツール・ド・東北では、31軒の方が民泊に協力したのですが、大会前日、2軒の方にお話を伺うことができました。
まず、石巻市沢田の齋藤伊平さんです。

◆全国からの支援に恩返しをしたい
震災で全国、世界から色んな支援を頂いて、恩返しをしたいと思っていたが仕事があるからなかなか出来ない。たまたま新聞を見て、これだったらうちにもできるかなと。座敷も開いているし協力したい。ここで牡蠣料理三昧で行こうかなと。炭を起こして鍋でも出そうかな。とにかく色んな人との交流が楽しみですね。今、作っている試作品の、牡蠣のオイル漬けもどうぞ食べてみて下さい。


斎藤さんは、父親の代から牡蠣の養殖業を営んでいる方。家の目の前には牡蠣の生産で有名な「万石浦(まんごくうら)」があります。津波の被害から2年半、齋藤さんは、牡蠣の加工場も復旧させ、「牡蠣のオイル漬け」など新商品の開発を始めています。その試作品は、思わずビールを頼みたくなる美味しさでした。

そしてもう一軒。石巻市雄勝町では、仮設住宅に参加者を受け入れた方もいらっしゃいました。

◆仮設住宅の暮らしを
ツールド東北で民泊を受け入れる高橋頼雄。雄勝硯を作っております。うちの仮設住宅・・・仮設に住んでいるのでそこに泊まってもらいます。震災後色々とボランティアで来た方に泊まってもらっているんです。ご飯を食べてもらって。仮設住宅が報道では「ひどい」と言われるが、実はわたしらはそんなにひどいと思ってはいない。狭いは狭いが、わたしの住んでいる雄勝地区の仮設は本当に地域の人たちばっかり。元々のツナガリがあった人らが多くて、ある意味、江戸の長屋ぐらしみたいな状況。食べ物をあげたりくれたり。今日はたぶん、鯖が1本、タコ、ホタテ。あともう2〜3あるらしい。そういった部分を感じて欲しい。もちろん家が無くなり身内の人が流されたりという辛い思いはしている。でも毎日辛いことで、もつわけがない、2年半も。だから普通なんですよ。基本的に。もちろんこもっていらっしゃる方もいらっしゃるのは事実だがそれが全部ではない。さらにこれから家を作ったり仕事を再開したりと、前向きに動いている人がいっぱいいるということを見て欲しい。通った景色を頭に入れて、次何かしらで遊びに来るっていうスタイルで続けて欲しい。民泊が必要であればいつでも受け入れるし、それをもっと広げていけば楽しいものになると思うので。


明日は、雄勝地区の伝統工芸、「雄勝硯(おがつ すずり)」の 今をお伝えします。

2013年11月5日

11月4日 ツール・ド・東北2013in宮城・三陸その2

東北サンさんプロジェクトの一環として行われた、自転車のファンライドイベント「ツール・ド・東北2013in宮城・三陸」。クロノス中西哲生・気仙沼出身のパラリンピアン佐藤真海選手の2人は、アンバサダーとして、60キロのコースを走りました。

スタートは、石巻専修大学の校庭。海沿いへ向かい、急勾配を上がり、女川の休憩所(エイドステーション)で、 女川名物の、秋刀魚のつみれ汁に舌つづみを打った2人は、女川から今度は雄勝へ向かったのですが・・・このあたりも結構な坂が続くんです!!




そして、スタート地点から距離にして38.5キロ地点。今度は雄勝のエイドステーションで、再び美味しいものが待っていました!




まさに、今朝海からあがったばかりのホタテ!! 雄勝のボランティアの方々が、朝から殻をむいて、たくさん用意してくれていました。このホタテの肉厚さ、そして海の甘み…思い出しただけでも顔がニヤつきます。え、食べたいですか? ぜひ雄勝へ行ってください。

石巻市・雄勝地区では、ホタテの養殖施設もかなり復旧してきています。取れる量も、かなり回復しているということです。また雄勝エイドステーションのすぐ近くを流れる川には、鮭が遡上(そじょう)する姿も見られるそう。震災を経験しても、海と川が豊かであることは変わりないのです!!

参加者の方にもお話を伺いましたが、大阪、さいたま、千葉、東京、九州・・・このイベントのために、全国から石巻へやってきていました。また、同じ東北の塩釜から来たという男性は「子どもの頃、父親に連れられて雄勝に来た想い出がある。自転車が趣味だから被災地を走りたいと思っていたけど、気が引ける部分もあり行けていなかった。こうしたイベントがあるととても嬉しい。久しぶりにきた雄勝は、子どもの頃と一緒でやっぱり美しい景色がいっぱいあった」と、少年時代のことを思い出しながら話してくれました。

また、沿道で応援する地元の方の姿に、力をもらったという参加者もたくさんいました。ちなみに、こんな可愛い応援団も。




ツール・ド・東北は、60キロコース、100キロコース、120キロコースとあって今回、中西・佐藤コンビが走ったのは60キロコース。雄勝のエイドステーションを超えると、標高90mの高さまで続く長い上り坂があり、トンネルをくぐり、そしてそして北上川をさかのぼって、、、、石巻のゴール。というコース。だいたい4時間ちょっとの自転車の旅でした。

ツール・ド・東北は、今後「10年続けていく」考えだといいます。自転車好きな方はもちろん、東北の今を知る、暖かい人たちに触れる良い機会。ぜひ来年はあなたが参加して下さい!!


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パーソナリティ 鈴村健一

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